二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

IS  バニシングトルーパー 050

INDEX|7ページ/7ページ|

前のページ
 

 千冬を一瞥して、アクセルはJCみたいに頬を染めて目を伏せた。

 「……」
 せっかく収まった殺意が、また湧き上がってくる。
 殺そうか。今殺してやろうか。丁度シシオウブレード持ってるし。
 しかしこの男の事情を考えると、彼の話も一理ある。本当に記憶喪失なら、このまま追い出すのはちょっと酷い気がするし、嘘だったら尚更放り出すわけにはいかない。
 それにもし何かをやらかしたら、処刑する大義名分もできる。

 「……私の一存では決められない。一応上層部とかけ合ってみる」
 「サンキュー。そういえばさ、姉ちゃん名前は?」
 軽く礼を言って、アクセルは陽気な笑顔を浮べて、千冬の厳しい視線を、どこか暖かくて優しい目で返した。

 「……織斑千冬だ」
 数秒間見つめ合った後、千冬の方が先に目を逸らした。
 中々に食えない男だ。

 「オッケー。千冬ちゃんだな」
 「誰がちゃん付けしていいと言った」
 「まあまあ、細かいこと気にすんなよ」
 「……斬るぞ」
 「しかし、一つだけ気になってることがあるな」

 自分の頭に巻きついている包帯を触りながら、アクセルは何か面白いことを考え付いたような表情を浮べる。

 「ここだけ妙に凄く痛いんだよな、これが。まさか千冬ちゃん、叩いたら俺の記憶が戻ると思って、俺の頭を叩いてたり……し、て……」
 言葉の途中から、アクセルの軽そうな笑顔が硬くなっていく。
 今の会話に、デジャヴみたいなものを感じた。
 千冬に視線を向けると、彼女は無言に真耶と一斉に顔を逸らした。
 そしてよく見ると、部屋の隅には金属バットが一本立てかけられている。その先端には、乾いた血みたいなものがついていた。

 「ま、まさか……」
 背中に、冷や汗が伝わっていくのを感じる。

 「お、お前らな!!」

 アクセル・アルマーがアホセル・アルマーに生まれ変わる日であった。