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ブレイズ-G-サイファー
ブレイズ-G-サイファー
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東方南十字星 the SouthernCross Wars一

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「東京に森なんてありました?」

そう、彼らはいま、夜の森のど真ん中に入り込んでいる。

東京にも自然は残ってはいるものの、都会、よりによって空港付近に森林などあるわけないのだ。

「・・・・地下か?」

「え?」

井野村が信じられないことを言い出す。

羽田は間抜けな声で返答する。

「俺がEDFの技術および化学科の頃の話なんだが、研究施設の地下にバイオテクノロジーの実験施設があってな。そこでは新種のウイルス、細菌、生物兵器などの研究、実験し、使えれば実戦投入もされた。
が、あまりの危険さゆえすべての施設が放棄された。実験の一つに森林やジャングルを想定したテストがあったから、ここはその内の一つじゃないか?」

「ふ~ん・・・・。!!」

「?どうしたんですか吉本さ・・・・!!」

吉本と羽田の二人はある一点を見つめる。

それにつられて井野村、岡島も同じ所を見る。

「なっ・・・・!!」

「・・・・・・ッ!!」

四人とも目の前の物体をみて黙り込む。

そこにいたのは、グチャリ、グチャリと音を立て、小動物の死体に食らいついているキノコのような
生物だった。

「静かに・・・・」

井野村が三人を制す。

「い・・・井野村はあんなモン作ってたのか・・・・?」

「いや、俺はあんなもの知らない・・・・第一日本の空港地下にバイオ研究施設などあること自体俺には
分からん・・・・・・」

「はぁ・・・?」

きわめて冷静な井野村は全く動かない。岡島も井野村のすぐ隣にいるが、少し冷や汗を掻いている。

吉本と羽田は二人の後ろに若干隠れ気味だ。

なぜ距離を置かないのかというと、返答は"動けないから"だ。

このような生物がいるということは、他にも違う種類や同じ系統で群がってくるようなやつもいる可能性
が高い。

相手の五感がどれくらいのものなのか検討もつかない以上、こちらに気付かずどこかへ去ってくれるのが
一番望ましい。

だが、彼らの願いも通用せず、そのキノコのような生物は、鋭い歯をむき出しにしながらこちらを向いた・・・・・・・。



バン!バン!ババン!!

「岡島!後ろを頼む!」

「あいよ!」

バン、ババン!!バン!バンバン!!

井野村と岡島は持っていた拳銃を取り出し、先ほど大量に襲ってきたキノコ状の生物達と交戦を開始している。

羽田はうっかり忘れてきたらしい。

そのため、外部と連絡を取ろうとしているのだが、どこへかけても圏外、というより見つからないようだ。

しかし、交戦の甲斐あってか、ある程度殺すとすべて逃げていった。

「・・・・やったか?」

「さぁな。だが、今の騒ぎを聞きつけてまた同類が来るかもしれん。早めに移動するぞ」

誰よりも冷静な井野村の意見で、ひとまずはこの森から脱出することにした。



歩くこと数分。ようやく森からは出ることが出来たのだが、逆にいえば、かえって目印が少ない場所に
出たことになる。

おまけにもうとっくに夜である。というか、いまだそこが地下なのか、それとも地上なのか、
はたまた別の地区なのか、いまいち検討がついていない。

だが井野村は直感していた。予測ではない、要するに勘だ。

それは、ここは別世界(パラレルワールド)ではないのかと・・・・・・・・・・。










今までの様子を見ていた女性が一人、空間の裂け目のような場所から四人を見下ろす。

そして、彼女は確信した。『やはり彼らならこの異変を止められる』と・・・・・。

「貴方達にこれから、幻想郷を任せるわ・・・・・」

一言つぶやいたその女性は、裂け目のような場所へ消え、空間を閉じた・・・・・・・・・・・・・。