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緋弾とニートと愚昧な武偵

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第一章 今、物語のページが開く
第二話 二組の視点(Two pair of a viewpoint)
鳴海side

 一体なんだったのだろうか、いきなり女の子が飛び降りてきて、あの二輪に追いかけられていた人を助けだした、僕はため息を吐く、やはりここでも役に立たないのかな?、僕はなんともいえない空虚感に苛まれていった。結局の所、エンジェルフィックス事件は僕、個人の力で解決した訳でもないし、あの子の辛いけれど大切な記憶を守ることすらできなかった、僕はその場で意識を意識を投げ出したくなったが、

                     「♪〜♪〜♪〜♪」

 ケータイが鳴ったのでそれもできない、件名をみてくだらない奴だったら即、切ろうとしたがそれもやめる、何故ならその着信音がコロラドブルドック、アリスからの電話だったからだ 僕はケータイを開け電話に出る。

「遅い!、ナルミ、電話はワンコールで出たまえ」

やっぱりあのちんまいあいつか、と呆れる、縁を切ったのに何でかけてくるのか?

「君の雇い主としての縁は切ったが、友人としての縁は切った覚えは無いよ」 

!心、読まれた? 相変わらずニート見たいな暇人が技術を持つと厄介な物だ、てか何でかけてきたんだ?

「アリス、何でかけてきたんだ?」
 まずは当たり前のことを聞く、彼女が僕に電話をかけてくるのは 事件の無いときは大概ドクターペッパーの買出しかあるいは洗濯などの家事をしてくれのいずれかだ、しかし今回に限っては僕の予想は外れていた。

               「ナルミ、怪我をしていないか?」と
 
 正直 意外だった、話に聞くと暇つぶしの一環に日本の人工衛星から奇妙な電波を傍受し、逆探した結果あの二輪の通信記録だったそうだ、あとは簡単 武偵高の周知メールをハッキングして閲覧、『登校中の一般高校の生徒と武偵高生徒が武偵殺しの模倣犯にセグウェイにて襲撃』いうので僕が巻き込まれたと知ったそうだ。

「全く、君に比べれば海底の汚泥にいるバクテリアのほうが危機管理能力が高そうだ、チンパンジーでさえ、蟻塚の穴に木の枝を突っ込む知恵があるのに君は自分の身を削らなければそれもできないとは愚昧にもほどがある」

 相変わらず訳のわからない表現で自分の意見をぶつけてくる、でも 同時に変わりないようでよかったと僕は思う、助手の解任を言い渡されて以来、顔を会わしていなかったので気になっていたんだ、今も顔を会わせてるわけではないけど

「えっとごめん、アリスに心配かけて...」
今回についてはアリスに心配をかけた僕に非がある、だから素直に謝る 気にかけてくれたことは事実なのだからしかし
               (ドタッ!ごろごろごろッ!)

電話の向こうでなにやら物音が聞こえたがなんだんだ?
鳴海side end

アリスside

 ぼくは顔を真っ赤にしながら愛用のベットから転がり落ち、ぼくの友であるモッガディートを抱きなおしながら反論する。

「き、君の心配なんか死者の代弁者たるぼくがするものか!! 全く、ナルミは僕の予想を斜め下にいく、君が死んだらその死体の処理を行う人間が気の毒なだけだ!!勘違いしないでくれたまえ」

 ある程度言い返したら、ああ、またやってしまったと反省する、「心配した」って言えばいいのに何でこのたった七文字を伝えられない、これではナルミよりもぼくのほうが愚昧じゃないか。

「ア、アリス、あのどうしたの?」
それでも、こういう風に話を切らないで聞いてくれる友人がいてぼくは嬉しい、でも本人には言えないのがもどかしい、とても でも

「むぅ、君に耳寄りな情報を教えてあげよう、先ほどの電波と同じ周波数の物が君の近くに七台あるようだ、それとくれぐれも近づかないように、いいね?」

「わかった、アリス 電話ありがとう、じゃあ学校があるから切るね」

 電話先のナルミは言葉ではわかったといったようだが、ナルミ ぼくが君に騙されるほど間抜けではないよ でも君の性分はぼくが知っているはずなのだから、あえて言わない。

「では、頑張りたまえ 藤島武偵」

ぼくは電話を切った、ふっとぼくの目から一筋の雫が流れる。
「ナルミ、君は、本当に、愚昧、だね...。」

ぼくはただ 君が彩夏のようなことにならないでほしいだけなんだ、なのに君は何故そうなるかもしれない道を選ぶんだ?、答えてくれナルミ....。

アリスside end

鳴海side

 アリスからの電話が終わり、僕は自然にあの二人が吹っ飛ばされた方向に向かっていた 何かあったとしても自分では何一つ解決することができないのに、それでも向かっていった 結局の所、僕は甘かっただけだった。自分の勝手な自己解釈に過ぎなかっただけだ、何とかできるかも、こうなるかも というシビアなものも前では何の意味をなさない、いうなれば『思い上がりだ』、でも僕はそんなでもいいからと
僕は少佐から貰った拳銃の弾を再装填する。

               『それでも、やってみせる!!』
僕はただ勘だけを頼りに、取りあえず目の前の厄介事を片付けることにし、再び自転車をこぎ始めた。

鳴海side end

キンジside

 う、うん?、イテテテッ 痛み感じるってことは、俺は生きてるのか? 助かったけど いっそのことあのまま死んでも良かったんじゃないか? 俺の人生と引き換えに武偵をやめることもできたのだからな。
と冗談は置いといて、ここ何処だ?

 俺は痛む体に鞭打ち、今自分が置かれている状況に目を向ける、どうやら俺は何かの間に嵌ってしまったようだ少し身動きをすれば出られるぞと思い、身を捩るが、

ムニュとした感触が顔に触る、何かと思い目をしっかり開けるとあの女の子がいた 制服がはだけて下着が露出している...拙いだろこれは二重の意味で。

 ドクッドクッと俺の中の血が滾る、頭をふるって冷静に保とうと別の方向に目を向ける
 この時点でこの女の子の名前が初めてわかった。恥ずかしい話だが 女性が上半身につける下着 いわゆるブラにデカデカと「神埼・H・アリア」 どうやらこの子の名前のようだ、しかしこんな華奢な体躯の少女がさっき俺を助けたのがまだ信じがたい、神埼は見た目はまだせいぜい中学生だぞ なのにあの射撃の腕はすごいもんだ。

って感心している場合じゃない、俺の今の状態は爆風で吹っ飛ばされた→吹っ飛ばされた先が体育倉庫の跳び箱の中→現在、神埼が俺の上に覆いかぶさっている状態+制服が乱れている=起きたら大変、即逃げよう。

だけど、ここはお約束って奴で・・・神埼が起きた・・・ 俺 オワタOTL。

「へっ、変態!!、最低!最低!最低!最低!、この痴漢!!恩知らず!人でなし!!」

 神埼は子供っぽい顔を紅潮させながらポカポカと俺を殴る、俺は痴漢じゃない、とはっきり言いたいが相手はこっちの弁明を聞いてくれない が、何かに気付いて さっと跳び箱の中に隠れるとすぐ何かの走行音が聞こえる、次の瞬間。
             ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守