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Fate/Zero ~MAKAISENKI~

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もし仮に生きていたとしても、あのホテルはもう拠点には使えないし、別のところで拠点を作っても、魔術工房を作るには時間がかかる。

「舞弥、撤退を…」

そう、舞弥に告げた切継だが、応答が無く、雑音が入るだけ。
舞弥の身に何かあったのを把握したのだった。

―――――――
――――
――

「それにしても、建物ごと爆破とは魔術師とは到底思えんな。いや、魔術師の裏をかく事に長けているという事か」

「言峰綺礼…!」

「ほう?君とは初対面のはずだが?それとも私を知るだけの理由があったのか?ならば君の素性にも予想はつくが?」

舞弥を襲ったのはアサシンのマスター言峰綺礼だった。
何故、教会にいるはずの綺礼がここにいるのかというと、切継に会いに来たのだ。
彼はある答えを探している。その答えを切継なら持っているかもしれないと思い、ここにきたのだ。
無論、誰にも告げずに。

「私にばかり喋らせるな女、返答は一つだけでいい。お前の代わりにここに来るはずだった男はどこにいる!?」

その言葉を皮切りに舞弥と綺礼との戦闘が始まった。
舞弥は銃で撃とうとするも、銃が弾かれ、柱に隠れる事になってしまう。

「中々いい動きだ。相当仕込まれているようだな」

神父の格好こそしているが、彼は吸血鬼などの化け物と戦う代行者だった。
魔戒騎士と同等までとはいかなくても、彼の戦闘能力は相当なものだ。
まともに戦えば舞弥に勝機は無いだろう。
綺礼は一歩一歩舞弥に近づいていくが、何かが足元に投げ込まれ、それが煙を発生しだした。
切継が舞弥を助けるために投げ込んだものだ。
煙が晴れるころには綺礼の前から舞弥は姿を消していた。

「まぁ、いい。あの女を助ける存在がいると言うだけで今夜のところは収穫だ」

そう語る綺礼の顔には僅かな笑みが浮かんでいた。

「綺礼様!」

「表では姿をさらすなと言っておいたはずだが?」

「恐れながら早急にお耳に入れなければならない事がございました故。ついにキャスターを補足いたしました」

綺礼の前に姿を現したのはアサシンだ。
セイバーの前に姿を現したキャスターの事を報告しに来たのだ。

――――――――
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―――

冬木の教会
ここは綺礼が匿われている場所で聖杯戦争を監督する役目も持っている。
サーヴァントを失ったときにここに逃げ込めば安全が保障され、聖杯戦争に不備があったときに対処するのがこの教会だ。
アサシンから事の顛末を聞いた綺礼は蓄音機のような通信機で師たる時臣に報告していた。

「アサシンに詳しく調査させましたところ…キャスターとそのマスターは深山町から隣町をまたに掛け、就寝中の児童を次から次に夜明までに十五人を誘拐。恐らく今、世間を騒がせている連続殺人犯と同一人物ではないかと…彼らは何の配慮も無く魔術を行使し、その痕跡の秘匿も一切行っていません。もはや聖杯戦争そのものがまったく眼中にないかと」

綺礼の読みは当たっている。
キャスターのマスターは雨生龍之介、人を好んで殺す快楽殺人者である。
女性や子供が対象にされる事が多く、今回は子供だけが対称にされ、誘拐されていったのだ。
龍之介にキャスターも同調し、次々と子供たちがさらわれていった。
まだ、手に掛かっていない子供もいるだろうが、それも時間の問題だろう

『錯乱して暴走したサーヴァントとそれを律する事もないマスターか…一体、どうしてそんな連中が聖杯戦争に?』

「これは放任できんでしょう、時臣君。キャスターたちの行動はルールを逸脱して余りある」

『無論です。私は魔術の秘匿に責任を負うものとして断じて許せない。それにしても理性を持つバーサーカーといいどうも今回の聖杯戦争はイレギュラーが多すぎるな』

「う〜む。キャスターとそのマスターは排除するしか他にあるまいな」

魔術は秘蔵するものだ。
それをキャスターとそのマスターがしないのならば速やかに排除する必要がある。
被害が広がりすぎると、聖杯戦争そのものが崩れてしまうかもしれないのだ。
時臣としてはそれは望むところではない。

「問題はサーヴァントにはサーヴァントを用いて抗するしか手段はありません。さりとて私のアサシンを差し向けるわけにもいきますまい」

こんな時でも、聖杯戦争の勝利に関することは頭から抜けてないらしい。
アサシンを使わずに手を講じるつもりのようだ。

「若干のルール変更は私の権限のうちです。全てのマスターをキャスター討伐に動員しましょう」

キャスターへの策が決まり、それを実行に移すべく、時臣達は動き出す。
だが、彼らの思うようにはいかないだろう。
キャスターとてそれほど甘い相手ではない。
子供たちにとっての救世主は一体誰なのであろうか…

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―――――
―――

「ここが森になっていて…ここが教会だ」

「なるほど、理解はしたが、やはり現場に行ってみないと分からんな」

「それにしても、お前が方向音痴だったとはなぁ」

「俺の長年の悩みだ」

所戻して間桐邸。
シンギと雁夜は冬木の地図を広げ場所の確認をしていた。
よもや、シンギが方向音痴だとは、雁夜も思わなかった。
さっきの戦いの時も虫で案内できればよかったが、雁夜には何処で戦いが起こっているか分からなかったので、一緒に迷っていたのだ。
てっきり何でもそつなくこなす奴だと思っていただけに、以外だった。

「とりあえず重要そうな場所を重点的に……ッ!?」

音が響いた。これは普通の音ではない。
魔術を用いた魔術師しか聞こえない音だ。
方向は教会の方だ。

「教会?なんで教会から…」

「何か不備があったんだろう…確認に行く必要があるな」

「じゃあ、虫を飛ばして…」

「いや、俺が行く。こういうのは直接話を聞きに行ったほうが情報を引き出しやすい」

シンギは脱いでいたコートを着て、すでに行く準備を整えていた。

「何が起こるか分からない…気をつけろよ」

「気を緩めるつもりなど毛頭無いさ。ああ、そうだ雁夜」

「何だ?」

「道案内を…頼む」

ついに動き出す狂気のキャスター。
奴をとめる事ができるのは…
一体誰なのだろうか…

――――――――――――――

次々と浚われていく子供たち
周りが見えない奴ほど恐ろしいものは無いって事だな
ホラーでもこんなあからさまじゃないぜ
次回「狂気」
絶対に間に合えよ!シンギ!
作品名:Fate/Zero ~MAKAISENKI~ 作家名:魔戒