絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 最終章1
掴み取れ! 終了
『緊急指令!緊急指令!謎の円盤群が襲来!こちらに対して攻撃を始めた!迎撃可能な隊員は直ちに迎撃せよ!!これは台本にはない!!繰り返す!……』
警報が鳴り響き、慌ただしく出撃する隊員たち。メビウスに案内されるままついて行っている五人は何度もその光景を目撃した。
―――メビウスによると、この円盤群襲来の展開は台本にはないのだという。台本にはないのだという。大事なことなので二回言いました。
グレンファイヤー「ったくよ、超展開にも程があるぜ?」
ナイス「台本には載ってないって、マジすか?」
メビウス「マジです!!」
ジャンボット「一気に笑ってはいけないから飛んだな」
ミラーナイト「メタ発言をしている暇はないと思う…」
ゼロ「皆、わかってくれたと思うが、これが本当(ガチ)の宇宙警備隊だ」
四人「アレがガチであってたまるか」
メビウス「皆さん!冗談はほどほどにしてください!!」
これまで営業スマイルだったメビウスが、ガチシリアスな表情で言葉を発したために五人の顔色が変わる。
ゼロ「なぁメビウス、笑ってはいけないはもう終わりか?」
メビウス「そうですね、強いて言うならば……"絶対にヤラレてはいけない宇宙警備隊"です!!」
グレンファイヤー「何で"ヤラレ"がカタカナなんだよ!?ていうか言ってたお前が冗談を言ってんじゃねぇか!」
珍しくグレンファイヤーがツッコミに回った。
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―M78星雲、最終防衛ライン―
ゾフィー「グレートとパワード、チームUSAは10時方向に向かってくれ!そこで防戦している隊員たちが苦戦している!第5分隊の出撃はまだか!?早くしないと最初の防衛ラインが破られるぞ!!」
珍しくマトモに隊長職をこなしているゾフィー。
ゾフィー「(ここで活躍すれば私の評価もうなぎ上りだ…クックック)」
……ではなかった。
ウルトラマン「いつの間にこれほどの数が!?だが光の国は必ず守ってみせる!!」
セブン「おのれ、よくも皆で楽しんでいる時にこのような愚行を……ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」
ジャック「ここから先へは行かせない!」
エース「久しぶりにギロチンの出番だな!」
タロウ「兄さんたち!行きましょう!!」
レオ「行くぞアストラ!」
アストラ「はい!レオ兄さん!!」
80「皆で団結して、何としても守ってみせる!」
光の国に近い宇宙では、既に戦いが始まっていた。続々とやってくるウルトラ戦士たち。それに合わせるかのごとく円盤群も増援がやって来た。
ティガ「僕たちも行こう!!」
ダイナ「本当の戦いはここからだぜ!!」
ガイア「藤宮、僕たちもやるべきことをやろう!」
アグル「ああ!行くぞ我夢!」
コスモス「なんて数なんだ!」
ネクサス「諦めるな!!」
戦場の混乱は頂点に達しようとしていた……
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-光の国、出撃地点-
ゼロ「何か、けっこう苦戦してねぇか?」
メビウスを含めた六人が上空を見上げた。そこではもう地上からでもわかるほどの戦闘の火花が散らされていた。
メビウス「皆笑ってはいけないの準備をしていましたので、部隊の展開が遅れてしまったんです」
ナイス「仕方ないね」
メビウス「ですから、貴方たちも手伝ってください!今、別宇宙から来てくれたウルトラ戦士たちが戦ってくれています!お願いします!!」
メビウスが、語気を強めて言った。それを聞いた五人は「ハッ」と軽く笑った。
グレンファイヤー「今更何言ってんだ?」
ミラーナイト「我々は、仲間を見捨てるような者ではありません!」
ジャンボット「誰かの助けが必要ならば、私たちは必ず駆けつける!」
ゼロ「それが俺たち……」
四人「ウルティメイトフォースゼロだ!!」
メビウス「皆さん……ありがとうございます!!」
メビウスが、最大限の感謝を捧げた……
ナイス「(アレ?僕は???)」
……完全にスルーされたナイスを除いて。
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-最前線-
ウルトラマン「くっ、流石に手強いな……」
最前線では、ウルトラマンが敵に包囲されていた。ウルトラマンにはもうかなりのダメージが蓄積されていた。
???「ハハハハハ!!流石のウルトラ兄弟の二番手でもこの数は防げまい!!」
そんな状況をあざ笑うかのような高笑いが響いた。
ウルトラマン「その声は……!!」
???「ウルトラ戦士たちの展開が思っていたより遅かったな!だがおかげで予想以上に侵攻できたし、暇つぶしにギャルゲーも出来た!」
ウルトラマン「貴様、テンペラー星人だな!?」
ウルトラマンの目の前に、青の体色とハサミ等が特徴的な極悪宇宙人が姿を現した。何か余計なことを言っていたような気がするが多分気のせいだ。
テンペラー星人「ハハハハハ!!そこで死ぬがよい!ウルトラマン!」
テンペラー星人が高笑いとともに、ハサミになっている両腕からビームの鞭を出してきた。防御姿勢をとるウルトラマン。そのままウルトラマンの腕に直撃しそうになった直前、何かが飛んできてテンペラー星人のビームロッドを弾いた。
テンペラー星人「何!?誰だ!?」
テンペラー星人が驚き声を上げる。それに答えるかのように四つの光が現れた。
ウルトラマン「あれは……?」
グレンファイヤー「俺は炎の戦士、グレンファイヤーだ!炎に代わって、消毒だ!!」
ミラーナイト「私の鏡はちょっぴりコールド…あなたの鏡の完全ホールド!!私の名はミラーナイト!!」
ジャンボット「姫を護る宿命の武人…ジャンボット!!」
ゼロ「そして俺はウルトラマンゼロ!!ウルトラセブンの息子だ!」
四人「四人揃って、ウルティメイトフォースゼロ!!」
ミラーナイト「闇の力の僕たちよ!」
ゼロ「とっとと家に帰りやがれ!!」
テンペラー星人「(゜Д゜)」
ウルトラマン「(゜Д゜)」
どこかで見たような決めポーズを取り、ウルトラマンゼロとゆかいな仲間たちがこの戦いに参戦した…………
-別の最前線-
ナイス「アレ?ここどこ??」
…………約1名を除いて。
ナイス「ねぇ、皆さんどこ?……もしかしなくてもこれってはぐれたってヤツ?」
いいえ、迷子です。
ナイス「っていってる傍から敵キター!!」
そして円盤に囲まれるナイス。
ナイス「……フン、元グリーンベレーの俺に勝てるもんか」
1hit!
ナイス「…スミマセン、言い過ぎました」
2hit!!
ナイス「痛い痛い!!」
3hit!!!
ナイス「やめろって!!」
そしてこの顔である。
早くも大ピンチに陥ったナイス、果たして無敗のウルトラマンの称号はここで潰えてしまうのか?!
………とその時!!
ドガーン!!
超極太ビームが横切り、ナイスの目の前にいた円盤群を完全に消滅させた。
ナイス「えっ?何?」
突然の事に困惑するナイスだったが、ビームが現れた方向に目を向けた。
そこには、宇宙空間だというのに「GUTS」と書かれた旗と海賊旗のような旗がなびき、前方にはドクロが彫られた巨大な宇宙船だった。宇宙船の周囲からはラッパの音が聞こえてくる。そして側面に描かれていた船名をナイスが口にした。
作品名:絶対に笑ってはいけない宇宙警備隊24時 最終章1 作家名:バルタン星の人