二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

ヒバードの並盛めぐり~ひとりぼっちの運命~

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 


「ミードーリタナービクーナーミーモーリーノー♪」



今日の僕はすごくご機嫌だ。
さっき雲雀さんがごはんを分けてくれたからね。
その後雲雀さんはいつものように屋上に上っていったから、僕もついてきたんだ。

屋上は日当たりがよくて、すごく暖かかった。



「ふぁぁ〜…」

ほら、雲雀さんが大きく口を開けて欠伸してる。




……あ…、寝ちゃった。…つまんないな。

今日は天気もいいし、色んな場所を探検してみるか。



「パタパタパタパタ…」

僕は大空に飛び立った。

最近はよく色んな所を飛び回るんだ。
昔、バーズの鳥だったころは時々命令されて飛んでたけど、自由に飛ぶのが一番楽しいよ。

そう思うと、僕は雲雀さんについてきて良かったと思う。

初めて出会った時に並盛中学校校歌っていう歌を教えてもらって、今ではすごく気に入ってよく歌うんだ。

それにバーズより雲雀さんのほうが、ずーっと強くてかっこいいよ。
この前ディーノさんが来た時に聞いたんだけど、雲雀さんはボンゴレファミリーの雲の守護者なんだ!


…あ、雲雀さんの自慢ばっかりしちゃったね。



「パタパタ…」

あ!校門の前に誰かいる!
ちょっとだけ近づいてみよう。

あれは…



「パタパタパタ…」

「わっ!」
「はひっ?」

時々ごはんをくれる京子ちゃんとハルちゃんだ。

「雲雀さんの鳥さんだよ!」

「キョウコ!ハル!」

「名前覚えてくれたんだね。」
「すごく賢いです!雲雀さんがしつけしているんでしょうか…」
「そうじゃないかな。雲雀さんの鳥さんだもん。」
「あのデンジャラスな雲雀さんが…。想像つきませんね…。」
「デンジャラス?」
「ええ!…あ、でも動物になつかれる人は優しい人だっていいますよね…」
「じゃあ雲雀さんは優しい人なんだ。」
「そう…なんですかねぇ…?」

京子ちゃんもハルちゃんも雲雀さんが優しい人だって知ってるんだね。
京子ちゃんとハルちゃんは雲雀さんの友だちなのかな?
京子ちゃんとハルちゃんはちょうど曲がり角を曲がろうとした。
僕もそろそろ違う場所へ行こうかな。
そう思い立って、僕は京子ちゃんの手から離れた。


「パタパタ…」


「あ!鳥さん!」
「行っちゃいましたね…。」


僕はまた急上昇して、旋回を続けた。

そして今度は公園の方にやって来たんだ。
そこでまた1つ、小さな人影を見つけた。ベンチに座っているみたいだ。



「パタパタパタ…」

「!」
女の子だ。変わった髪型をしていて、格好も何だか変わっている。
「鳥…?」
女の子はちょっと驚いているみたいだ。

「パタパタ…」

僕は女の子の手に乗せてもらった。
「……雲の人の…鳥?」
女の子は小さな声だったけど、僕にはちゃんと聞こえたよ。
この子はもしかして雲雀さんと同じ守護者の人なのかな。

「コンニチハ!」
「っ!…は…話せるの?」
「ナマエ!ナマエ!」
「な…名前…?私…?…私はクローム髑髏っていうの。」
そのクローム髑髏という変わった名前の女の子は、優しく笑った。

「クローム、ドクロ!」
「わ……すごく…賢いんだね。ありがとう。」
…見つめられて僕はちょっと照れちゃったんだ。
名残惜しいけど、そろそろ別の所に行こうかな。


「パタパタパタパタ…」

「バイバイ…」
バイバイ!
僕はちょっといい気分になって、飛び立った。


「パタパタ…」

また誰かいないかな。
今度は学校の方に戻ってみよう。
僕は少しだけ速度を速めた。



…あ!昇降口に誰かいる。今度は…男の子かな。

あれ?何か言い争ってる…?

「てめー何でさっきからここに立ってやがんだ!野球バカ!」
「お前だってなんでここにいるんだよ、獄寺。」
…あれは確か雲雀さんと同じ守護者の獄寺君と山本君だ。


「パタパタパタ…」

「あ?」
獄寺君はどうやらご機嫌斜めみたいで、睨まれてしまった。
僕は怖かったから、山本君の肩に乗っけてもらったんだ。

「お!雲雀の鳥じゃん。…いつ見ても小せぇな。」
山本君はニコッと笑ってくれた。


「ヤマモト!」
「わ!すげー!お前やっぱ賢いのな。」
僕は賢いって言われるとすごく嬉しくなるんだ。
「ゴクデラ!」
『獄寺』の発音はすごく難しいんだけど、僕は頑張って名前を言った。

「フン……」
でも獄寺君はそっぽを向いている。

「俺今食い物持ってねぇんだ。悪ィな、雲雀の鳥。」
ありがとう山本君。ちゃんとお昼ご飯は食べたから大丈夫だよ。

「じゃ…じゃあ俺のパンやるよ。今日買いすぎて…食えなかったのがあるからな…。」
獄寺君は恥ずかしそうに僕にパンのかけらをくれた。
僕はすごく嬉しくなったんだ。
獄寺君も優しい人なんだなって思ったよ。

「お前動物には優しいよな。」
「ばっバカ言ってんじゃねぇ!パンがもったいないからだ!」
獄寺君はまたプイッとそっぽを向いてしまった。

「あはは!素直になりゃいいのに!」
山本君はいつでも笑顔だ。
僕は山本君の笑った顔がすごく好きなんだよ。

「黙れ野球バカ!つーか早く帰れ!」
獄寺君は大声で怒っている。

「俺はツナ待ってんの。どーせお前も一緒だろ?」
「はぁ!?何で野球バカを入れて帰らなきゃなんねぇんだよ!」
「まあまあ、2人より3人の方が楽しいって!」
僕は2人は仲良しなんだなって思った。喧嘩するのは仲良しの証拠なんだよね?

そして僕は獄寺君にもらったパンを食べ終えて、また飛び立った。

「お、じゃあな。」
「……」

パンありがとう!2人とも仲良くね!



「パタパタ…」


僕はグランドに出た。すると校舎に繋がる階段に人影が見えた。

「パタパタ…」

あれは男の子だ。階段に座っている。
その隣に…ボクシングのグローブが置いてある。

「お。」
男の子はちょっと驚くそぶりを見せた。

「リョウヘイ!リョウヘイ!」
僕は顔を見て、直ぐに了平君だと気が付いた。

「おう、雲雀の鳥ではないか!」
了平君は腕に僕をとまらせてくれた。


「いいところに来たな。今ちょうど部活の休憩時間でな。
パンを食っていた所だ。お前も食え。」
ホントに!?今日はツイてるな。またパンをひとかけら貰っちゃった。

「お、もうこんな時間か。じゃあな。俺は極限練習だ!」
じゃあね!
パン、獄寺君のと同じくらいおいしかったよ。ありがとう。



「パタパタパタ…」
僕はすごくご機嫌になって、低飛行していた。
すると、校舎のすぐ脇に植木が並んでいる。







するといきなり植木から、すごく大きい何かが飛び出して来た。


な!?何だ!?




……でも、そう思ってももう遅かった。

「ニャーー!!」

わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

―…僕は、そのまま気を失ってしまったんだ。








***








う…体が…痛い…。

僕が目を覚ましたのは、ふわふわした布の上。

「あ…リボーン!雲雀さんの鳥!目を覚ましたよ!」
「そうか。ならもう安心だ。…まあ俺の治療は完璧だからな。」

「ありがと、リボーン。」

何やら話し声が聞こえる…。何だか聞いた事のある声だ。そしてここは…保健室?