Keep a silence 2
一瞬の沈黙の後、半田が口を開いた。
「じゃ、じゃあ、風丸も潰れちゃったし、ここではお開きにして二次会に移ろうぜ!」
自分でもわざとらしいと思えるほど演技のかかった口調だったが、他メンバーはそれに感謝した。緊張の糸が切れたように皆肩をなでおろし、それに同調する。嵐のような一時が過ぎ去って皆戸惑いを隠しつつも、表面では苦笑しながら場所を移す支度を始めた。
「半田」
「ん?って、うおっ……」
豪炎寺が風丸を横抱きにしながら話しかけてきたので半田は度肝を抜かれた。その抱き方が人を一人で運ぶのに一番効率がいいのは解っていたが、振り返ってみたらいわゆる「お姫様抱っこ」のスタイルだったのでとにかく驚いた。
「俺はこいつらを送ってくから帰るな。風丸が駄目になったけど、後は大丈夫か?」
"こいつら"には相変わらずさっきまでの騒動にもぴくりとも反応しない寝潰れた円堂も含まれている。
「あ、ああ。大丈夫。元から二次会の幹事は俺だし」
「そうだったのかよ」
横で聞いていた染岡が割り込んできた。
「そうだよ。風丸に頼まれてたんだ。どうせ自分は酔っ払った円堂を送ってかなきゃいけないから出られないって」
「………ほんっとに用意周到なヤツ」
「それで自分がこんな風になっちゃうなんて、思っていなかっただろうけどねー」
「…………」
その言葉に、豪炎寺は少しだけ反応した。だが、鬼道に話しかけられたので巡らせていた思考は途中で逸れた。
「豪炎寺、車のキーはどこだ? 開けといてやるよ」
「ああ、ポケットに入ってる。取ってくれ」
「ん、これだな」
「鬼道もここで抜けるんだよね」
「ああ、明日仕事だからな」
「そうか………。だったら送ってく」
「いいのか?」
「構わないさ。円堂を運んでくれるならな」
そう言って豪炎寺はちらりと横を見た。相も変わらず円堂は健やかによく眠っている。イナズマキャラバンの時からどこでも寝れるのが彼のもう一つの特技のようなものだった。
「わかった」
二人はとりあえず先に風丸を車に運んで、その後円堂を「積む」事にした。
「じゃ、じゃあ、風丸も潰れちゃったし、ここではお開きにして二次会に移ろうぜ!」
自分でもわざとらしいと思えるほど演技のかかった口調だったが、他メンバーはそれに感謝した。緊張の糸が切れたように皆肩をなでおろし、それに同調する。嵐のような一時が過ぎ去って皆戸惑いを隠しつつも、表面では苦笑しながら場所を移す支度を始めた。
「半田」
「ん?って、うおっ……」
豪炎寺が風丸を横抱きにしながら話しかけてきたので半田は度肝を抜かれた。その抱き方が人を一人で運ぶのに一番効率がいいのは解っていたが、振り返ってみたらいわゆる「お姫様抱っこ」のスタイルだったのでとにかく驚いた。
「俺はこいつらを送ってくから帰るな。風丸が駄目になったけど、後は大丈夫か?」
"こいつら"には相変わらずさっきまでの騒動にもぴくりとも反応しない寝潰れた円堂も含まれている。
「あ、ああ。大丈夫。元から二次会の幹事は俺だし」
「そうだったのかよ」
横で聞いていた染岡が割り込んできた。
「そうだよ。風丸に頼まれてたんだ。どうせ自分は酔っ払った円堂を送ってかなきゃいけないから出られないって」
「………ほんっとに用意周到なヤツ」
「それで自分がこんな風になっちゃうなんて、思っていなかっただろうけどねー」
「…………」
その言葉に、豪炎寺は少しだけ反応した。だが、鬼道に話しかけられたので巡らせていた思考は途中で逸れた。
「豪炎寺、車のキーはどこだ? 開けといてやるよ」
「ああ、ポケットに入ってる。取ってくれ」
「ん、これだな」
「鬼道もここで抜けるんだよね」
「ああ、明日仕事だからな」
「そうか………。だったら送ってく」
「いいのか?」
「構わないさ。円堂を運んでくれるならな」
そう言って豪炎寺はちらりと横を見た。相も変わらず円堂は健やかによく眠っている。イナズマキャラバンの時からどこでも寝れるのが彼のもう一つの特技のようなものだった。
「わかった」
二人はとりあえず先に風丸を車に運んで、その後円堂を「積む」事にした。
作品名:Keep a silence 2 作家名:アンクウ