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IS  バニシングトルーパー 041

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 「……試食は?」
 そのいかにも見た目が綺麗なサンドイッチを、クリスは死んだ魚のような目で捉え、セシリアに問いかけた。
 相変わらず見た目だけは見事だが、セシリアの料理を見た目だけで判断してはいけない。

 「えっ? えっと、まだですけれど」
 「気持ちだけいただいておく。ありがとう! そして、ありがとう!」
 「えぇぇええ!?」 


 ドドドォォン!!
 突如に外から、連続した低い爆発音がこの部屋まで伝わってきた。
 三人は一斉に窓の外へ目を向けると、少し遠くにある林の中で、何本かの樹が倒れていくのを見えた。

 「何だ? 今の」
 「さ、さあ……」
 「クレイモア、なんじゃないかな」
 クリスの腕の中にいるシャルだけが、落ち着いた声でそんな物騒なセリフを口に走った。
 そしてとてつもなくいやな予感がして、クリスはシャルから引き剥がして彼女の目を見て問いかける。

 「どういうこと?」
 「……イルムさんとクリスがナンパしてたってマオさんに連絡したら、クレイモアを露天風呂近くの林に設置しなさいって」
 「なにっ!?」

 どこか妖しげで、可愛いのだが微かに怖い笑顔を浮かべたシャルの返事を聞くと、クリスは慌てて携帯を出してすぐさまある人物に電話をかけた。
 数回コール音がした後、電話の向こうから聞こえたのは、「お客様がおかけになった電話番号は、 電波の届かないところにおられるか、 電源がはいっていないためかかりません」という女性の声だった。

 「……っ」
 額を脂汗が伝わり、体中ががくがくと震えながら、クリスの携帯を持った手が無力に垂れていく。
 そして急に飛び起きて窓を開けて、力の限り夜空に向かって狼の如く咆哮した。

 「イルムさああああん―――――!!!」

 親指を立てて爽やかに笑うロングヘア兄貴の面影が夜空に浮び、一つの流星が夜空を裂いて落ちていくのだった。