二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

こらぼでほすと 厳命1

INDEX|3ページ/4ページ|

次のページ前のページ
 

 憎まれ口を叩き、リジェネはヴェーダの領域内に消える。やれやれ、と、ティエリアも苦笑しつつ、自分も素体に意識を戻す。


 ヴェーダには、アレルヤも陣取っている。素体に意識を戻したら、アレルヤが目の前に居た。こちらも、作業の補助をしている。
「リジェネにも伝えた。刹那のほうは? 」
「連絡はしておいた。反応はなかったけど・・・」
「あいつも解っていたから、慌てはしないだろう。まずは、ダブルオーを完成させなければ、ニールを目覚めさせることはできない。」
「そうだね。来週、キラたちが上がってくるまでは、僕らも動けない。」
 ヴェーダを連邦に委ねるにあたって、全てを公開するつもりはなかった。イノベイドの素体を製作している部分や、新しいMSの開発をしているドックなどは隠蔽しておく。そのための作業をしている。それが終わらなければ、刹那のほうは手伝えない。ドックにはイアンから送られて来た新しい設計理論を基にしたMSを建造している。これは、さすがに連邦には渡せない。他にも秘匿レベルが最高値の情報も、それに該当している。それらを隠蔽するために、アレルヤとティエリアでヴェーダを動かしているのだ。
「俺たちが手伝わなくても、イアン・バスティたちメカニックが総力を挙げてフォローしている。こちらの作業が優先だ。」
「うん、わかってる。・・・ところで、リジェネはどうだった? 」
 リジェネとの会話は、アレルヤも後でティエリアから報告されていた。すっかり、おかんに甘えていたのは知っている。
「ハレルヤの予想通りの反応だ。・・・・ヴェーダとのリンクを一時断絶させて、ニールの傍に居座るつもりだそうだ。」
 ああ、やっぱりね、と、アレルヤもおかしそうに肩を震わせる。こちらが動けない現在、リジェネがニールの傍に居座ってくれるのは有り難い。
「それなら嬉しい。・・・・もう少しで、ダブルオーも完成する。そうすれば、僕らも降りられる。」
「ああ、旅に出る時に、少しあちらに立ち寄って、ニールに小言をくれてやらないと気が済まない。・・・どうして、ああなんだ? あの人は。」
 もちろん、ティエリアも怒っているのだ。ただ、怒鳴りたいのはリジェネではなかったから、冷静だった。
「しょうがいなよ。ニールは、そういう人だもん。」
 アレルヤは怒らないが、ハレルヤが怒るだろうから、お任せだ。がんがん怒鳴っても、多分、ニールは苦笑して謝るぐらいしかしてくれないのも了承済みだ。でも、いいのだ。もうすぐ、こんな事態は起きなくなる。




 組織のドックには、アレルヤから通信が届いていた。刹那限定のものだから、他の人間には漏れていない。まあ、よく保ったな、と、刹那も感想を呟くぐらいのことだ。現在、急ピッチで、ダブルオーの調整をやっているが、人間なので休息も必要だ。一応、決められた休息時間というものはあって、その時は、刹那も自室に戻って眠っている。そうしないと、イアンやスメラギが怒鳴り込んできて、強制的に自室へ引き摺られて叩き込まれるからだ。
 そちらには、ロックオンも一緒に起居している。夫夫なので同じ部屋を貰ったからだ。一応、ロックオンも個室はあるが、そちらに戻ることは、ほとんどない。食事して自室に戻ったら、ロックオンも戻っていた。
「ロックオン、ニールはダウンしている。しばらく、本宅で看護されているから、カタロンへ先に行け。」
「・・・え? 」
 で、いきなり本題に入るのが、ロックオンの亭主というものだ。前置きとか挨拶なんてものはない。おかえりのチュウをロックオンが仕掛けようとしたら、爆弾発言だ。
「再生槽に入ったそうだから、二週間ぐらいは出て来れないだろう。」
「はあ? 再生槽っっ? え? ちょっちょっと待て、ダーリン。それって、兄さんはヤバイんじゃないのか? 」
「細胞異常が悪化した。とりあえず、悪化した部分を再生している。もし、深刻な部分が支障を来たした場合は、そのまま冷凍保存することに最初から決まっている。そう、教えたはずだが? 」
 ロックオンも、兄の症状については説明されている。医療ポッドではなくて再生槽に叩き込まれるというのは、そういうことだと理解しているが、それでもパニックにはなる。再生槽ということは、身体のどこかが完全に壊れたことを意味しているからだ。
「あ、だって・・・兄さんは・・」
「どちらにせよ、トランザムバーストをするなら宇宙でやるしかない。今のニールには宇宙に上がるのは無理だから、冷凍処理する予定だっただろ? 」
「・・・うん・・・・」
「一度は、再生槽から出す手筈だから、顔は合わせておけ。」
「・・・はい・・・・」
「死なせないから安心しろ。」
「・・・うん・・・」
 それでも、ロックオンには怖いらしい。うりゅと涙目で、刹那を見ている。まあ、ロックオンは、ニールがダウンしているのは、ほとんど見ていないのだから、元気そうにしていると思っていたのだろう。ニールの真似をして、ロックオンを抱き締めてやるぐらいのことは、刹那にもできるようになった。
「大丈夫だ。すぐに、治療できる。」
「・・・うん・・・・」
 六個も年上の姉さん女房だが、元来があほっ子なので、甘えさせてもらうより甘えさせている状態だ。
「カタロンのほうへ予定変更の連絡をしておけ。クラウスは、移動が激しいんだろ? 」
「・・・うん・・・それなら中東じゃなくて、AEUに居るかもしれないな。」
 元々、カタロンのエージェントだったロックオンは、そちらにセフレがいる。地上降下したら、カタロンのほうにも顔を出す予定をしていたので、セフレと逢う予定だった。セフレとしてたけではなくて、カタロンの幹部として情報交換する目的もあってのことだ。
「交換する情報については、ティエリアがデータを製作している。データチップを用意してくれる。それを持って行け。」
「他に用事はないか? 刹那。」
「これといってはない。・・・ああ、そうだ。おかんが起きていたら、大人しくしていろと伝えてくれ。」
「りょーかい。」
「あと、差し入れのお菓子は美味かった、だ。」
「はいはい。」
「それから、動き回ろうとしたら殴れ。」
「はい? 」
「もう、普通の生活も支障が出る段階なんだ。差し入れのお菓子を用意するとか言い出したら、容赦なく殴ってベッドに叩き込め。いいな? ロックオン。」
「う、うん。でもさ・・・それぐらいのことはさせてやったら? 兄さんにしたら、刹那がおいしいって言ったら嬉しいだろうしさ。」
 差し入れがおいしかった、という感想を届ければ、どうなるか予想できる。それなら、また持って行け、と、作るに違いない。そんなことをして、また悪化させられるのは、刹那にしてもたまったもんじゃないのだが、ロックオンの言うことも一理ある。
「おまえ、手伝えるか? 」
「あー、まあ、なんとかなると思う。」
「それなら、作らせてもいいが、体調が悪そうだったら阻止しろ。」
「うん、わかった。ドクターに相談してみる。」
 届けられるお菓子が嬉しいのは、刹那だってそうなのだ。ただ、具合が悪いのに無理させたいとは思わない。もし、できるようなら、ということにした。
「すまないな、ロックオン。二週間しか時間が作れなくて。」
作品名:こらぼでほすと 厳命1 作家名:篠義