新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第47話
第47話 「俺達、ダグオン!!」
東京の北西部を中心に、デストリアンによる大規模なハカイジュウ災害が発生した。被害は市街地に集中し、C‐02、03、05、D‐14、D‐24の5種類のデストリアンが多数出現。各地で破壊行動をしていた。
D‐02の群れがムカデのような気色の悪い動きで津波の勢いのように市街地を進撃。悲鳴をあげる市民に容赦なく襲い掛かり、多くの人数を次々と捕食する。
ばかっと開いたイソギンチャクのような顎が一気に窄められ、口内に多数の市民たちが捕りこまれる。
D‐02 「ミシャアアアアアアアッッ!!!」
ガブシャアアアアアアアッッ!!! ズドォゴゴゴオオォォ・・・
ビル群も地震の影響で崩れ、更にその上でデストリアンに止めを刺されるかのように崩壊する。
その中で巨大な鎌状の爪を揮い、縦横無尽、かつ無意味にC‐03がビルを砕く。
C‐03 「ボオオオオオオオッッ!!!」
ズガギャアアアアアアッッ!!!
粉砕されたビルの瓦礫が、逃げ惑う人々に襲い掛かる。実に無情極まりない。
D‐14 「ギギギギィィッッ!!!」
フュフォンッッ・・・・ズガシャアアアアアアアッッ!!!
またある箇所ではD‐14が群れを成す。槍のような腕でビル等の建造物を突き砕いて粉砕。更には液体弾を撃ちだす。
ビュドォッ、ビュドォオオッ!!
無作為に撃ち放たれた液体弾が市民達に直撃、更にそれによって飛散した液体弾が降り注ぐ。これらの直撃を喰らった者は、押し潰されながら身体を破裂させ、浴びたものはぶくぶくと身体を膨らませて破裂する。
新たに現れたD‐24も、がさがさと動きながら楕円形の口から触手を打ち出して、掃除機で吸い込むように市民を捕食する。
時間帯が帰宅ラッシュ時と重なった為に、甚大なものとなっていた。その被害規模はかつての「5・15」を上回っていた。
この類を見ないハカイジュウ災害の根源は、政府により存在を隠蔽されていたC‐00が覚醒したことが最大の要因であった。超巨大な眼球を煌々と光らせながらポイントαで鼓動を唸らせる。
ドォッコン・・・・ドォッコオン・・・
相模原の一角。ファイバードが澪を手に乗せたまま、破壊された街を突き進む。昨日までにあった日常はもうない。悲痛と不安が入り混じった感情が澪を過ぎる。
澪 「こんなひどい光景・・・見たことないよ・・・!!!」
ファイバード 『多分、ここは地震で崩れたんだろうな・・・!!!』
ギャキンッ!! ヴィギュアアアアアアアッ、ヴィギュアアアアアアアッッ!!!
ズダギャアアアアアアアアアッッ、ズドォガゴオオオオオオオンッッ!!!
ファイバードはこの惨状を駆け抜けながらフレイムキャノンでC‐02を撃破する。正面に大口を開け手待ち構える固体には、ファイバード自身の推進力と加速力を利用してフレイムソードを振るう。
澪を左手に乗せているために左腕をできるだけ攻撃対象から離して斬撃を繰り出した。斬り飛ばされた部分から炎を出してファイバードの背後で崩れるC‐02。
ファイバード 『はぁあああああああっ!!!』
ズドォザギャアアアアアアンッッ・・・・・・ヴィギュアアアアアアアアアッ!!!
ズズズウウウン・・・
その場から加速していくと、向かって右側の崩れたビルの瓦礫をばら撒いてC‐02が出現した。他の地点からも同様にC‐02が出現する。隠れ潜んでいたのか?否、生き埋めになった人々を喰っていたのだ。
ファイバードは大口を開いた1体の口内にそれを確認する。尚、薄暗くなりつつあった為、通常の人には確認しにくいものだった。
ファイバード 『こいつら・・・・なんてことを・・・??!許さねぇ!!!』
澪 「勇士朗君?!」
「なんてこと」の意味が解らない澪はファイバードの感情に困惑する。ファイバード自身も澪を手に乗せているために、これ以上無理な格闘は避けたい。かといって降ろすわけにもいかない。
それでも「一気にブチノメシタイ衝動」を抑えきれない。ファイバードはフレイムキャノンではなく、フレイムソードの武装を選んだ。
ファイバードはフレイムソードを前に突き出して正面にかざす。そして刀身から炎のビームを撃ち出した。
フォンッッ・・・・・!!!
ファイバード 『フレイム・シュートッッ!!!』
ビギュドォオオオオオオオオオッッ!!!
ズドォゴガアアアアアアアアアアアアンッッ!!!
C‐02の頭部にそれが直撃し、爆発する。いわばチャージアップ無しのフレイムストームだ。それでも今回多数出現したタイプには十分な威力があるようだ。これを駆使して、目に留まるC‐02にフレイムソードを向け、狙い撃っていく。
ファイバード 『おおおおおおお!!!』
ビギュドォ、ビギュドォ、ビギュドォ、ビギュドォ、ビギュドォオオオオオオ!!!
ズギャドォドォドォドォドォゴォオオオオウッッ!!!
撃ち放たれ続けたフレイム・シュートの直撃を喰らったC‐02の個体達が爆発して炎を纏う。ファイバードの手にしがみついていた澪は瞑っていた目を開いて振り返った。
澪 「・・・・・。」
炎が夕暮れの街を立ち昇っている。混沌を含んだ風に吹かれた髪をなびかせて澪はその光景を見続けた。
その頃、ダグオンの力が勇士朗フレンズ全員に授けられていた。俊、蓮、涼の三人が同時にダグコマンダーを発動させ、俊は青いレーシングカーを模したダグテクターを纏う。
ターボ・シュン 「ターボ・シュン!!!」
アーマー・レン 「アーマー・レン!!!」
蓮は重武装タイプで緑が主体のダグテクターを纏う。容姿的に「仮面ライダー龍騎」に登場した仮面ライダーゾルダに似てなくもない。そして涼は翼をもった白いダグテクターを身に纏った。
ウィング・リョウ 「ウィング・リョウ!!」
律 「すっげー!!みんな変身しちゃったぜ!!!」
梓 「何だかコスプレ大会みたいですね・・・。」
ターボ・シュン (おいおい、そりゃないぜ・・・・。)
姫子 「涼・・・。」
変身した三人はエクスカイザーと共に攻撃行動に打って出る。
エクスカイザー 『この周辺のデストリアンを斃し、人々の避難経路を確保する!!とりあえず一人が唯の家に待機するんだ!現在の状況では闘える者がいない!!』
すると早速ターボ・シュンが指示を出し始めた。指示を出して引っ張るのは俊の得意分野だ。
ターボ・シュン 「了解!じゃあ、俺と蓮でエクスカイザーと共に攻撃に出る!!涼が彼女達を守ってやれ!!」
ウィング・リョウ 「はい!!」
ターボ・シュン 「それに、昔あったハカイジュウ災害の教訓として、鋼鉄製の地下シェルターが幾つかあるはずだ。そこへの避難経路を確保する!!!」
作品名:新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第47話 作家名:Kブレイヴ