新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第46話
ドォガキャンッ!!
C‐05 「ギギギギギィ・・・・!!!」
律 「うおおおおお??!」
梓&憂 「きゃああああああ!!!」
そして、平沢家宅を除くように立ちそびえる。和も恐怖の余りに隣に居た勇のシャツをきゅっと握ってしまう。
勇 「お?!!」
和 「あ!!ごめんなさい!!」
勇 「いや、いいんだ。恐いんだろ?我慢することはねぇ。」
和 「勇さん・・・!!」
半ば勇も和のこの行動が嬉しかった。勇も和を意識しているが故に。和は恐怖と恋心両方のドキドキを味わって勇の背中に隠れる。
唯 「また怪物がいっぱいでてきたよぉ〜・・・!!あっちいけー!!」
唯はきゅっと光の夏服の袖にしがみつく。光のテンションがマックスに跳ね上がった。大丈夫だといわんばかりに光は唯をなだめる。
光 「っしゃあぁ〜・・・・・ここは俺達に任せろって・・・!!!」
勇 「ああ!!ここは俺達で・・・!!!」
その時、エクスGTモードのエクスカイザーが勇を止める。物理的に巨大合体が好ましくなかったからだ。
エクスカイザー 『いや、待て勇!ここは住宅地が多い!!巨大合体は被害を広めてしまう!!勇はしばらく彼女達のそばにいてやるんだ!!私と光でここは闘う!!』
勇 「そ、それもそうだな・・・じゃ、頼んだぜ!光!!」
光 「ういっす!!」
キングエクスカイザーと出なければ融合合体できない為、勇はやむをえずエクスカイザーと光に闘いを託した。唯が闘いに先行して飛び込もうとする光を力いっぱい送り出す。
唯 「光君、がんばれぇえええ!!!」
そのエールを聞いた光は、馬鹿のように叫んでダグ・コマンダーを発動させた。
光 「・・・・おっしゃあああああ!!!やってやるぜええええ!!!唯ちゃん・トランザムッッ!!!トライ・ダグオンッッ!!!」
俊 「相変わらずバカだな・・・。」
蓮 「ああ・・・バカだ!!」
ファイヤー・コウ 「ファイヤー・コウ・・・・・いくぜっ、ファイヤー・マグナム!!!」
ギュドォオオオオオオ・・・・ヴァグギャアアアアアン!!!
間をおかずにそのまま戦闘に持ち込み始めたファイヤー・コウ。拳から撃ち放たれたファイヤー・マグナムの火球が直面するC‐05の頭部に直撃する。
斃れこむC‐05の巨体をすり抜けて、別のC‐05の個体に攻撃をかける。ファイヤー・コウは懐に飛び込んで舞い上がり、顔面付近で静止した。そして炎を賭した拳を叩き込む。
ファイヤー・コウ 「ファイヤー・ナックルッッッ!!!」
ギュゴァッ、ヴァグドォガアアアアアアアア!!!
頭部が爆発するように砕け散り、後方へと斃れこんだ。続けてホバリングしながらファイヤー・コウは、次なる敵に攻め込む。
面前には、3体のC‐05が市民を捕食していた。迫るファイヤー・コウに気づいて首を持ち上げた。
C‐05 「ギキイイイイィ??!」
ファイヤー・コウは一定の距離まで迫り、拳を突き出し空中で再び静止した。
顎を動かして市民の肉片を噛み砕くC‐05。ファイヤー・コウに怒りのシグナルが灯る。
ファイヤー・コウ 「好き勝手やってくれてるじゃねーか!!?ああ?!!」
C‐05群 「ギュキキキキキ!!!」
ビュビュビュビュッッ!!!
C‐05はファイヤー・コウに向かって液体弾を放ち始めた。これを軽快にかわしてC‐05達の頭上を駆け抜ける。回り込んだファイヤー・コウは拳をかざし、ファイヤー・マシンガンを撃ち込む。
ファイヤー・コウ 「ファイヤー・マシンガンッッ!!!」
ギュヴァドォドォドォドォドォドォドォオオオオオオオオオオッッ!!!
ズドォドォドォドォドォドォドォガガガギャアアアアアンッッ!!!
連射される炎の弾丸が瞬く間にC‐05の頭部をボロボロに砕く。攻撃が直撃した部分を燃やしながら崩れこむ。
その戦闘の音を背に、俊と蓮が自らダグオンになる意思をエクスカイザーに申し出た。
俊 「エクスカイザー!!単刀直入に言う!!俺達にもダグオンの力、みんなを守れる闘う力を与えてくれ!!!このままじゃやりきれない!!!」
蓮 「ああ!!このまま守られてんのもしゃくだっ!!あのブレスレットをくれっ!!!」
律 「あんた達・・・!!!」
梓 「俊さん・・・!!!」
エクスカイザー 『・・・・・・。』
俊と蓮が強くエクスカイザーにダグオンの力を欲した。エクスカイザーも彼らの意思を見極めようと俊と蓮の眼光と向き合う。この二人の行動に涼も姫子を見ながら決意する。
涼 「ぼ・・・・ボクも!!!ボクも闘いたい!!!」
姫子 「涼?!!」
涼の決意に驚きを隠せない姫子。姫子は涼が戦隊モノが好きということを思い出し、直ぐに止めにかかる。興味本位で闘おうとしていると思ったからだ。
姫子 「涼!!これは現実なんだよ!!?テレビのヒーローじゃないんだから!!!ヒーローごっこのつもりならやめて!!!」
いつもしゃんとしていない涼を守ってあげたいと思っていた姫子。だが、涼の決意は本物だった。
涼は両肩を押さえてくる姫子の手を優しく外して決意を口にする。
涼 「姫ちゃん・・・・本当に闘いたいんだ・・・姫ちゃんやみんなを守りたいから。確かにヒーロー戦隊シリーズ好きだけど、今ここで闘うことが遊びじゃないっていうことくらいわかってるよ。」
姫子 「涼・・・・。」
涼 「ふあ?!」
姫子は堂々と涼を抱きしめた。そして耳もとでささやく。
姫子 「じゃあ・・・怪我しないで!!もちろん死んじゃダメ・・・!!!」
涼 「うん・・・わかってるよ・・・。」
二人のやり取りに顔に手を押し付けてやきもち的に言い放つ蓮。そのやきもちを振り払うようにエクスカイザーにダグテクターを乞う。
蓮 「かー!!見せつけてくれるな、おい!!さぁ、エクスカイザー!!三人分のダグテクターをくれ!!!」
俊 「頼む・・・!!!」
エクスカイザー 『わかった・・・君たちにもダグコマンダーを授けよう!!!』
決意したエクスカイザーはその場でロボット形態となり、腕をかざした。エクスカイザーの腕からエネルギー状のダグコマンダーが放たれる。そのエネルギーが俊、蓮、涼それぞれの左手首を包んだ。
俊 「うっ・・・!」
蓮 「おお?!」
涼 「あう!」
エネルギーの光が消え、三人の手首にダグ・コマンダーが姿を見せた。彼らにダグオンの力が託された瞬間だった。
エクスカイザー 『さぁ!!これでダグオンの力が君達にも備わった!!共に闘うぞ!!!』
三人はエクスカイザーを見上げてうなずいた。そしてそれぞれのダグ・コマンダーをスライドさせてダグオンの力を発動させた。
俊・蓮・涼 「トライ・ダグオンッッ!!!」
つづく
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第46話 作家名:Kブレイヴ