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第七章「導かれし者たち」
ついにここまで来た、とマーニャとミネアは思った。
キングレオ城は姉妹にとって忘れることのできない場所である。バルザックにとどめをさせず、キングレオになすすべもなくやられ、失意の中この国を出たことが思い出される。
ソフィアは人選を考えていた。
メンバーに二人を入れるとして、残りはやはりアリーナしかいない。
今回は女子パーティーで行くことに決定した。
城に入り四人で扉に向かう途中、何か思うところがあるのか、マーニャとミネアが立ちどまり広場の一角をじっと見つめている。
そのときホイミンという旅の詩人が現れ、ライアンへの助力を懇願して去って行った。
城内に入るとなにやら騒がしい。
どうやら城の兵士たちが、旅の戦士を取り押さえようとしているらしい。
四人が助けに向かうと、その戦士はなんと兵士たちを投げ飛ばしてしまった。
そしてソフィアを見て、なにやら感激している様子。
だがそれは一瞬で、その戦士ライアンは隠し扉を開け、ソフィアたちにキングレオ討伐を促した。
五人が隠し部屋にはいると、そこにはキングレオがいた。
姉妹は前回の戦いで全滅させられている。
今度こそ負けられないと、二人は気を引き締めるのであった。
アリーナの先制攻撃から戦いは始まった。
だがなぜかキングレオの攻撃は弱体化している。
姉妹は勝利を確信した。
そしてアリーナの会心の一撃が決まったとき、戦いは終わっていた。
後はバルザックだ。
城内を探すと魔法の研究家がいた。
進化の秘法を完成させるためには若き乙女の魂が必要なため、モンバーバラから娘たちを誘拐してきて研究していたようである。
さらに城内を巡ると部屋に大臣がいた。
バルザックがサントハイム城にいることを大臣から聞き出すと、ミネアとマーニャは顔を見合わせてうなずいた。
だが今度はアリーナが大臣を激しく問い詰める。
サントハイム城になぜその魔物がいるのか。
しかし大臣は首を横に振るだけであった。
とりあえず次の目的地はサントハイム城に決まった。
城内から出ると、先ほどのホイミンがライアンの無事と彼への感謝の言葉をソフィアに託し、足早に去って行った。
馬車の中のライアンにそのことを伝えると、彼は駆けだして行った。
だが会うことはできなかったらしく、やがて馬車へ戻ってきた。
ライアンはソフィアに、一言ホイミンの容姿を聞いた。
ソフィアが答えるとライアンは、あやつ、とつぶやきにこやかな顔でうなずいていた。
ついに導かれし者たちが全員揃った。
心なしか自然と口ずさむ音楽も変わったように思える。
この仲間たちとなら、どんな邪悪なものも倒せるだろう。
ソフィアは剣の師匠の言葉を思い出し、涙を浮かべた。
クリフトがふとアリーナを見ると、何か真剣な顔つきである。
どうしたのかアリーナに話しかけてみると、ライアンの力強さに驚き、ライバルと認識してしまったようである。
また姫様の悪い癖が、とクリフトは首を横に振り、天に祈りを捧げるのであった。