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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第46話

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  雷張丈と名乗る男。彼こそが新型機「轟龍」のパイロットだった。大阪が言うように彼は琴吹家でSPをしていた男だった。

  大阪 「今、急ピッチで進めているよ!もうすぐだ!!」

  舞人 『勇者特急隊、出撃する!!!』

  その時、舞人の声が外部スピーカーを介してドック内に響く。舞人はレバーを押し込み、ロコモライザーを加速させる。轟龍を後に残し、勇者特急隊が混沌へと出撃する。

  天井を見上げ見つめる大阪。心中の中で開発関係者しか知らない事実を語る。

  大阪 (・・・・それともう一つ・・・ロールアウトが間近の新型機がある・・・だが、あれはマイトガインの力ではどうにもできなくなったときの為の最終手段の機体だ。マイトガインを信じているが故にあえて舞人君達に知らせていない。)

  大阪の心中で他にも新型の機体があることが語られた。機密ドック内にその機体が眠っていた。外見上はロコモライザーのバージョンアップ機といった印象だ。機体のフロントにはマイトガインのエンブレムを模したデザインとなっている。更にその後ろにはコンテナユニットらしきものも確認できる。

  その機体はひたすら息吹を潜める。真に必要となったときに備えて・・・。




  その頃、紬と菫が危険な状況に置かれていた。車から脱出した紬達にC‐03とD‐14が迫る。

  C‐03 「ボォオオオオオオオオ!!!」

  D‐14 「ギギギギギ・・・・!!!」

  SPが、わが身を次にして二人を逃がす行動に出る。

  SP A 「さあ、早く逃げてください!!!」

  紬 「はやく!!菫ちゃん!!」

  菫 「お嬢様!!」

  菫の手をとって逃げようとする紬。その時、立ち止まってSPにも呼びかけた。

  紬 「あなた達も一緒に逃げましょう!!ここで死んでしまったら哀しむ人たちだって絶対にいる・・・!!!」

  紬はSPにも気遣う。だが、SPは気持ちだけいただくように拒む。  

  SP B 「我々の任務はお嬢様を守ること・・・!!!行って下さい!!!我々は構いません・・・!!!」

  紬 「あなたにも家族はいるでしょう?!今は一緒に生き延びましょう!!!」

  SP A 「・・・・行ってやれ・・・!!!」

  一人のSPが、ハカイジュウ達に銃を向けながら相方に対し、紬達についていくように促す。彼のほうがまだ若いゆえに。

  SP B 「え?!!しかし・・・!!!」

  SP A 「ここは俺が引き受ける!!!行・・・・!!!」

    ビュドォバチャアアアアアアッッ!!!

  だが、次の瞬間。非情にも二人のSPに向かって、D‐14が放った液体弾が直撃。一瞬で地面に押し花のように潰された。紬は目を瞑りながら直ぐに菫を胸元に顔を渦ませるように抱きしめた。

  更にそこから気泡のように膨れ上がって木端微塵に破裂した。紬は絶句しながらも、菫をつれてその場を後にする。殺されたSPを後に、涙をこみ上げて走った。

  菫は何が起こったのか訳が解らないまま、紬に連れられながら逃げる。



  その頃、勇士朗はC‐02から澪をお姫様抱っこしながら逃げていた。いつしかのめぐり会った時のように。

  勇士朗 「できるだけ逃げよう!!安全な所へ!!」

  澪 「う・・・うん。」

  顔を赤くしながら静かに答える澪。後方からはC‐02がぞぞぞぞと迫る。勇士朗は光りを放出し、低空を加速して一気に安全圏内へと澪を運んだ。

        BGM 「太陽の翼」 HARVEST Vre

  高速で過ぎ去る風景。澪の長い髪がなびく。澪は抱きかかえてくれている勇士朗を見つめる。

  澪 (勇士朗君は、私に何を言おうとしたんだろう・・・?私に・・・告白・・・??ううん、こんな私に告白だなんて・・・!でも、今までの日々を思うと・・・・やっぱり勇士朗君は・・・私のこと・・・・・だとしたら・・・・私・・・・・。)

  十分にC‐02から離れた住宅街に澪を下ろし、C‐02が迫るの方角へ向く勇士朗。一言言い残し、一気に加速していく。

  勇士朗 「待ってて・・・。」

  澪 「・・・・うん。待ってる!」

    キュフォンッ!!

  勇士朗は加速しながらフェニックスのオーラを纏い始める。そして叫ぶ。

  勇士朗 「ファイアー・・・ジェエエエエットッッ!!!」

  フェニックスのオーラが拡散し、ファイアージェットが召喚される。飛行しながらファーバードへと可変していく。ファイバードモードで地面をスライドして着地した。

  そして勇士朗も更に加速、光球と化してファイバードの胸に飛び込む。両眼が光り、ファイバードに勇士朗の意識が宿った。

  だが、更にそこから拳を空へとかざし、エネルギーを撃ち放つ。

  ファイバード 『フレイム・ブレスターッッ!!!』

  ギュオンと召喚されたフレイムブレスターが上空から飛来、ファイバードと合体した。冠の角が展開し、フェイスガードが装備され、両肩のアーマーが両サイドに倒れこむ。

  胸のサンスライサーにフェニックスのエンブレムが浮かび上がった。

  ファイバード 『武装合体っっ!!ファイッバアアアドッッ!!!』

  今は好きなヒトの存在を守る。それが今できる最善の事だ。ファイバードは、背部からフレイムソードを取り出し、突っ込んでいく。

  ファイバード 『いくぜッ!!』

  C‐02 「ミシャアアアアアアア!!!」

  シュオンッと振り払ったフレイムソードの刀身がオレンジ色に輝く。C‐02もイソギンチャクのような大口を開いて迫り来る。

    ギュゴオオオオオォォ・・・ズヴァシャァアアアアンッッ!!!

  擦れ違う刹那、フレイムソードが力強く叩き込まれる。その斬撃がC‐02の頭部を上下に破断させた。切断面から炎が爆発するように吹き上げる。

    ヴァギャアアアアアッッ!!! ズウウウンッッ!!!

  切断面を炎上させながらC‐02は崩れ落ちた。最初に相手した個体と比べ、実にあっけない。余りのあっけなさに違和感を覚えるファイバード。だが、そんな感覚に構う事無く地面が割れ、3体、4体とC‐02が出現する。

  C‐02群 「ミシャシャシャアアアアアッッ!!!」

  ファイバード 『なんだ・・・??!最初に闘ったヤツと比べて明らかに弱い・・・どういうことだ?!!』

  そんな疑問をよそにC‐02群がファイバードに向かって迫る。バカッと開く大口。再びファイバードもフレイムソードを改めて構え直す。

    シュフィンッ・・・・!!!

  ファイバード 『いいや・・・四の五の考えるのはやめよう・・・後ろには澪ちゃんがいるんだ・・・・!!!』

  ファイバードの後ろで、エリザベスを抱えた澪が見守る。顔を半分振り向きながらその姿を確認すると、ファイバードはフットブースターを点火させ、低空に浮上しながら敵に突撃した。

    ゴォオオオッ・・・・ギュゴオオオオオオオオ!!!

  ファイバード 『でやぁああああああああああっっ!!!』