DRRR BLOOD!!
「何で止めちゃうんすか~!面白いとこだったのに~」
遊馬崎が嘆いている。二次元へ行きたい者としては今の戦いは止めて欲しくはなかったらしい。
「だって、あのままやってたらあの人多分死んでたし…。ありがとうなレン」
一番身体を張って頑張ってくれたレンは志貴の腕に抱かれている。俺の声に反応して上を向いた。
「平気っすよそんなの~。まあいいや。
それよりあの人は何者なんすか?」
「人間です」
即答した。
ちなみにアルクェイドは今、杏里と話している。
「ねえねえ、アンリって何か変なの持ってるでしょ?」
「え?」
杏里はかけられた言葉に戸惑った。
秋葉に普通じゃないと言われた後、アルクェイドにも変と言われた。
「私にはそれがモノなのか力なのかはよく判らないけど、とりあえずこちら側の人間ね」
「え、ええと…」
杏里は戸惑うしかなかった。アルクェイドはじれったいと思ったのか、腰に手を当てて言い放った。
「もう、気付いてるくせに。私が人間じゃないってこと」
「!いや、そんな…」
「あのバーテンダーとの戦いで私が人間だと思えるほうが不思議よ。
それに、そんな私と関係を持っている志貴や秋葉、あとシエルもただの人間じゃない事ぐらい気付いてるでしょ?」
杏里は俯いた。事実を言われれば、杏里みたいな性格の人間はなす術はない。
「でもまあ安心して。私は貴女の敵じゃなかったりするから。
でも、シエルには気をつけたほうがいいわ」
「え?どう言う事ですか?」
「教えてあげる。
シエルは教会っていう組織の異形を狩る専門職、代行者って呼ばれてるわ。
しかも、私には及ばないけどかなり強いからもし貴女と対峙したら逃げることも勝つことも無理ね。
シエルにはばれないようにしなさい。もしばれたら、志貴に頼んで説得してもらったら?」
呆然としていた杏里は、思わず後ろのシエルを見た。今は正臣にナンパされていたので聞かれてはいなかった。
「ありがとう、ございます」
「ま、今はとりあえず楽しみましょう」
アルクェイドは笑顔で言った。
作品名:DRRR BLOOD!! 作家名:蔦野海夜