東方南十字星 the SouthernCross Wars四
第四戦:宴会という名の歓迎会
四人が幻想入りし、巨大生物を撃退した夜。
博麗神社では宴会および井野村達の歓迎会が催される事となった。
あの後、紫が伝えるよりも早くに新聞という形で幻想郷じゅうへ伝達された。
宴会は幻想郷ほぼ全ての種族が集まるという。といっても霊夢の知り合い程度であるらしいが。
そんな中、一時は廃墟同然となった集落だが、今後井野村達の住居を建てる予定地なので、彼らは復興へ向け手伝いをしていた。
「しっかし、無茶苦茶にやられたのう」
「死体の埋葬場所がもうないだと」
「暑い・・・・・・」
「誰だって暑いわボケ」
吉本が軽くつっこむ。
「そういやぁ、井野村は?」
岡島が気付く。
「さっきは僕と一緒に建て直しと改修してたんですけどねぇ」
現在三人は休息中。だが、隊長の姿が見当たらない。
「宴会の手伝いでもしてんじゃねぇのか?」
「井野村さんに限ってそういうことは無いでしょう。どっかの大阪人じゃないんですから」
「おのれバカにしおったな?」
「してません」
そんなやりとりが十数分続いた。
一方、井野村はというと・・・・・
「それ、そっちに運んで。そしたらあっちに散らかってる器とか洗っといて。後で使うから」
「分かった」
吉本さん予想的中!本当に手伝いをしていた。厳密には後片付けだが。
片手に一つずつお椀の高層ビルを建設している井野村は、神社の中に入り、小さい井戸から水をくみ上げ一つずつ洗っていく。
数分ですべて終わり、再び霊夢のいる場所へ行く。
「終わったぞ」
「じゃあ、少し休む?やることももう少ないし」
「なら、そうしよう」
そう言って二人は、神社の縁側に腰掛ける。
霊夢は茶を持ってくると言って廊下を歩いていった。
井野村は今後のことを考えつつ、空を見上げる。
しばらく思考の海に沈んでいると、霊夢が戻ってきた。
「はい」
「あぁ、すまん」
井野村は少し熱めの茶を啜る。
(いい葉使ってるな・・・・)
しみじみと感じながら。
霊夢はというと、一緒に持ってきた煎餅をバリバリとそれはおいしそうに食べる。そのとき、井野村はその光景を少し可愛いと思ったのは秘密。(フラグではありません)
そして井野村は残りの茶に目を移し、数秒経つとまた飲みだす。
「・・・・・そういえば、残りの三人はどうしたの?」
霊夢がふと尋ねる。
「おそらく集落の復旧にでも行ってるんだろう。なにか面倒事やらかさなければいいが」
「あんたは行かなくていいの?」
「さっき行ってきた」
「は?」
霊夢意味わからんと言いたげな返答をする。
「少し前まで建て直し手伝ってたんだが、他の連中に『後は任せろ』と言われて変わった。その後も
どこか協力できそうな場所はないかと聞いたんだが、どこも間に合ってるらしい」
「で、いつの間にか現れては片付けしてたってわけね」
「そういうことだ。・・・・・・ところで、あの集落のような場所は場所はなんだ?」
井野村は前々から気になっていた事を聞く。
「あれは人里よ」
「地名は?」
「だから、『人里』だけど」
「人里だけで地名なのか?」
多少驚いてるような確認をする。
「えぇ。ここは人里以外に人はいないもの。・・・・・・・例外もいるけど」
「それは?」
「まず私。もう一人西の方にある館のメイド、それと妖怪の山の神社に現人神が一人いるわ」
「現人神・・・・・・妖怪の山?」
「北に真っ直ぐ飛んでいくとある山よ。今は天狗がいるけど、昔は鬼が支配してたみたい」
井野村は矢継ぎ早に質問を投げかけている。霊夢は次々と答えていく。
(妖怪の山・・・・・機会があれば行ってみるか。天狗と言うものにも興味がある)
彼は実家にあったかなり古い文献を思い出す。それは井野村家が伝承してきた書物で、人間以外の妖怪や幻想上の歴史などが詳細に記された物だ。初めはさすがに空想だと思った井野村だが、この幻想郷に飛ばされた以上、事実と認識するしかなくなった。当然妖怪の山の事も。
ふと現在の時刻が気になった井野村は、腕時計を見る。
PM5:30
気が付けば、もう太陽が遥か西の方角へと傾いていた。
―――Side吉本―――
もう夕日が沈む頃には、大体集落・・・・・いや、その辺のおっちゃんに聞いたら『人里』言うたか。
その修復はあらかた済み、神社へと向かう途中、岡島が言った。
「宴会か・・・・そういえば、妖怪ってどんなもんが来るんだ?」
「ワシもしらんわい。少なくとも凶暴なヤツはおらんやろ」
「だといいがな」
普通やろ?宴会に来るモンはどんなんでもいいヤツや。襲って来たりはせえへん。(まぁ、もしいたらオレが叩きのめすがな)
「あの巨大生物も妖怪なんですかねぇ?」
「さぁな。でも、世の中どんな生き物がいるか分かったもんじゃない。幻想郷ならなおさらな」
岡島がもっともなことを言う。
「まぁまぁ。今日は酒が飲めるんや。楽しまねぇと」
「そうですね」
羽田も言った
そんなやりとりがあった後、オレたちは目的地に着いた。
したら、オレの最初に予想した通り、井野村は神社の縁側でのんきに座っとった。
「井野村ー!手伝い抜け出して何やってんだー!?」
オレより先に岡島が叫ぶ。
オレと羽田は駆け寄る。岡島も一呼吸遅れて付いてくる。
「おい、井野村?」
だが井野村は、なにしてたんやと思うほどにぐっすり寝ていた。器用にも座って腕を組んだまんま。
それから妖怪達が集まりだすまで、そいつは目を覚まさんかった。
―――Side岡島―――
神社の日が沈み始め、少しずつ暗くなりだし、ひぐらしが鳴くころに(アニメにあらず)なると、
あたりに人が現れはじめた。
いや、妖怪か?どんな種族かは分からんが、少しずつグループで来ていた。
それにしても、女ばっかりだな。
そんなとき、井野村が目を覚ました。
「・・・・・もう6時か」
「あ、起きた」
「おい井野村。人里の復旧なんで抜け出したんだ?」
「あぁ、ある程度済んだら、他の者と交代してな。他をあたったんだが、もう手伝いは必要ないと言われて戻ってきた」
「ふ~ん・・・・・・て、うぉ!?」
なるほど、そういうことか。どうりで神社の境内が妙にきれいになってるわけだ。
ん?どうした吉本。
「て、は?」
「あ」
羽田よ。その反応は軽すぎ。黙ってる井野村もアレだが。
「いつの間に集まったんですかねぇ?」
そ。俺たちの目の前には、大勢の妖怪や人間(と思われる)者でにぎわっていた。ただ一つ共通点があるといえば・・・・・・・・全員女・・・・。
「(ヌッ)岡島?」
「うぉ!?吉本か・・・・」
びっくりした・・・・マジで。
するとニタニタしながら吉本が余計な事を言う。
「なんや?目の前にいる女どもにでも見とれとったんか~?ww」
「うるさい・・・・!黙れ・・・・!///」
事実そうだ。だって、想像してみ?目の前にすんげー美人がいたらそりゃ少しは見入るだろ?
え?そんなことない?あぁ、そう・・・・・・・。
そんななか、いつの間にか宴会がスタートしている。
四人が幻想入りし、巨大生物を撃退した夜。
博麗神社では宴会および井野村達の歓迎会が催される事となった。
あの後、紫が伝えるよりも早くに新聞という形で幻想郷じゅうへ伝達された。
宴会は幻想郷ほぼ全ての種族が集まるという。といっても霊夢の知り合い程度であるらしいが。
そんな中、一時は廃墟同然となった集落だが、今後井野村達の住居を建てる予定地なので、彼らは復興へ向け手伝いをしていた。
「しっかし、無茶苦茶にやられたのう」
「死体の埋葬場所がもうないだと」
「暑い・・・・・・」
「誰だって暑いわボケ」
吉本が軽くつっこむ。
「そういやぁ、井野村は?」
岡島が気付く。
「さっきは僕と一緒に建て直しと改修してたんですけどねぇ」
現在三人は休息中。だが、隊長の姿が見当たらない。
「宴会の手伝いでもしてんじゃねぇのか?」
「井野村さんに限ってそういうことは無いでしょう。どっかの大阪人じゃないんですから」
「おのれバカにしおったな?」
「してません」
そんなやりとりが十数分続いた。
一方、井野村はというと・・・・・
「それ、そっちに運んで。そしたらあっちに散らかってる器とか洗っといて。後で使うから」
「分かった」
吉本さん予想的中!本当に手伝いをしていた。厳密には後片付けだが。
片手に一つずつお椀の高層ビルを建設している井野村は、神社の中に入り、小さい井戸から水をくみ上げ一つずつ洗っていく。
数分ですべて終わり、再び霊夢のいる場所へ行く。
「終わったぞ」
「じゃあ、少し休む?やることももう少ないし」
「なら、そうしよう」
そう言って二人は、神社の縁側に腰掛ける。
霊夢は茶を持ってくると言って廊下を歩いていった。
井野村は今後のことを考えつつ、空を見上げる。
しばらく思考の海に沈んでいると、霊夢が戻ってきた。
「はい」
「あぁ、すまん」
井野村は少し熱めの茶を啜る。
(いい葉使ってるな・・・・)
しみじみと感じながら。
霊夢はというと、一緒に持ってきた煎餅をバリバリとそれはおいしそうに食べる。そのとき、井野村はその光景を少し可愛いと思ったのは秘密。(フラグではありません)
そして井野村は残りの茶に目を移し、数秒経つとまた飲みだす。
「・・・・・そういえば、残りの三人はどうしたの?」
霊夢がふと尋ねる。
「おそらく集落の復旧にでも行ってるんだろう。なにか面倒事やらかさなければいいが」
「あんたは行かなくていいの?」
「さっき行ってきた」
「は?」
霊夢意味わからんと言いたげな返答をする。
「少し前まで建て直し手伝ってたんだが、他の連中に『後は任せろ』と言われて変わった。その後も
どこか協力できそうな場所はないかと聞いたんだが、どこも間に合ってるらしい」
「で、いつの間にか現れては片付けしてたってわけね」
「そういうことだ。・・・・・・ところで、あの集落のような場所は場所はなんだ?」
井野村は前々から気になっていた事を聞く。
「あれは人里よ」
「地名は?」
「だから、『人里』だけど」
「人里だけで地名なのか?」
多少驚いてるような確認をする。
「えぇ。ここは人里以外に人はいないもの。・・・・・・・例外もいるけど」
「それは?」
「まず私。もう一人西の方にある館のメイド、それと妖怪の山の神社に現人神が一人いるわ」
「現人神・・・・・・妖怪の山?」
「北に真っ直ぐ飛んでいくとある山よ。今は天狗がいるけど、昔は鬼が支配してたみたい」
井野村は矢継ぎ早に質問を投げかけている。霊夢は次々と答えていく。
(妖怪の山・・・・・機会があれば行ってみるか。天狗と言うものにも興味がある)
彼は実家にあったかなり古い文献を思い出す。それは井野村家が伝承してきた書物で、人間以外の妖怪や幻想上の歴史などが詳細に記された物だ。初めはさすがに空想だと思った井野村だが、この幻想郷に飛ばされた以上、事実と認識するしかなくなった。当然妖怪の山の事も。
ふと現在の時刻が気になった井野村は、腕時計を見る。
PM5:30
気が付けば、もう太陽が遥か西の方角へと傾いていた。
―――Side吉本―――
もう夕日が沈む頃には、大体集落・・・・・いや、その辺のおっちゃんに聞いたら『人里』言うたか。
その修復はあらかた済み、神社へと向かう途中、岡島が言った。
「宴会か・・・・そういえば、妖怪ってどんなもんが来るんだ?」
「ワシもしらんわい。少なくとも凶暴なヤツはおらんやろ」
「だといいがな」
普通やろ?宴会に来るモンはどんなんでもいいヤツや。襲って来たりはせえへん。(まぁ、もしいたらオレが叩きのめすがな)
「あの巨大生物も妖怪なんですかねぇ?」
「さぁな。でも、世の中どんな生き物がいるか分かったもんじゃない。幻想郷ならなおさらな」
岡島がもっともなことを言う。
「まぁまぁ。今日は酒が飲めるんや。楽しまねぇと」
「そうですね」
羽田も言った
そんなやりとりがあった後、オレたちは目的地に着いた。
したら、オレの最初に予想した通り、井野村は神社の縁側でのんきに座っとった。
「井野村ー!手伝い抜け出して何やってんだー!?」
オレより先に岡島が叫ぶ。
オレと羽田は駆け寄る。岡島も一呼吸遅れて付いてくる。
「おい、井野村?」
だが井野村は、なにしてたんやと思うほどにぐっすり寝ていた。器用にも座って腕を組んだまんま。
それから妖怪達が集まりだすまで、そいつは目を覚まさんかった。
―――Side岡島―――
神社の日が沈み始め、少しずつ暗くなりだし、ひぐらしが鳴くころに(アニメにあらず)なると、
あたりに人が現れはじめた。
いや、妖怪か?どんな種族かは分からんが、少しずつグループで来ていた。
それにしても、女ばっかりだな。
そんなとき、井野村が目を覚ました。
「・・・・・もう6時か」
「あ、起きた」
「おい井野村。人里の復旧なんで抜け出したんだ?」
「あぁ、ある程度済んだら、他の者と交代してな。他をあたったんだが、もう手伝いは必要ないと言われて戻ってきた」
「ふ~ん・・・・・・て、うぉ!?」
なるほど、そういうことか。どうりで神社の境内が妙にきれいになってるわけだ。
ん?どうした吉本。
「て、は?」
「あ」
羽田よ。その反応は軽すぎ。黙ってる井野村もアレだが。
「いつの間に集まったんですかねぇ?」
そ。俺たちの目の前には、大勢の妖怪や人間(と思われる)者でにぎわっていた。ただ一つ共通点があるといえば・・・・・・・・全員女・・・・。
「(ヌッ)岡島?」
「うぉ!?吉本か・・・・」
びっくりした・・・・マジで。
するとニタニタしながら吉本が余計な事を言う。
「なんや?目の前にいる女どもにでも見とれとったんか~?ww」
「うるさい・・・・!黙れ・・・・!///」
事実そうだ。だって、想像してみ?目の前にすんげー美人がいたらそりゃ少しは見入るだろ?
え?そんなことない?あぁ、そう・・・・・・・。
そんななか、いつの間にか宴会がスタートしている。