二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
ブレイズ-G-サイファー
ブレイズ-G-サイファー
novelistID. 39710
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

東方南十字星 the SouthernCross Wars二

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
第二戦:謎の異変


四人が森から脱出し約二十分後。

とりあえずは寝床を確保しようとしてるようだが、いまいちいい場所が見つからない。

「まったく、こんなことになるんやったらヘルメット脱ぎ捨てるんじゃなかったぜ・・・・・」

なぜヘルメットなのかと言うと、それは岡島の製作した設計、井野村のソフトウェアが内臓された「超」
が付くほど高性能のオリジナル型で、地図表示、索敵、通信、赤外線機能といった特殊機能が搭載されており、特に夜には視界が一気に悪くなるため、彼らにとって、夜間の訓練をまともに済ましてある井野村
以外、ヘルメットは必須アイテムなのである。

そのため今のところ、井野村がレーダー代わりということになる。

「いまさら嘆いてもしょうがない。ひとまずはここで野宿だな」

井野村が提案する。

「でも、こんな所で寝たら風邪ひきますよ?」

「吉本、たしかライター持ってたよな?」

「ん?あぁ、あるけど。なにに火点けるんや?」

「さっき木材拾ってきた。気休め程度しかないから、でかいのを頼む」

いつのまに集めたのか、井野村の腕には焚き火一つ起こせるぐらいの薪が抱えられていた。

さっそく吉本が火を点けるべくライターに火を着火しようとするが・・・・・・・

「(カチッカチ)ん?おかしいのう・・・・(カチッカチ・・・カチン!)(ゴ―――――!!!!)」

その時、悲劇は起こった。

吉本の所持していたライター、それは普通の蓋をあけると隠し蓋がもう一つあり、そこを開けある操作
をすると1m先までとどく火炎放射器へと変貌する恐ろしい兵器であったりもする。

うっかり発動させ、しかもつける途中に燃料が蒸発していたため、着火したとたん、大爆発を起こした。

「ギャー!!」

「うわちちちちちちちちち!」

「誰が爆発起こせなんていった!」

「安全装置が外れてたんや!」

「衝撃信管の爆弾安全ピン外して持ち歩くバカがいるか!!」

「とりあえずは鎮火しろ!クソッ、こんなときに敵襲だ!羽田!」

「なんです!?ってあちちち!」

いまだ羽田は火が裾に点いていたがなんとか消し、話を聞く。

「お前、地面掘れるものもってるか!?」

「移植用のシャベルなら持ってます!」

「とりあえずは土掘り返して火を埋め立てろ!俺はしばらく奴等のを相手してくる!」

そう言って井野村は先ほども使った拳銃を取り出し、弾がまだ残っていることを確認した後、
突然あらわれ襲撃してきた妖怪に向かって発砲する。だが、

「(チャッチャッ)弾切れか・・・!」

ポケットから予備のマガジンを探すが、見つからない。

その一瞬の隙を妖怪達が見逃す筈もなく、周りを完全に包囲された。

「・・・・万事休すか・・・」

「食らえ!!」

その途端吉本は、さっきの混乱の元凶となったライターをフルパワーに設定し、奴等に向けて爆炎を放った。

ゴォォォォォォォォォ!!!

さらに方向を変えて再び放射。

バォォォォォォォォォ!!!
ギュォォォォォォォォ!!!

何度か繰り返すと、妖怪達は恐れをなして逃げ出した。

それと同時に・・・・・・・辺り一面、火の海と化すことになる。

「オォォォォォ!!?」

「あぶっ!うわ!」

「熱い熱い熱い熱い熱い!!」

「早く脱出しろ!!」

四人は風上へと逃げ出す。背丈ほどの高さはないものの、広い面積が焼き尽くされている。

「やりすぎだっつの!」

「うるせぇ!!オメェこそなんもせえへんとただボーっとつっ立っとっただけやろうに!」

「だからって火炎砲ぶっ放す奴がどこにいる!それに俺はあの炎から逃げんので精一杯だったんだ!」

「静かにしろっ!!」

井野村が多少血相を変えて怒鳴る。

「たしかにあの時、火をおこせと俺が言わなければあんなことにはならなかったかもしれん。だが事を
大きくしてるのは奴等じゃないお前達だ!一体何度同じ事を言わせる!何回言ったと思ってるんだ!?
油断するな!冷静になれと!」

昼間どんなにふざけ合うなり喧嘩するなりしても、やはり隊長である井野村を前にしては二人、そして
羽田も黙り込むしかなかった。

その後は四人で火の後始末を済ませ、それぞれ草の上で眠りについた。



―――Side井野村―――

さっきは言い過ぎたか・・・・。

俺の銃の弾が切れた時、さすがに焦った。同時に後悔した。『火をおこせ』などと言ったからこうなった
んだと。

みんな疲れてる事を考慮するのを忘れていた。自分だけまだまだ活動できるのをいいことに・・・・・。

それに吉本がとっさに放出したあの炎、始めは相当危なかったが、ほぼ無傷で済み、それに助けられた。

岡島も、俺が見ていた限りでは今にも火に焼かれそうになりながらも必死に逃げていた。

それは怒るのも無理ないかもしれない。

それにも関わらず、つい怒ってしまった。本来なら励ましの一言でもかけてやればいいものを・・・・。

「・・・・隊長失格かもな・・・・」

明日、謝ることにしよう。

一言呟き、俺は空一面に瞬いている星と、少しずつ移動している雲を見ながら眠った。

ん?雲?星!?

俺は跳ね起きた。

雲が地下にあるはずがない。せいぜい人工的につくる霧程度のはずだ。仮にあったとしても、ここは
地下何階だ!?そんなこと、現在の技術では不可能だ。おまけに星だと!?そんなもの何故造る?娯楽施設じゃあるまいに。なら何故・・・・・・・?

「また明日か・・・・・・」

最後にそう言って、俺は今度こそ寝た。

―――Side out―――



翌朝、できるだけ早く起きた四人は、捜索を開始した。

道中、井野村は昨夜のことについて話始めた。

「・・・・岡島、吉本」

「ん?」

「なんや?」

「その・・・・昨日は、すまなかった」

「・・・・・」

数秒間沈黙が支配する。
すると、口を開いたのは羽田であった。

「井野村さん、僕らはみんな、怒っても憎んでもいませんよ」

「・・・・・・?」

「謝るのは僕らです。今まで油断ばかりで失敗して、迷惑ばかりかけて井野村さんの足引っ張って・・・
・・・・それでも僕らを守って、必死にフォローしてくれてた事、今でも覚えてますよ。むしろ感謝し
たいです。本当に」

「せや、だから落ち込むなって。あんたは羽田が言うた通り、立派なヤツや。大阪人のオレが言うんや
から、間違いねえ」

「同感だ。俺も死線を数多く乗り切ってきたが、まだまだお前には到底及ばん。それでも、見下したり
しないで俺達にいろんなこと教えてくれた。俺達はそんな隊長の指揮下に入れて幸せだ」

「「異議なし」」

吉本と羽田がきっぱりと言う。

「すまない・・・・俺のほうこそ、お前達のような仲間を持てて誇りに思う」

「これからも頼みますよ。井野村小隊長」

「あぁ」


そんなやりとりが終わった後、すぐに階段が見えてきた。それも長い。

「なんや?ここ」

「知らん」

「神社ですよね?」

羽田が階段の先を指差す。そこには赤い鳥居が立っていた。

だが、とても小さい。

「おいおい、こんなん登ったら疲れてしゃあないやろ?」