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ブレイズ-G-サイファー
ブレイズ-G-サイファー
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東方南十字星 the SouthernCross Wars三

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第三戦:楽園の悪夢


―――Side吉本―――

『おもろそうやのう。話、聞こかい』

そういって八雲紫と名乗る女から依頼を受けたが、始めはコイツバカかとおもった。

巨大な蟻や蜘蛛、空を飛ぶ円盤、巨大なキカイ・・・・いやロボットだろうけども、んなSFじみたモンが本当におるんか?

まぁとりあえず、爆音が鳴った方向へ羽田と向かってるわけだが、あいつさっき「僕は走るのが苦手です!」とかほざいとったな。つか、ローラーダッシュつけとるオレにはまず追いつけんやろ。

そのまま前に登ってきた階段の近くの坂を駆け下り、ある程度スピードがついたところで・・・・・

(ギュォォォォォォォ!!)
背中に背負った飛行ユニットに点火する。そのままスキージャンプのように飛び上がる。

「やっぱ空はええのう。もう神社小さくなりおった」

「やっと追いついた・・・・吉本さん、速いですよ」

羽田も背負ってるユニットに点火し、現在並行飛行してる。

「・・・・・・ん?なんやあれ!?」

「え・・・・・!?うわっキモッ・・・」

そこにいたのは、紫の言ったとおり、蟻や蜘蛛の形をした巨大生物に、蒼い爆発性のビームを発射しとる歩行ロボットやった。その後、オレ達は、戦闘を開始したのはいいものの、そいつらの攻撃に追いかけ回される羽目になった・・・・・・・・・・・・。

―――SideOut―――


「どぉぉぉぉぉぉぉぉわぁぁぁっぁぁぁ!!?」

ズガン!ズガガン!
キュイィィィィン!
ドーン!!

「羽田!!連絡入れぃ!ちょっくらもうやばい!」

「さっきケータイ落としちゃいましたよ!!それにこんな状況でどう連絡しろいうんですか!?」
ドーン!!ドーン!!バンバン!

手榴弾を投げつつ二丁もちの9mm拳銃を撃ち応戦している羽田が返答する。二刀流に爆弾投げて無駄口までたたいている彼も器用だ。吉本も、二門のガトリング砲を片手に一つずつ構え連射している。

「ええい!くそ!!なんであの女ヘルメットまで送らんかったんや!?」

そう。四人とも、装備が送られてきたとはいえあくまで銃器だけである。索敵、通信には不可欠の道具が
一切無かった。無論ヘルメットも。

ある程度撃ち続けた結果、周囲にいる敵は倒した。

「うし、あらかた片付いた。オレが連絡しとくさかい、残りのモン頼むわ」

「了解」

吉本はケータイで井野村と岡島に連絡を回し、羽田は最後に姿を現した歩行ロボットへ向けてグレネード
(ここでは着弾式)を投げ込み、爆発と同時にそいつが崩れるのを確認してからケータイを探す。

『こちらブラボー。チャーリー、どうした?』

「紫の言ってた通りや。蟻やら蜘蛛やら、ヘンテコなロボまでおった。少なくとも周りにたかっとったモンは片付いたが、いつまた襲ってくるか分からへん。そいつらの調査も含め、こっち来たってや」

『位置は分かるか?』

「さぁな。すぐそこの階段から真っ直ぐ200mぐらいかってとこか」

『分かった。すぐに向かう。一度切るぞ』

ブツという音とともに、ケータイは切れた。




―――Side井野村―――

「分かった。すぐに向かう。一度切るぞ」

その一言を残し、岡島は携帯を切った。

「出番だ。行くぞ!アルファ!」

「了解」

俺と岡島は、その場で背中の飛行ユニットに点火し、ほぼ同時に飛び立つ。

階段を過ぎ数十メートル上がった所で、岡島は話しかける。

「どうだ?飛行の調子は?」

「あぁ。完璧だ」

「そうか。整備しといた甲斐があったな」

このユニットは岡島の特製だ。ただジェットに近い原理で飛行しているため、多少騒音がする。
それでも飛行するには申し分ない性能を持っているため、俺のお気に入りでもある。

実はこれには俺たち一人ひとり違う特色を備えている。俺と岡島と羽田はは可変翼、吉本は翼が一回り大きく、重火器を装備し自動攻撃するシステムも搭載。さらに地上では翼が折りたためる優れものだ。ちなみにプログラムは俺がした。

まもなく目標が見えると思うのだが・・・・・・なんだあれは?

「岡島」

「あぁ、言わなくても分かる・・・・・でかくね?」

それは、空を飛んでいた。おまけに何かを投下しながらこちらに向かっている。おそらく爆弾ではないだろうが、危険な予感しかしない。

その円盤らしき巨大な飛行物体は、子機のような別の円盤を引きつれ、確実に近づいてきた。



―――Side岡島―――

でかい。とにかくでかい。一応円盤や巨大宇宙戦闘艦も頑張れば造れるものの、こんなところに出撃する意味が分からない。つーか仮に造ってたとしてもう完成したのか?

ホバリング状態で、二人とも思考の海に沈む。

見たとこクーデターも見当たらない。まぁ、さっきの神社に人が集まってたのはゲリラとかその辺だった
とすると、つじつまが合う。

「様子、見てくるか?」

「そのほうが良さそうだな」

そう言って俺たちは、吉本と羽田に連絡しようとした。が、先に彼らから着信があった。

『こちらチャーリー!なんぞでっかい円盤の親分みたいなモンが蟻やら蜘蛛やら投下しとる!』

「待て。指定された位置には到着した。ここからも円盤を目視で確認できるが、お前達今どこにいる?」

井野村が俺のケータイをかっぱらって返答する。

『なんか集落みたいなとこや!もうメチャメチャやがな!なんかちっこい円盤みたいなヤツもおる!」

「羽田はどうした?」

『ケータイは落としてもうた!今はまだ避難してないモンの誘導しとる!つかはよう助けに来んかい!!』

すげぇよく聞こえる。向こうは相当な修羅場なんだろうが、前にも何かの襲撃があったんならなんで
まだ逃げてない奴がいんだ?

「200mとか言っといてその集落みたいなとこは見当たんねぇぞ?」
俺もケータイに口を近づけてさっきから分からなかった事を話す。

『あ~、すまん。それ多分2000mの間違いだわw』

「そんな文章に書いたって間違えないようなことで間違えんな!小学生でも分かんだろ!」

『悪ぃ悪ぃ。つーかこっちも円盤どもに光線みたいなの撃たれて今逃げまわっとるんや!頼むからはよう
来てくれ!!』

「アルファ、了解。地上の敵だけでも頼む。対空は俺たちに任せろ」

そう言うと井野村は通話を切り、俺に向かって言葉を発した。

「待たせたな。今度こそ行くぞ」

「おいよ」

やっとかという気持ちの状態で、俺たちは飛行ユニットの出力全開でとばした。

―――SideOut―――




井野村と岡島が現場に到着した頃、吉本はというと、

ダダダダダダダダダダダダ――――!!
ドォォォォォン!!

「よし、ええど!羽田ー!」

「では(カチッ)(ズドドドドドドドド―――――ン!!!)完了!」

吉本が近くにいた勢力を片付けた後、羽田がお手製のリモコン爆弾で残りを吹き飛ばす。

「やっぱ羽田のリモコン地雷(吉本命名)は役に立つの~」

「それはどうも」

「・・・本ー・・・!羽・・・-!」

「・・・・ん?」

「吉本ー!!羽田ー!!」

不意に自分の名を呼ばれた二人は空を見上げる。すると井野村と岡島が飛んできた。

「おう!」