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IS  バニシングトルーパー 042

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 だからあの能天気女にそれを暴かれそうになった時に、感情のコントロールを上手くできなかった。
 けれど、シャルを怯えさせたのは不本意だ。
 ゆっくりと息を吐いて、クリスは強張った顔を緩めて、いつもの柔らかい表情になり、

 「……すまなかった」
 と、シャルに詫びを言葉を聞かせ、周囲の友人達にも頭を下げた。

 
 「コホン! ……貴様ら、ちゃんと並べ」
 ちょっと予想外のアクシデントがあったが、これでやっと本来の予定に入れる。そう思って、千冬は咳払いして、仕切り直そうとした。
 そんな時に、崖の上から慌しい足取りで、息を乱しながら駆け下りてくる副担任の姿が皆の目に入った。

 「たたた、大変です! 織斑先生!!」
 両手を広げてバタバタさせながら、山田真耶は千冬の側まで走り寄ってきた。
 そして乱れた息を整えながら、持ってきた小型端末を千冬に渡した。

 そのディスプレイを見た千冬は小さく呟き、顔が再び厳しくなる。
 「……特殊任務レベルA、直ちに対策を始められたし、か」

 それが、一連の激戦の始まりだった。