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零崎空識の人間パーティー 13話-18話

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「――……さっきから思っていたが…。そんなちゃっちいナイフで私の鎖鎌を攻略出来るとでも思っているのか!!」
 そう論う様に言い、四冬が腕を振り、鎖鎌が空識に襲いかかった。
「……まあ、言いたいことは分かるけどー」
 襲いかかってきた鎖鎌を空識は側転をするように飛び越えて避けながら、
「――大切なのは使い方だよー」
 鎖と鎖の間にサバイバルナイフを刺し、鎖鎌を地面に張り付けた。
「なっ!?」
 高速で動いている鎖鎌を留めるという絶技を見せられて四冬は驚愕したが、
「その程度で私の鎖鎌を留めたつもりか!!」
 すぐに鎖鎌に力を入れナイフを払おうとした。
「そんなわけないじゃんー」
「なっ!?」
 空識は張り付けた鎖鎌の上を身体を低くして駆けていた。
「これだったらさすがに無理だよねー」
「くっ! だが!」四冬はもう一方の鎖鎌で周りを守護するように高速で稼働させた。「私の守りは壊せない!!」
「……だから、なんなのー」
 そんな四冬に空識は少し呆れるように言い。 
 恐れることなく駆けたまま高速で稼働している鎖鎌の中に手を突っ込み、鎌の柄を掴んだ。「えっ?」
 鎖鎌の稼働は止まった。
 あっけなく、自分の守りが破られて茫然としている四冬に向かって空識は掴んだ鎌を構えた。
「まっ、ばいばいー」
 一刀・一文字切り。
 と言う、声が聞こえた時には、空識は四冬を通り過ぎていて、四冬の身体から首が消えていた。
 すこし遅れて四冬の首が床に落ちる音がし、首があった所から、激しく血が噴き出して、その勢いで四冬の身体は支えを失ったように倒れた。
 そして、しばらくして四冬の血が床を染めるのが終わったの見て、空識は四冬が肩にかけていた、変体刀が入っていると思われる細長い鞄を手にとって中身を見た。
「ふむ、合ってるなー」
 変体刀かどうか確認だけし、床に転がっている死体たちには目もくれず、空識はその場から立ち去った。
 

<第十七話 相対(会いたい)>

 某喫茶店の隅のほう、窓際の席で一人の少女が椅子に腰かけて一冊本を読んでいた。
 まあ、高校の制服を着ているところから見て少女は高校生なのだろう、コスプレの可能性はない。
 その、ゆったりとした時間を過ごしている少女の前の席に、一人の少年が当たり前のように座った。
 サングラスをかけているためよくは分からないが、少女と同じぐらいの歳だろう。
 この状況から見たらこの二人は待ち合わせをしていたと見るべきだろうが、少女は本から顔をあげ前に座る少年を見て大きくため息をつき、そして視線を本に戻した。
「いやいや、その対応はかなりひどいですよー、子荻(しおぎ)さんー」
 と、若手芸人的なことを言いながら少年は顔に掛けていたサングラスを外し、ズボンのポケットにしまった。
「……これでもかなり譲歩した対応ですよ、空識くん」
 そう言いながらも少女――萩原(はぎわら)子荻は読んでいる本に栞を挟み机に置き、目の前の少年――零崎空識を見た。
「それで、なんのようですか?」
 かなり嫌そうな顔、『要件は聞いてやる、ただし要件を言ったらすぐ帰れ』といった顔をして、子荻は空識に聞いた。
「いや、べつに用はないんだけどー」
「だったらこれで」
 それだけを言い子荻は読みかけの本を手に取ろうとした。
「ひどいー! それはひどすぎるー! 俺と子荻さんのなかでしょー、雑談ぐらいしようよー!」
「キミと私の関係は敵対関係であって、それ以下はあっても、それ以上はないわ」
「くっ、だけども俺は負けないー。なぜなら俺の好みはツンデレだからー!」
「――……宣言することではないでしょ」
 さっきよりも大きく深くため息をついた子荻は、仕方がなく空識と雑談をすることにした。



<第十八話 禍根(火根)>
 

 萩原子荻。
 彼女が何者なのかという問については、少しばかりかの長い説明が必要となる。 だがそれをすべて説明をする必要性はない。
 ただ彼女が澄百合学園という傭兵育成機関の実働部隊のダントツの筆頭であることと、『策士』であることだけ分かっていればいい。
「私の名前は萩原子荻。正々堂々手段を選ばず真っ向から不意討って御覧にいれましょう」
「行き成りの決め台詞のところ申し訳ありませんがー。雑談するだけでそんなこと言われてもだしー、そんなことを目の前で宣言されて不意を打たれるわけないじゃないですよー」
「それで雑談ってのは、世界の飢餓について話合えばいいのかしら?」
「不意を討たれたー!? そして、雑談でするレベルじゃねー!」
 ただの雑談で世界の飢餓について話すってどんだけレベルが高いんだ。
「それだったら、空識君が好きなツンデレについてでも」
「だから、雑談でそんな至高の話はしませんー!」
「……至高って」
 子荻は空識に呆れるように溜息をついた。
「とにかく、私としてはささっと雑談してキミに帰ってもらいたいんだけど」
「本当にひどいこと言いますねー……」
 がっくりとうなだれた空識だったが諦めず話しかけた。
「最近どうですかー?」
「まあ、なんというか本当にセンスがない話の切り出し方ね」
「いちいちひどすぎますよー!」
 そんな空識の言葉など無視して子荻は質問に答えた。
「いつもどうりって感じに玉藻(たまも)といろいろ仕事をやっているわ」
 この場合の仕事ってのはもちろん普通の仕事ではなく血なまぐさい仕事のことだ。 ちなみに玉藻というのは子荻の後輩の狂戦士である。
「そういえば子荻さんと玉藻ちゃんにあったのも、仕事の途中でしたよねー」
 空識は良き昔の思いで思い出すように感慨深そうに言った。
「そうね」
 子荻も頷いたが、こちらは空識と反対で消し去りたい思い出を思い出すように苦々しく恨みがましく言った。
「途中までうまくいっていたのに、突然、空識君が介入してきて失敗しそうになったわね」
「……まだそれを引きずっていたんですかー」
 どうりでキツイ態度なわけだ。
 と、納得している空識に、子荻はさらに続けた。
「私が念入りに練った作戦を、呆気なくぶち壊してくれたわね」
「それは、たまたまそうなってしまったわけでー……」
「一度ならまだしも、四度も。私の邪魔してくれたわね」
「えっとー……、ごめんなさいー……」
「私はあなたみたいな人が一番イラつくの」
「…………」
 ……もう、ツンデレワードに聞こえない。
 完全にイラつかれているな。
 そう思い、空識は席を立った。
「……じゃあ、俺はこれでー」
 そう言って立ち去ろうとした空識に子荻は質問した。
「そういえば、空識くん。キミは何でここにいるの?」
 質問だけを聞くとまあ、なんとなく聞いた、特に意味ない質問だと思われるが、実は空識に合わないための情報収集ために聞いたのである。
 そういった子荻の思惑に全く気付かず、空識は質問に半笑いしながら答えた。
「命を賭けた仕事報告しにですよ」