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IS  バニシングトルーパー 036

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 グランゾンが打ち込んだ数だけのビームがワームホールを通って標的の死角から襲い掛かり、交差する熱線が灼熱な光網を構築する。
 ビームの一撃くらいなら、大したダメージにはならないかも知れない。しかし四面八方から注いでくるビームでは、どんな防御手段でも一瞬で限界が来る。
 AIの状況判断能力では、この未知な攻撃手段から逃げられない。どこに逃げようと、ビームが何もない空間から飛んでくる。
 あっと言う間に、無人機の大群はビームの嵐に飲み込まれていった。
 その間にも、グランゾンはビームを撃つのをやめない。攻撃対象は一機だけではない。二十機を同時に攻撃しているのだ。
 エネルギーシールドを破ったビームは無人機たちの装甲を容赦なく貫いて、内部の機械を溶解する。各所で爆発が起こり、無人機たちは煙りを立てながら最後のひとかけらまで黒炭にされていく。
 まさに圧倒的な蹂躙であった。
 30秒も経たないうちに、二十機の無人機はすべて跡形もなく消された。煙の中にグランゾンは広げた両手を下ろして、下方のビル屋上に立っている束を見下ろしてセンサーを光らせる。
 まるで、虚しさを噛み締めながらも、この絶対的な強さを誇っているように。

 「すごい! すごいよシーちゃん!!」
 特別観覧席で間近に目撃したグランゾンの凶悪なまでの力に、亢奮した束は思わず両手を万歳しながら飛び上がる。頭に文鳥を乗せたまま、束は両手を口に添えて、グランゾンへ向けて大声で返事を叫んだ。

 「シーちゃん! 私、グランゾンを破壊できる凄いものをつくるから! それまでに他の人に殺されちゃイヤだよ! 約束だからね!!」