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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第46話

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  第46話 「崩れ去る日常」


  突如として大型の地震と共に崩落した東京近郊の都市群。建造物が崩れ、一部で火災が起こる。その中にぽっかりと大穴が空いているのが確認できる。

  その穴から大多数のデストリアンが出現。うごめく災厄たちが巨大な穴からよじ登り、活動を開始する。おぞましく、禍々しく。
  
  この突如引き起こった災害により、東京都の西半分の地域の至る所で停電が発生。上空には事態を聞いて駆けつけたテレビ局のヘリが周回していた。その下からサイレンが鳴り響いている

  テレビレポーター 「ご覧ください!!つい先ほど、突如として東京都及び周辺の各都市の一部がが崩落!!そして次々とデストリアンが地上へ這い上がり始めました!!破壊活動を行なっております!!過去最悪と言っていいでしょう!!過去最悪の巨大生物災害が発生しました!!」

  決死のレポートを続けるレポーター。この事態は直ちに日本全国、世界各地に伝達される。緊急サイレンが鳴り響くM.P.D.BRAVE本部。緊急脱出を図る為に、隊員たちとレイバーズを乗せたJトランスポーターが離陸していく。

  その最中、無線を介して冴島が直接緊急配備の指令を下す。緊急対策本部の設置、及び招集の指令であった。

  冴島 「警視庁より、関東地方一帯の警察に緊急伝達を告ぐ!!本日未明、東京都北部を中心とした関東エリアにおいて、大規模なハカイジュウ災害が発生!!!これに伴ない、災害エリアと安全圏内の境に防衛ラインを引き、その付近の府中市に緊急対策本部を設置した!!場所は市民サッカー場だ!!」

  Jトランスポーター内で吉崎がこの情報を受け、言葉に出して自身に確認させる。霧島と鹿島も顔を合わせ、互いにうなずきながら進行進路を府中市にとる。

  吉崎 「緊急対策本部!?!」

  Jトランスポーターの側面を要を手に乗せたジェイデッカーが飛ぶ。要は前から吹きすさぶ風にさらされながらさわ子に電話をかける。無論、回線が込み合っているが故に通じない。

  要 「くそっ!!やはりダメか!!!」

  無理とはわかりつつも、何度もかけてしまう要。駆けるたびに苛立ちが募る。そんな要にジェイデッカーが緊急伝達事項を伝えながら問いかける。

  ジェイデッカー 『たった今ですが、府中市の市民サッカー場に緊急対策本部を設置したとの情報が入りました・・・・・隊長、誰に電話をかけようと・・・?』

  要 「俺の・・・大切な人だ!本当なら今日この後、デートの約束だったんだ・・・!!」

  次の瞬間、奇跡が起こった。回線が一瞬の合間を縫って繋がったのだ。さわ子はワン・コールで電話に出た。

  さわ子 「誠人君っ!!!」

  要 「さわちゃんっっ!!!」

  さわ子も駐車したクルマの中で要と会話する。さわ子は気が動転していた。

  さわ子 「誠君!!助けて!!恐くて動けないのよ〜!!」  

  要 「さわちゃん!!落ち着いて!!今何処に?!」

  さわ子 「今、多摩市のちかくよ〜!!あの怪物が一杯出てきて恐い〜っ!!!」

  要 「何だって??!」

  さわ子曰く、周囲には既にC‐02、03、D‐14が徘徊し始めていた。関節音を響かせながらうごめく。

  要は凍りついた。以前懐いていた心配事、要と離れた場所でさわ子が巨大生物に襲われるという事が現実となった。要はさわ子に危険が迫りつつあることを認識すると、ジェイデッカーに呼びかける。

  さわ子 「こっちくるぅ〜!!」

  要 「くっ・・・!!こうなったら止むを得ない!!俺達は一時単独行動を執る!!」

  ジェイデッカー 『隊長?!!』 

  要 「私情を挟んでしまってすまない・・・だが、俺も彼女を想う気持ちで限界だ!!!」

  ジェイデッカー 『解りました・・・・吉崎隊員!!聞こえますか?!!諸事情により、一時単独行動を執ります!!先に指定された対策本部へ向かってください!!!』

  吉崎 「ええ?!どうしたっていうの?!!」

  ジェイデッカー 『ここだけの話、隊長の彼女さんが危ない状況のようで・・・!!!』

  吉崎 「サワちゃんが・・・!!!わかった!先に府中市の対策本部へ向かうわ!!それじゃまた後で!!サワちゃんや目に留まる他の市民達を助けてあげて!!Jバスター投下するわ!!」

  ジェイデッカー 『了解・・・!!!』

  要を左手に乗せJトランスポーターの下に就くジェイデッカー。Jバスターが投下され、グリップを握り締めて正確にキャッチし、そのまま加速。要は申し訳ない想いでいっぱいになっていた。

  要 「すまない・・・みんな・・・!!!」



  一方、舞人も戦闘コスチュームに着替え、ロコモライザーに乗り込む。サイレンがなる中、計器類を操作し、システムをセットアップする。

  舞人 「まさかこんなことになろうとは・・・・!!」

  マイトガイン 『舞人、たった今なんだが、警視庁から緊急招集の為の応援要請が来た!!』

  舞人 「そうか!!了解したぜっ!!バスターボンバー、フレアダイバー、いけるか?!」

  バスターボンバー 『ああ!!いけるぜ!!』

  フレアダイバー 『いつでも!!』

  今回より、ストライクボンバーは、火力型の射撃武装を施され、バスターボンバーとして生まれ変わっていた。トレーラー特急も武装された形になっている。

  舞人 「よし!!ゲートオープン!!旋風寺勇者特急隊!!出撃する!!」

  基地のゲートが開き、それぞれのエレベーターが上昇する。各機が所定の発進口につくと各々に発進していく。別のゲートからは、ロコモライザーの後を追うように、CPU制御されたガインライナーとウィングライナーが発進、飛び立つロコモライザーの後尾に着く。

  舞人 「俺たちが正義の嵐を巻き起こすぜ!!こんなこともあろうかと、マイトガイン達の出力を現段階よりも数段階強化してもらっていたんだ!!もちろん、動輪剣もな!!」

  マイトガイン 『そうか・・・なら、今まで以上に闘えるな!!』

  舞人 「ああ!!それに・・・・新たなもう一人の勇者が今ロールアウトの真っ最中だ!!」

  マイトガイン 『もう一人の・・・仲間?!!』

  舞人が言った仲間。それは新たに建造されていた超AI搭載型の可変ロボットのことだった。その「仲間」のロールアウト作業が大阪工場長の指示の下に進められていく。機首の先端にドリルが付いた戦闘機のようなビークルだ。

  大阪 「東京の北西方面を中心に大規模なハカイジュウ災害が発生した!!!急ピッチで終わらせるぞ!!バスターキャノンの最終チェック急げー!!」

  そこへ二枚目のクールな男が催促をかける。どこかナイフのようなオーラを纏っているようにも伺える。

  クールな男 「『轟龍』のロールアウト・・・まだなのか?」

  大阪 「ん?!もしかして、君が琴吹家からきたパイロット候補のSPなのか?」

  ク−ルな男 「ああ・・・・丈・・・雷張丈だ。で?状況はどうなんだ?」