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氷雲しょういち
氷雲しょういち
novelistID. 39642
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黒子のメモリ 青峰のリレー

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 青峰の腹に当たるように、手を滑らせたように見せつつ、一度放った。
 黒子はそれを見て、「あ、青峰くん!!」と叫んだ。
 青峰はそれに気付いてかボールを一度後ろに回した。
 一度ストップさせたその体位で、ラグビーの選手は勝ちを確信した。
 自分はすぐボールを持ち、走る体位のまま。
 ゴールまでもう10メートル。勝つ!
 そう思うが早いか、ラストスパートをかけた。
 だがそれより速く、青峰は加速し、ドライブを最高速度に引き上げた。
 刹那、すぐさまラグビーは抜かれ、最後にダンクしてゴールのテープを切った。
 唖然としつつもなんとかゴールしたラグビー部の選手だが、小声で何かを呟いた。
 青峰は選手のほうを向き、「ったく、コスいやり方してんなあ、てめえ」
 ラグビー部の選手はビクッと肩を揺らした。
 そう、緑間がパスする寸前にフラフープを放り、シュートを促したのも、他の部が減速したり、転けたりしたのはこの選手率いるラグビー部による横槍のせいであった。
 そして、青峰はラグビー部のアンカーに一発頭を殴った。わけではなく、欠伸をして、その場を立ち去ろうとした。
「なんで殴ったりしないんだ、青峰」
 青峰は振り向かず、
「面倒くせーし、てめえみたいなやつ、わざわざ相手する価値もねぇよ」
そういって、今度こそ立ち去った。
 そして青峰はバスケ部メンバーと会う。
「よくやった、と言いたいが、言い方が甘いのだよ」
「うるせぇよ、てめえシュート撃って、完全に遅らせたくせによ」
「なっ」
「ねぇ、退場していー?早くお菓子買いたいんだけど」
「まだ待つっス、紫原っち。って、黒子っち、なに笑ってるんスか?」
「いや、」
と言って顔をあげる。
「巻き返し、ご苦労様です、青峰くん」
「かはっ、いいよ、そんなもん。」
「信じてました。やっぱり青峰くんは、うちの光(エース)だと」
「まあ、それに、俺たちに勝てるのは俺たちだけだしな」
 青峰はニカッと笑い、
「次の競技行こーぜ、テツ」
「はい」
 二人は両拳をコツンッと合わせた。




NG
立ち去る二人に叫ぶ。
緑間「まだ整列があるのだよ!!」
青峰・黒子「あっ……」