IS バニシングトルーパー 028-029
「いつまで逃げまわしているつもり!?」
「箒がシャルルを倒すまでな!!」
「あくまで本気をださないなら……!!」
一旦減速して動きを止め、レオナは両肩部にある横へ向けているハサミ状の装甲パーツを動かして、その開口部を一斉に前方へ向けてきた。
「……!? だが!!」
形状だけをみれば、どんな性質な武器なのかは推測しにくい。しかし今まで見せてない機能を使おうとしているレオナは一瞬だけ、足を止まっている。それを見て振り返ったクリスは迷わずグラビトンライフルの照準を合わせてトリガーを引き、同時にズィーガー両肩部のハサミ状パーツの奥も眩しく輝き始めて幾筋の光線を放ち出した。
「ソニック・アクセラレーション!!」
「これはっ!!」
鋭い轟音と共に、ハサミ状パーツから伸び出した十メートル以上の長さを持つ灼熱な光槍がクリスへ襲い掛かる。
両肩部が出た金属粒子を電磁誘導加熱し、念動力で収束して打ち出すズィーガーの切り札「ソニック・アクセラレーション」だった。念動力者以外使えないのがネックだが、威力も発生スピードも一級品。その予想外の武装に不意を突かれ一気に吹き飛ばされたエクスバインはアリーナを覆うバリアにぶつかり地面に落ち、ソニック・アクセラレーションと同時に発射したグラビトンライフル照射の直撃を食らったズィーガーもグラウンドに落ちた。
「「クリス!!」」
塵煙の中に埋もれたエクスバインに向かって、シャルロットと箒が同時に手を止めて心配そうな声でクリスの名を呼んだ。
作品名:IS バニシングトルーパー 028-029 作家名:こもも