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IS  バニシングトルーパー 038-039

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 海へ一直線に駆け出す。
 そして胸を張って海の向こうの見果てぬ水平線に向かって、意味不明な言葉を大きく叫んだ。

 「チェェェンジっ!! シスコォォォォォン!! ワン!!」

 「……お前たちの普段生活は一体どうなってるか、気になるな」
 「俺にも問題があるみたいに言うな」
 寝転がったまま隆聖に目を向けると、彼は手を振って自分との関連性を否定した。

 バサァ!!
 「うわああっ!!」
 突如に海から何かが飛び出してきて、波打際に立って呆然としていた一夏は驚いて砂浜に尻餅をついた。
 海から飛び出してきた黒影が太陽へジャンプし、眩しい日差しを背に華麗に空中回転を決め、やがて熱い砂の上に着陸した。
 一人の成人男だった。
 海の色とよく似合う青みのかかった腰まで及ぶロングヘアに、女性をときめかせる激情の秘めた赤い瞳。黄色のブーメランパンツを着たその男は白い歯を輝かせながら爽やかに笑い、クリス達に声をかけた。

 「よっ! 元気にナンパしているかい? 少年たち!!」

 「イルムさん……」
 唯一彼の正体をしているクリスはサングラスを外して、信じられないという表情で自分の先輩に当るその男の名を、口にしたのだった。