魔法少女リリカルウィッチーズvol.2
少なくとも今の一撃で下がりかけた士気は一気に盛り返したようだった。
「こちらスターズ1及びスターズ2」
「こちらライトニング1及びライトニング2」
「「これより敵航空戦力の無力化にあたります」」
「こちら坂本班。我々も敵航空戦力の無力化にあたる」
機を見計らったように、なのは達海上部隊が駆けつけた。
だが…
「ロングアーチより全軍へ!直ちに現戦闘域から離脱してください!繰り返します。直ちに現戦闘域から離脱してください!」
シャリオの言葉が隊員達の耳に響く。突然の撤退命令を出された全軍は当然のことながら困惑する。
「第501統合戦闘航空団隊長、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐です。ネウロイの巣が首都へ向けて移動を開始しています。このままでは我が方が相手の物量に押しきられ壊滅する恐れがあります。よって、我々は首都を一時放棄、体勢を立て直すため撤退します。これは時空管理局地上本部からの伝令でもあります。よって、直ちに撤退を開始してください」
ミーナが通信を引き継ぎ、努めて冷静を装って告げる。
皆は遠く海上を見据える。確かにネウロイの巣と思われる黒い雲が、新たなネウロイを従えてこちらへ向かってきていた。
「……全軍、撤退!」
美緒が息を大きく吸い込み、全軍に聞こえるような大きな声でいい放った。その声からは悔しさが滲み出ている。
その号令を皮切りに、セイバーズ及び管理局の応援部隊は撤退行動を開始した。
そして。
その一時間後。
首都クラナガンは、ネウロイに占領された。
作品名:魔法少女リリカルウィッチーズvol.2 作家名:Dakuto