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東方~宝涙仙~ 其の壱九(19)

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「美鈴が多分どこかにいるから合流したほうがいいわよ」
 パチュリーはその名前を聞いた途端我に返ったように表情を暗くさせた。
「美鈴もいなかったわ」
「?」
「どこ探しても美鈴は見つからなかった…」
 パチュリーのあまりにも深刻な言葉にレミリアは固まった。そしてくくくと笑いを上げた。
「何言ってんのよパチェ。美鈴ならたったさっきまで私といたわ。どうせ違う道ですれ違いになったんでしょ」
「え?美鈴が?」
「ふふふん。私の館の門番よ。こんな程度じゃくたばらないわ。というかくたばらせない!」
 倒せながら笑いを浮かべて真実を話すレミリアに、パチュリーは肩の力が抜けた。
「よかった。美鈴…生きてたんだ…」
「勝手に殺したら美鈴泣いちゃうよ」
「泣いちゃったのは私のほうよ」
「なんでこう紅魔館には泣き虫が多いのかしら」
「あんたも泣き虫じゃない」
「泣き虫館の主だからね!」
 身体的には回復されていないが、精神的な面ではだいぶ回復をとげた。
咲夜を殺し、紅魔館を爆破した黒幕であり犯人。そろそろ決着をつけなくてはならない。


 ▼其の弐拾へ続く