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永遠の契り

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殺生丸はりんの頬を優しくなでながら、その体を抱いていた。次第に小さくなるりんの心の音が悲しかった。
「りん。お前が生まれ変わってくるのを私は待つ。かごめも巫女の生まれ変わりと聞いた。犬夜叉に会うために生まれ変わったと・・・。お前も私のために生まれ変わってこい。私はいつまでもお前を待っている」
「殺生丸さま・・・」
「いつまでも、お前だけを待っている。必ず生まれ変わってこい」
「りんが生まれ変わったらわかるの?全然姿が違うかもしれないのに」
「私はすぐにわかる。お前だとすぐにわかる。お前の匂いを、お前の魂の色を、私は忘れはしない」
「殺生丸さま・・・はい。必ず、りんをみつけてね」
「むろんだ。お前こそ、私を忘れるな」
「忘れない、絶対。殺生丸さまを忘れるなんてできるわけない。何度生まれ変わっても。りんが愛するのはあなただけ。殺生丸さま、あなただけ・・・」
「その言葉、永遠の契りと聞いたぞ。りん・・・待っている・・・待っているぞ」


あれからどれだけの時間が流れたのだろう。花が咲き、花が散り。雪が降り、風が吹いた。子供たちは独立してそれぞれに家族を持ち、全国を飛び回っている。母は隠居し、山奥の家にひっこんでいた。殺生丸の周囲は再び邪見だけとなり、静かな時が過ぎていった。りんが好きだった青い花をりんの墓に飾ることが、殺生丸の日課になっていた。

今日も青鈴蘭の花をりんの墓に飾りながら、りんと過ごした日々を思っていた。その時、背後に人の気配がした。


「きれいなお花ね」
「?」
ふりむくと、人間の少女が殺生丸に微笑んでいた。その手には青鈴蘭の花が揺れている。
「ここにくれば、きっと会えると思った・・・」
「!!」
殺生丸は目を見開いて、立ち上がった。
「りん!」
顔貌は違っても、りんの匂いがした。りんの甘く切ない匂いが。
「さきっていうの。今の名前。殺生・・丸さま?」
殺生丸はさきという名の少女を思いっきり抱きしめた。
「やっと・・・やっと・・・生まれ変わったか!」
「殺生丸さま、本当に待っていてくれたのね?」
「言うまでもない。私は約束をたがえぬ。りん、お前との約束ならばなおさらだ」
「殺生丸さま・・・」
殺生丸はその少女を抱き上げた。
「りん・・・お前の匂いだ・・・」
「くすぐったいよ、殺生丸さま・・・」
りんの頬に髪に、その鼻を寄せる殺生丸に、少女は明るい笑顔を返した。

(りん!!)

その笑顔は、殺生丸が初めてりんと出会ったときの、あの笑顔だった。


そうして再び二人の時間は動き出した。

作品名:永遠の契り 作家名:なつの