IS バニシング・トルーパー 011-012
更に空中まで追って、踵落としでメキボスを地面に叩きつけた後、ボクサーパーツを分離させる。
「これで止めだ!」
分離されたボクサーパーツが変形して巨大な剣となり、その先端に念動力の刃を形成させる。
「グラビティ・ソード・ダイバー!!」
その巨大な剣を地面に垂直して、エクスバインはその上端に乗って落下させていく。
「くっ、まずいぜ……うん?」
意識はまだあるものの、あれだけのメキボスに行動する気力はもう残っていない。この状態でボクサーの必殺の一撃を食らったら、さすがにグレイターキンも持たない。
しかし、クリスのグラビティ・ソードがメキボスに直撃する直前に、グレイターキンが赤く光り始めた。この光がグレイターキンの全身を包んでいく。
「あれは!!」
一夏と抱えて、鈴と一緒に上空まで退避したギリアムはその光を見て、明らかに動揺して驚き声を上げる。
「砕け散れ!!」
ドガァァン!!
クリスの叫びと共に、ボクサーパーツが変形したグラビティ・ソードがグラウンドに衝突した。巨響と共に、土と砂が地面から舞い上がり、激しい気流が吹き荒れる。やがて煙が晴れ、そこに見えたのは地面に深く刺さっているグラビティソードと、ISの展開を解除して気を失っているクリスだけで、メキボスとグレイターキンの姿はどこにもなかった。
「まさかこっちの世界でもインスペクターが地球に来ていたとは……」
クリスの命に別状はないのを確認した後、ギリアムは学園の関係者が来る前にさっさと退散した。
行き先はフランスのハースタル機関本社。今はイングラムと会って確認したいことが多すぎる。
「しかしさっきの反応、間違いなくシステムXNのものだった」
来訪者を自分の目で確認するためにここに来たが、まさかかつて自分が犯した罪と再会するとは思わなかった。
「俺の罪滅ぼしは、まだこれからだと言うのか……」
複雑な思いを抱いて、ギリアムはタイプRVをさらに加速させていく。
作品名:IS バニシング・トルーパー 011-012 作家名:こもも