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Fate/Zero ~MAKAISENKI~

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「召喚」





…闇に生まれ闇に忍び闇を切り裂く者たちがいた。

人の心に潜む闇"陰我"を糧とする魔獣ホラーを狩り続け、戦いに生きる者たちがいた。

魔を戒める力を持つ、剣を振る存在を人々は魔戒騎士とよんだ。

この物語はその魔戒騎士の一人鷹上(おうがみ)シンギの物語。

深淵の闇に堕ち、なおももがき続ける一人の男の物語。

暗黒の騎士は異世界にて何を思い、何を刻むのか…
あなたにそれを見る勇気があるのなら前に進むといい。

たとえその先が絶望の淵であっても…









「…げる
…みは…に、わが…は…剣に。
聖杯の…に……この……ば…よ。」


近辺で不気味な屋敷と言われ、近づくものがいない、この間桐邸の地下室で顔が半分程引き攣っている男が床に敷かれた陣の前で何事かを唱えていた。




男の名は間桐雁夜
彼はサーヴァントを召喚しようとしているのである。

聖杯戦争―――7人の魔術師が英霊と呼ばれるかつての英雄達を使役し、最後の1組になるまで殺しあうという、争いのことである。

そして勝利者は万能の願望器、聖杯を手にすることができる。

雁夜はそんな戦争に参加しようとしているのである。





「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。」





魔方陣の光が徐々に強まっていく。

その様子を翁、間桐臓硯が薄気味悪く笑いながら傍観している。





「されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。
汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。」




この詠唱はサーヴァントに設けられる7つのクラスの内の1つ狂戦士(バーサーカー)を呼び出すための詠唱である。

バーサーカー―――英霊の理性を奪い、サーヴァントとしてのスキルを上げるクラスである。

だが、その代償は大きい。
理性を奪うのでマスターの命令をまともに聞くことができないのだ。

しかも、魔力消費量が多いので燃費が悪いとされている。

なぜ、雁夜がこんなデメリットの多いバーサーカーの召喚をしているのかと言うと、彼の父、臓硯に命令されたからである。

雁夜は以前、間桐の魔術が嫌になり逃げ出したのだ。

ならば、何故戻ってきたのか、それは彼の思い人、遠坂葵の娘である桜のためである。

雁夜が逃げ出した結果、衰退した間桐の魔術を継ぐ者が居なくなってしまった為、臓硯が遠坂家から養子として桜を迎え入れたのである。

それを雁夜が聞きつけ、桜を間桐から救い出すため戻ってきたのである。

それが臓硯は気に食わなかったらしく、雁夜に刻印虫を埋め込み、体をボロボロにし、今回の聖杯戦争でバーサーカーの召喚を命じたのだった。

雁夜が悶え苦しむ様を見る為に…





「汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」




瞬間、魔方陣から途轍もない光と魔力が溢れ、暴風が地下室を駆け巡る。



そして全てが収まり雁夜が目にしたのは…




全身を鎧で包んだ闇色の狼騎士だった。










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よう、俺の名はザルバ
次回予告は俺が担当させてもらうぜ
人の出会いは一期一会
その出会いは自分が変わる切欠になることがある。
次回「契約」
お前達に自分を変えた人はいるか?







作品名:Fate/Zero ~MAKAISENKI~ 作家名:魔戒