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氷雲しょういち
氷雲しょういち
novelistID. 39642
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緑間のアタル

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 どうなるか分かったものではない。
 いつもの緑間なら避けろと占いにでれば積極的に避けるが、なんせそれが部室である。
 そして、緑間の格言は『人智を尽くして天命を待つ』だ。それは己のバスケスタイル、必殺の3P(スリー)にも大きく影響する。毎日、1日も欠かさずにシューティングをするのだから。
 緑間はさすがに迷った。
 シューティングのためにも部室へ行くべきか、占いのために行かざるべきか。
 そして、判決は下された。
 赤司によって。
 『今日、緊急のミーティングがあるんだ』という伝言があったのだ。
 実際、次の相手は全中5位の疾風峰中である。
 現レギュラー5人で問題があるとは思わないが、対策のしすぎに越したことはない。ということだろうが……。
 緑間は赤司の言葉を胸に、部室へ歩き出した。
 (もし何かあったら、赤司のせいなのだよ……)とやや呪い気味ではあったが。

 部室のドアを開けると、ボールが飛んできた。目の前に。緑間は、自らの木刀を用いて、辛うじて横にはじき飛ばした。
 緑間は汗をかき、部室にいた皆は緑間に驚いた目を向けた。
「す、すごっス、緑間っち」
「すいません、緑間君」
「あっぶねぇ、気をつけろよ、黄瀬ぇ」
「え、俺っスか?!黒子っちのパスミスもあったんじゃ、」
「てめぇがキャッチできてね―とこもあるよ」
「黒ちーん、さっさとゲーム再開しよー」
「俺へのコメントは黄瀬と黒子だけかーーーー!!!!」
 そう言われてようやく動き出した先輩たち。
「す、すまねぇ、大丈夫か、緑間」
「ってか、たしかにすげーな、木刀」
「今日のラッキーアイテムだろ」
「おー、なるほど、さすがに勘がさえるな、お前!!」
「いやー」
「だから、俺へのコメントはなんで一人だけなんですかーーーーー!!!!」
 ということもあり、触らぬ神に祟りなしで先輩軍勢は特に緑間に近づくことなく練習を続けた。
 だが、一年組は皆固まっている。
「だからごめんっスよ、緑間っち」
「黙れ、黄瀬」
「ひどっス」
「なぁ、いい加減気ぃ戻せよ、緑間ー。見ててメンドくせ―ぜ、今のお前」
「ってか、走るの疲れたー。みんな遅ーい」
「お前ら、俺を励ます気があるのかぁぁぁぁ!!!」
「俺はあるっスよ」
「だから、消えろ、黄瀬。今すぐに」
「はいぃぃぃぃぃぃ?!」
 黄瀬は泣き、青峰は呆れ、紫原は口笛を吹き始めた。
 青筋の見え始めた緑間が叫ぶ。
「だいたい、問題の一人の黒子はどこだーーーーーー?!!!!」
「ここです」
「うおぉぉぉぉ、い、いたのか、黒子」
とやはり真左から声をかける黒子である。
「大丈夫です。あきらめずラッキーアイテムを持っていれば」
 緑間はキッと睨んでから、そっぽを向いた。
「そんな分かりきったことを聞く気はないのだよ。先輩たちもスピードを上げたし、俺たちも行くぞ」
「仕切んなよ、ダセー」
「ダサイダサイ」
「ちょっと、青峰っち、紫原っち……」
「僕は二人に賛成です」
「く、黒子っち?!」
「貴様ら、斬る……」
と、どこかの漫画のように剣をスッと抜き、立ち止まって、4人を見据えた。
 そこへ、一人が先輩勢から抜け、緑間の背後に来た。
「緑間、何を止まっている」
 その声が緑間の剣を止めた。
「あ、赤司、か……」
「そうだ、緑間。剣を収めろ。3秒以内に。収めなければ、俺が斬る」
 緑間はさっきまでとは全く違う汗をかいて、剣を収めた。
「よし。戻るぞ。俺たちが遅れてるのはありえん。ほかのやろうどもに負ければ、アップ、全員10倍だぞ」
 その言葉を聞き、皆は我先にと駆けだした。
 緑間もなんとか走り出したのだった。
 が、
「後からちょっと話がある。アップ終了した後、来い」
「……わかったのだよ」
 緑間はため息をついた。

 赤司の静かな雷は落ち、終息した後、個人練習の時間になった。
 黒子は孤独にドリブル、紫原は3on3に混じり、青峰と黄瀬は二人で1on1をした。
 緑間は一人でシュート練習である。
 そこへ、黄瀬が取りこぼしたボールが緑間へ向かった。
「あ、緑間っち!!」
 緑間は瞬時に足元においた木刀を手に取り、弾いた。
 安心して、ゴールを見た緑間だったが、ボールは思わね方向へ行った。
 ボールは木刀に弾かれた後、壁をバウンドし、紫原の相手をしていた5にんの間を縫って、紫原の前に。
 紫原は持ち前の反射でボールを手で弾き、次は黒子へ向かったが、黒子は頭を下げて避けた。
 やがてボールはまた別の壁でバウンドし、緑間の頭へ向かった。
 シュート練を一段落させ、振り返った。
 そして、ボールが顔面を叩いた。
 バシンッッッと、凄まじい音を立てて。
 緑間はこの日最後の声にならない叫び声を上げたのだった。
 最後まで、当たりまくった1日であった。
 その日緑間は決心した。
 次は木刀を体から話さぬ、と。

 しかし、緑間は知らなかった。
 帰りがけ、緑間が歩いた道に立て続けに雷が落ちたことを。
 ラッキーアイテムは死ぬ寸前のアタリを防いだことを。
 そのまま緑間はおは朝に従った、規模の大きめなラッキーアイテムを次の日も持ち歩くのだった。




NG
男子「あ、危ねぇ!」
飛ぶお茶。
青峰、反応し、木刀で…
スパンッパキンッ
男子「あーー!?」
青峰「あ、危ねっ!!」
緑間「本物の刀を持ってきたのだよ」
青峰「ちょ、お前危険すぎるって!」
作品名:緑間のアタル 作家名:氷雲しょういち