二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

魔法少女リリカルウィッチーズvol.2

INDEX|1ページ/9ページ|

次のページ
 

4th MISSION


とある昼の午後。
セイバーズの施設全域にネウロイ出現のアラートが鳴り響く。
「状況は?」
隊長室からはやてが訊く。
「南西50キロの地点にネウロイの反応を確認しました。この速度だと、あと30分程で市街地に到着します」
「皆、聞いとったね?迅速に所定の地点に向かってネウロイの殲滅。街にはなるべく近づかせへんようにな」
それを聞いた皆は一様に準備に入る。準備が終わった者から順次、空戦魔導師はヘリに乗り込み統合戦闘航空団の面々は離陸をする。フォワード陣は陸路で市街地海岸線へと向かう。



「ネウロイを確認!」
目的地の途中までヘリで移動していたなのは達空戦魔導師グループは、美緒のその言葉を聞くとヘリの後部ハッチから飛び出し、変身してバリアジャケット姿となる。
「来るぞ。各員散開して各個撃破しろ!」
美緒が号令をかけると、全員散開してネウロイの殲滅にかかる。

「相変わらずうじゃうじゃと……アイゼンッ!」
[シュワルベフリーゲン]
ヴィータの前に数個鉄球が現れると、ヴィータはそれを次々にガジェット型ネウロイへと撃ち込み動きを止めた後に接近、
「ぶち抜け、ラケェーテェェーン!!」
ラケーテンフォルムへと変化させたグラーフアイゼンを回転しながらネウロイの1つにぶち当てると、その回転の勢いを殺さぬまま他のネウロイも巻き込んで諸共に破壊した。そのまま次の標的へと接近、ハンマーフォルムに変えたグラーフアイゼンで一機づつ叩き壊していく。

その頃フェイトは、ハーケンスラッシュを発動して続々と襲い来るガジェット型ネウロイを切りつけ破壊していた。
「切りがない…なのは、そっちはどう?」
通信魔法でなのはと連絡を取る。
「こっちは大丈夫。でも多分、そっちと同じくらい数は多いと思う。それに、何か嫌な予感もするんだ…」
「嫌な予感…?」
「うん。杞憂で済めば良いんだけどね。フェイトちゃん、気をつけてね」
「うん。なのはも気をつけて」
それだけ言い合って通信を切る。と、背後にガジェット型ネウロイが迫る。それをシグナムが切り裂き背中合わせになる。
「ありがとう、シグナム」
「何、気にするな。行くぞ」
「うん」
二人は再びネウロイへ向かっていく。

「スバルとエリオは引き続き統合戦闘航空団の皆と一緒に前衛でネウロイの侵攻を食い止めて。キャロは…」
フォワード陣は統合戦闘航空団のバルクホルン隊と共に海上部隊が撃ち漏らしたネウロイの撃破にあたっていた。
「……何か、やけに撃ち漏らしが多い気がしないか?」
「確かに…な。いくら何でもこの数は不自然だ」
シャーロットとバルクホルンが言葉を交わす。通常、八人いれば撃ち漏らしなどほとんど必要ないのだが、この日は明らかに個々人が撃墜する数が多かった。
「何だか、ネウロイの親機を護衛してるような数にも思えますね…」
リーネがネウロイに狙いを定めて狙撃しつつ言う。

と、その刹那。空間を裂くようにしてさらに大量のガジェット型小型ネウロイと大型ネウロイが市街地上空に送り込まれてきた。
「っ…!?」
「なっ…!?」
「えっ…!?」
思わず息を呑む一同。あまりに突然の事態に一瞬呆然となる。
[皆、気をしっかり持って!今すぐ海上の部隊をそちらの援護に向かわせるわ。それまで耐え抜いて]
地上部隊の皆に向けてミーナが通信を入れる。
「了解!」
通信にそれぞれに返事をして迎撃に向かう。

「皆、聞いたね。行くよ!」
通信を受けたなのはが皆に言う。その心の内では予感が的中したことに少々の焦りを感じていた。
「こちらは陽動で、あちらが本隊だったと言うわけですわね…。まさか、こんな大部隊を送り込んでくるなんて…」
「いくら皆が強かろうと、八人で100機以上というのは無理があるな…」
「しかも大型もあっちにいるんだろ?ヤベぇ…」
「急ぎましょう!」
ペリーヌ、シグナム、ヴィータ、芳佳が口々に言い、海上部隊は全速力で地上部隊の援護に向かう。

「市民の避難状況は?」
「現在、ようやく30%を越えたところです。何分、急でしたから…」
「なるべく急いでな。私も出る。市街地への被害を最小限にせな…。リィン、行くで。ミーナ中佐、部隊の指揮は任せます」
「はいです」
「了解です」
そう言うとはやては席を立ち、リィンⅡと共に基地を出て騎士甲冑を装着する。
「「ユニゾン・イン!」」
そうしてはやてとリィンⅡはユニゾンし、大空へと飛び立つ。

一方、街ではフォワード陣とバルクホルン隊が奮戦する中、さらに時空管理局の航空魔導師、地上の武装局員が応援に駆け付けていた。だが、それでも数の上で押されつつあり、徐々に後退を余儀なくされつつあった。
主に地上部隊が市民の避難誘導を行っている。
その間にもネウロイによる爆撃は続く。今回は普段のガジェット型のみならず、統合戦闘団のいた世界での戦闘機や爆撃機を模したネウロイまでが出撃してきていた。
「エリオとキャロはそのままフリードに乗って左翼に展開して敵を惹き付けて!シャーリー大尉、ルッキーニ少尉は二人に惹き付けられた敵機の撃破をお願いします!」
了解、と返事が聞こえ、シャーロットとルッキーニはティアナの指示に従ってネウロイを追随する。
『私の持ってるカートリッジも残り僅か…。多分、皆もそう。ウィッチの皆だって、弾薬は残り少ないはず。この状況を打破するには…』
ティアナは必死に頭を巡らせる。が、いい案が浮かんでこない。そうこうする間にもネウロイはまたも現れる。先程からこのようなことの繰り返しで、まるでいたちごっこをしているかのようだった。

「市民の避難、完了しました」
「そうか…。では、ただちに撤退を開始するよう全軍に伝えろ。もう、市街地は明け渡すより他あるまい」
「……了解であります」
伝令に来た士官へ向けて将校はそう通達する。

海上部隊よりも一足早く、はやては目標地点に到達していた。彼女は自らの魔導書を開きシュベルトクロイツを掲げると詠唱を始める。
「来よ、白銀の風、天より注ぐ矢羽となれ」
リィンは、はやてがこれから使用する大威力の制圧のための砲撃魔法をサポートする体勢に入る。同時にロングアーチは前線の部隊にはやてがこれから範囲制圧砲撃を行うことを通信で伝え、範囲外に出るように指示する。
「フレースヴェルグ!!」
準備が整ったところではやてが叫び、シュベルトクロイツを前方へ振りかざすと、大威力の魔力砲撃が首都クラナガンへ一直線に伸びていった。それは一機のネウロイに直撃すると炸裂、他のネウロイも巻き込んで次々に誘爆していった。
「もう一回行くで」
はやては再び魔力をチャージする。

通信が入ったことで前線の地上部隊は一度後退する。その数瞬後、白い魔力の怒涛がネウロイへ向かって押し寄せた。それは瞬く間にネウロイを殲滅し、続く二波、三波の波状攻撃でほぼ全ての小型及び中型爆撃機ネウロイを殲滅する。
「す、すごーい…」
「あの数を一瞬か。たいした攻撃力だな」
統合戦闘団の面々はその戦闘力にただただ驚いていた。
「あれが元・機動六課ロングアーチそのトップ、八神はやて二佐の実力ですよ」
地上にいた局員の誰かが、統合戦闘団の面々に話して聞かせる。
「オーバーSランクは伊達じゃない、ってね」