IS バニシング・トルーパー リバース 001-002
「結構です」
メガネ女がポケットから出したキャンディーを、助手は遠慮した。
「あっそ」
視線をゲシュペンストが映っているモニターに戻して、メガネ女は差し出していたキャンディーを自分の口元に送った。
「ところでさ、情報部との交渉は上手く行ってる?」
「一応。元々情報部の連中が掘り出したものだっただけに、この計画の価値を十分以上に理解してます」
「そうかい。じゃ機体の方は何とかなりそうだな」
面白そうに口元を吊り上げて、メガネ女は歯を立ててキャンディーを噛み砕いて、嬉しそうに笑った。
今この時に、姿も気配も消したまま、静かに忍び寄る影の存在にも気付かずに。
作品名:IS バニシング・トルーパー リバース 001-002 作家名:こもも