緋弾とニートと愚昧な武偵
跳び箱に無数の銃弾が襲う、跳び箱の隙間から様子を見るとさっき俺を追い掛け回していたセグウェイが今度は数を増やして撃ってきた。この跳び箱は防弾性なので貫通はしないが重機が近くに通ったような振動が跳び箱に響く
神埼は太もものホルスターから二丁拳銃を抜いてセグウェイに向かって発砲する。
ダウッ!ダウッ!ダウッ!ダウッ!ダウッ!ダウッ!
どの銃弾もセグウェイに命中しているが 先ほどのように機能停止とまでは行かないしかし神埼の発砲途中に俺は理性が飛んだ、発砲中の神埼は気付かなかったようだが彼女の胸が俺の顔に当たっていた。
(こんなに小さくても女の子の胸ってこんなに柔らかいのか)
邪な感情を引金(トリガー)に心臓の鼓動とは別の強い別の鼓動が俺の体の芯に響く、血が熱い、何か別の物がムクムクと俺の中で大きくなる理性を失う前に俺は思う。
『もうなりたくないんだ、あの俺にはっ...!!』
そんな葛藤の間に、神埼が迎撃したセグウェイ達が学校の並木の外に移動していく
「・・・やったか?」
先ほどとは違い 俺は信じられないほど頭が冴える、またやってしまったと後悔の念に駆られるが今回については不可抗力と割り切ろう。
対する神埼は先の興奮気味な状態ではなく冷静に受け応えをしてくれた。
「一時的に追い払ったまでよ あいつ等、並木のほうに逃げたみたい、またすぐしたらやってくるわ」
「強い子だ・・・それだけでも 上出来だよ」
俺は不敵に笑い、神埼を跳び箱から抱き上げる 彼女はキョトンとした顔で俺を見上げる。
「ご褒美だ、お姫様」
彼女は顔を真っ赤にして少しあわてる、そんな彼女を抱え 跳び箱から飛び出し、彼女を体育倉庫のセグウェイ達からの死角にあるマットの上に座らせる。
「姫はそのお席でごゆっくり、銃を振り回すのは俺だけでいいだろ?」と彼女の握っていた拳銃を太もものホルスターに戻す、その間にもセグウェイ達に搭載された短機関銃(サブマシンガン)が火を噴く
彼女は大きな瞳を更に大きく見開き、俺に向かって叫ぶ
「ア、アンタどうしたの、おかしくなっちゃたの!?、撃たれるわよ!!」
・・・やれやれ、ここは死角だってのに撃つだけ弾の無駄だ。
彼女は俺の身を案じて警告を投げかけるが、俺は聞く耳を持たない、何せ今の俺には撃たれる弾丸が視認できるほどだからな。
「アリアが撃たれるよりいいさ」
「だから! 何キャラ変えてるんのよ!!何するつもり!?」
彼女はまた俺に疑問を問いかけるが俺はこの一言で彼女を静かにさせるとしよう
『アリアを、守る!!』
俺はそういい残しセグウェイ達の前に歩み寄る、その一瞬、銃弾の雨が止み、再び七台の短機関銃が俺の頭にむかって発砲するのが見えた、俺は着弾前にさっとかわし、懐からベレッタを抜きセミオートからフルオートに切り替え 撃つ。
バババババババンッ!!
計七発の銃弾がまるで短機関銃の銃口に吸い込まれるように命中する.....。はずだった、がセグウェイの脇から一発の弾丸が短機関銃の銃身を貫いたのだ七台全てを、機関銃を載せていたセグウェイが横倒しになり実質、機能停止になった。
(今の銃弾は一体何だったんだ?)
キンジside end
作品名:緋弾とニートと愚昧な武偵 作家名:札守