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Muv-Luv Alternative~二人の傭兵~

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「まさかたったの二機で万を超えるBETAを殲滅するなんて、笑っちゃうわね」

 今香月が言ったとおり結局はBETAと呼ばれるあの生物を殲滅する事になってしまった。

 何故かBETAは俺達二人を執拗に狙ってくる事から殲滅した方が後の楽になると判断。弾倉も残っていた為にシルビアと共に殲滅作業に移った。

 多少の時間は掛かったものの殲滅には成功。視界を全て埋め尽くしていたBETAは全てモノを言わない屍に変わった。

「此方は約束通り結果を出した。そちらは大丈夫なんだろうな?」

「勿論よ。貴方は私の要望通り、いえ、要望以上に働いてくれたわ。此方もあなたの要望は全て叶えるわよ」

「それは助かる。だが、俺達二人はこれからどうすればいい?」

「そうねぇ…甲20号目標の方も順調に進んでいる。今日の所はもうおしまいね。宗像」

「はい!」

「貴方たちは母艦に帰投しなさい。ルートは今からデータを送るわ。と言っても…地上のBETAは殆ど殲滅してるからそこまで危険じゃないから、どこ通っても同じなんだけどねぇ〜」

「りょ、了解しました」

「貴方達二人もヴァルキリーについて行って頂戴。それじゃあ母艦の方で待ってるわね」

 香月との通信が切れた次にはシルビアからの通信が入った。

「いつの間にあんな条件を?」

「お前が一人で突撃した時に。それにお前自信も分かっているだろう?ここが俺達のいた世界とは異なる世界だと言う事を。そうならば戸惑っている余裕はない。今俺達二人に必要なのは身の安全が確保出来る場所だ。…最もあんな生物がいるようでは安全も糞もないだろうがな」

「フフ。そうですね」

 シルビアとの通信が切れた事を確認してから、ゆっくりと深呼吸する。

 何も俺だって何も感じない人間ではない。こんな世界に来てからだってずっと動揺していたんだ。そしていきなりの長期戦。精神的にも体力的にも限界が近い。それはシルビアも同じだろうが、あいつは弱みを人に見せたがならない奴だからな。それは俺も同じだが。

 とにかく俺とシルビアは訳も分からない内にこの世界に来てしまったんだ。今はそれにつてい嘆くよりも、その打開策を模索しなければいけない。

 香月と言う女がどこまで信用していい女なのかは知らないが、ヴァルキリー中隊の態度を見る限りは信用していいのだろう。しかし、そのヴァルキリー中隊の反応をそのまま鵜呑みにする事は出来ない。俺からしたら知らぬ土地の知らぬ人間なのだから、表面上は信用しても奥底では常に警戒しなければならない。

 これは傭兵をやるにして俺が常に心掛けてきている事だ。信用しつつも常に疑え。故に俺は今まで生き残ってきた。仲間の裏切りを察知し、殺し、生き残ってきた。

「私の名前は宗像美冴だ。仲間を助けてくれて有難う。助かったよ」

「俺はライナ。こっちの白い機体に乗ってるのはシルビアだ。あの時の事は気にするな。当然の事をしたまでだ」

 当然の事をしたまでだ、か。自分ながらによくもそんな言葉がいえたもんだな。

「そう言ってもらうと此方も助かるよ。善は急げだ。早速母艦の方に向かう。香月副司令の言ったとおり道中には存在を確認出来ないが、何時地中から出てくるかも分からない。油断するなよ!」

「「「了解!」」」

「よし!ヴァルキリー中隊、行くぞ!ライナとシルビアは後から着いてきてくれ」

「「了解」」
 
 宗像の機体が飛翔し、それに続くように機体が飛翔する。殿を務めるかのように俺とシルビアが背後に位置する形でヴァルキリー中隊の後を付いていく。

 殿を務めるかのように、なんて言ったが、間違いなく俺達は殿の役目を任されているのだろう。最も先の俺達の戦果を鑑みれば当然の考えであり、隊長としては当然の行動だ。

 力無きものは力を有するものが守る。ラインアークでよくオペレーターから言われていた言葉だった気がする。最も俺本人はその言葉を全く守れていなかったが。力を有するものは他を守るのではなく圧倒する。それが俺の考えだったからな…。

作品名:Muv-Luv Alternative~二人の傭兵~ 作家名:灰音