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新生勇者戦記 ブレイヴ・サーガ・ディザスター 第50話

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  第50話 「炸裂する勇者無双」


  必死に走る紬と菫。紬は菫の手を引っ張りながら、角を曲がる。だが、C‐02からしてみれば、どこに回ろうと無駄あがきに過ぎなかった。道なき道を道にして進撃する。  

    ズガガガガアアアアアッッ!!!

  菫 「お譲様!!」

  紬 「何?!菫ちゃん!!」

  菫自身は琴吹家の居候として仕えさせて貰っている身であった。故に、若干15歳ながら今のシチュエーションが申し訳なく思えていた。

  菫 「何だか・・・申し訳ありません!仕えている身なのにこんな・・・!!」

  紬 「菫ちゃん、そんなの関係ないわ!!今は逃げることだけ考えましょっ!!!」

  菫 「お嬢様・・・・・!!!」

    ズドォガアアアアアンッッ!!!

  路地を抜け切った二人の背後のビルが、張り手で砕かれたように崩壊した。大口を開けたC‐02が突っ込んだのだ。

  正面の向こうでは、D‐24がカカカカと進撃してくる。その時紬の目に交差点の地下道が目に入った。とっさの判断でその中へと逃げ込んだ。

  紬 「あの中に入るわよっ!!!」

  菫 「はいっ!!」

  二人は一気に地下道の中へと駆け込んだ。走り続けてきた故に息を切らした二人は地下道の壁に寄りかかって仮初めの休息に浸る。

  紬は息を切らしながらも菫の事に気を遣っていた。

  紬 「はぁ、はぁ、はぁ・・・・はぁ、はぁ・・・菫・・・ちゃん・・・足とか挫いてない?」

  菫 「はい・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・大丈夫です・・・。」

  菫はふと横を見ると同じように駆け込んだ人たちが何人か確認できた。すると横にいたOLの女性が声をかけてくれた。

  OL 「あなた達も逃げてきたのね。その様子だと結構走ってきた感じがするわね・・・救助が来るまでここにいるといいわ。」

  菫 「はい・・・ありがとうございます・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・・ふぅ〜・・・。」

  深いため息をつきながら菫はやっと一息つけることにほっとしていた。上ではデストリアン達の地響きが鳴り響く。菫は天井を見上げて言う。

  菫 「上にいますね・・・・いっぱい・・・。」

  OL 「そうね・・・けどここなら大丈夫と思うから。」

  紬 「・・・・それにきっと舞人君達も闘ってくれてる。今はここで一息つけましょ?」

  菫 「そうですね・・・そういえば、丈さん、今日が初陣の日になったんですよね・・・。」

  紬 「ああ、新しい勇者ロボットのパイロットね!彼、私の家のSPしていたけど、確か菫ちゃん、彼とよく話してたよね?」

  菫 「え?!あ、まあ・・・いい人ですし・・・。」

  紬 「菫ちゃんは好きなの?丈さんのこと。」

  その紬の一言で菫は顔を赤くして激しく動揺する。

  菫 「ふえええ?!!お、お嬢様、何言うんですか?!」

  OL 「何々?恋バナ?」

  OLの女性もその話にのってきた。混沌とした中でしばし日常的な安息の会話がはずむ。



  その頃。当事者は通信でJトランスポーターへ合流の呼びかけをしていた。Jトランスポーターと併走して飛ぶ轟龍。

  丈 「こちら勇者特急隊の雷張丈!!これよりそちらへ合流する!!」

  要 「勇者特急隊の?!そうか!!君が舞人が言っていたもう一人の勇者か!!俺は要誠人!!よろしくな!!」

  丈 「ああ。」

  要 「それと一点いうことがある。俺達は本日付で新たに立ち上げられたブレイヴ・フォースという特別チームの一員同士だ。これからは、有事の際にすべての勇者達を一つのチームとして稼動することになったんだ。そのへんもよろしくな!!」

  丈 「了解した・・・。」

  この時点でブレイヴ・フォースに正規に丈と轟龍が加わった。そして要は一斉にこの事を戦闘中のメンバーに知らせた。

  要 「みんなに報告がある!!たった今、旋風寺から雷張丈と轟龍が俺達のメンバーに加わった!!よろしく頼むぞっ!!!」

  動輪剣を振るわせて、マイトガインが一気に3体のC‐03を斬り斃す。

  マイトガイン 『はぁああああああっ!!!』

    ザザザギャズバァシャアアアアアアァアンッッ!!! ズズズズゥゥゥ・・・

  舞人 「そうか!!いよいよ彼も来てくれたかっ!!」

  その時、マイトガインのコックピット内に丈からの通信が入った。

  丈 「たった今、そっち加わった。よろしく頼む・・・!!」

  舞人 「ああ!!俺もたった今要さんから聞いた!!たのむぜっ、丈!!!」

  丈 「ふっ・・・・俺には戦場が似合っている・・・存分にやらせてもらうさ!!!これより戦闘に入る!!!いくぞ、轟龍!!!」

  轟龍 『了解した・・・!!!』

  丈はコントロールレバーを押し込み轟龍を加速させ、右手でコックピット上部のレバーを前にスライドさせるように動かした。

  すると、轟龍はジェットモードから可変を始めた。各部が変形し、瞬く間にロボットモードへと可変した。その黒き鋼のボディーは轟龍という機体名を表しているかのようなインパクトを持っていた。

  轟龍 『ジェットチェンジ・・・・・轟龍っっ!!!』

  丈 「バスターキャノン、スタンバイッ!!!」

  サイドモニターにそのウェポンのデータが表示される。すると轟龍は機体に装着されていたバスターキャノンのグリップを握り締め、銃口を突き出すように構えた。

  丈は眼下に跋扈するデストリアン群をロック・オンしていく。

  丈 「バスターキャノン、ロック・オンッ!!!標的を破壊するっ!!!」

  轟龍 『戦闘レベル・・・ターゲット確認・・・・排除、開始っっ!!!』

    ヴィ・・・ギュドォヴァアアッ、ギュドォヴァ、ギュドォヴァ、ギュドォヴァアアッ!!!

    ドズォオオオオ、ドズォオオオオ、ドズォオオオオ、ドォズガヴァアアアアアンッッ!!!

  紅い高出力ビームの火線がデストリアン群を破壊する。奇しくもC‐02、C‐03、D‐14、D‐24の四種類がそれぞれ駆逐された。轟龍はそのまま降下し、次なるターゲットを射抜く。

    ギュオオオオッ・・・・・・ガキンッ、ドォズヴァアアアアッ、ドォズヴァアアアアッ!!!

    ゴヴァアアッ、ドォゴヴァアアアアアアッッ!!!

  撃ち注がれるビームがD‐24の2体を破砕。威力はJバスター以上Jバスター・キャノン未満といったところだろう。

  轟龍 『スクリュー・ガトリングッッ!!!』

  反対の側面にいたD‐14の3体に向けて左腕をかざす。かざしたレフトアームが回転し始め、腕と一体になった4門の銃口から高速レールガンが撃ち飛ばされた。

    ヴォドォドゥルルルルルルルルルルルルルルルゥゥゥゥゥッッ!!!

    ディギャン、ディギャン、ディギャズズドォドォドォドォドォガガガアアアアッッ!!!

  D‐14達の身体が木端微塵に砕かれる。