こらぼでほすと 厳命1
「いや、二週間も抜けて悪い。」
マイスターで唯一ナチュラルなロックオンは、やはり重力下に一定時間は身体を置かなければならない。最低二週間が基本だから、ぎりぎりの時間だけ降下する。他は、イノベイドだの超兵だのイノベーター様だのだから、それほど重力に影響されないのだ。この後、フェルトも降下の予定がある。各人、短い時間だけでも地球に滞在して体調を整えるのは決まった事だ。
「俺たち以外には、ニールのダウンは伝えていない。」
「そうなんだ。わかった。兄さんは台風でダウンってことでいいんだな? 」
「ああ、それで頼む。」
「さあて、それじゃあ、夜のお楽しみに突入してもいい? 」
必要な打ち合わせが終わると、ロックオンはくふくふと笑いを漏らす。しばらくは、夫夫離れるのだから愛の交歓はしておきたいところだ。
「毎日、飽きないのか? 」
「二十代っていうのは、一番性欲が増大してる時期なんだぜ? ダーリン。そういう時は、毎日、発散させたほうがいいわけ。」
「おまえ、三十代だろ? 俺は、そこまで餓えてない。」
「まあまあ、搾っておこうよ? 俺がダーリンを忘れないように。」
「・・・・そんなことで忘れられたら楽でいいな。」
「俺の身体が忘れないように、だよ。ダーリンを忘れるわけないだろ? 」
顔を合わせられる夜は、毎度、こんな感じで誘われるので、刹那も付き合うことにしている。ちゃんと綺麗に洗ったから、生で入れてもいいよーん、とかほざくので、乱暴にベッドに叩き込む。そんなことをしたら、後が大変だとわかっているはずなのに、そんなことを言う。
「ゴムを調達してこいよ? ロックオン。こんな調子で使っていたら、すぐに在庫切れする。」
「タバコとゴムは重要だな。・・・・くくくく・・・今日は、どうする? 俺がご奉仕させてもらおうか? 」
「好きにしろ。」
「はぁーいっっ、もう、俺のダーリンは男前っっ。」
上から押しかかられているので体を入れ替えて、ロックオンが覆い被さる。チュッとキスをして、ロックオンの手が刹那の身体を撫で擦る。まあ、よくできた旦那だと、ロックオンも感じている。誘って拒まれることはない。ちゃんと相手をしてくれる。疲れたとか今日はイヤだとか、そういうことがないのは、若い所為なのかイノベーターだからなのか、そこいらはわからないが、ロックオンには楽しい時間だ。
作品名:こらぼでほすと 厳命1 作家名:篠義