ストレンヂ
誰だ、と判断するより先に青年が口を動かす。誰だか脳がまだ判断していない筈なのに、自分の気味の悪い発言が耳の横でキンキンと響いていた。――アーサー・カークランドとアルフレッド・F・ジョーンズが一緒になると地球は終わる、ねぇ。――二人が一緒にいたら、さしあたり愛し合うと決定的な破滅が起こるなんて規則があるとは到底思えないね。
「アルフレッドだよ、よろしく」
アーサーの耳には、アルフレッドが何時までも業を煮ている自分の代行に来た優秀な人材であることだとか、上司の命令だとかはいつまでも入って来なかった。ただ、いつまでもこちらを睨んでいるアルフレッド・F・ジョーンズを呆けて見ていた。
テレビの画面が巻き戻される。アーサーが死んでいる。