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こらぼでほすと 厳命2

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「そういや、お兄さんのご主人とは、ほとんど会わなかったな。」
「途中で挨拶しただろ? 」
「あれだけだ。あの後のプールにはいらっしゃらなかった。」
「そういえば、そうだったか。でも、うちの兄さんが留守すると不機嫌でさ。もう離したくないって感じだぜ? うちのダーリンなんか、『クラウスによろしく。』だぜ? ちょっとくらいジェラシー感じて欲しいのに。」
「はははは・・・きみのダーリンの器が大きいだけだ。・・・さて、そろそろ二回戦をやりたいんだが? 」
 カロリンとグラスの中の氷を鳴らして、クラウスが口元を緩める。どちらも翌朝から別の予定がある。ゆっくりと顔を合わせられるのは、次はいつかわからない。だから、時間は有効に使わない、と、付け足すと立ち上がる。
「なんだよ、シーリンと時間がないのか? 」
「ああ、そういうところだ。」
「スキンシップも大切だと思うんだけどなあ。」
 くふふふ・・と笑いつつ、ロックオンも立ち上がる。疲労困憊するようなスポーツはやりたくないが、こういうスポーツはロックオンも好きだから拒まない。

・・・・これからは、逢うこともないだろうしなあ・・・・


 クラウスが大統領補佐官なんぞになったら、世界を飛び廻ることになる。カタロンに在籍していた時ですら、あっちこっちの支部へと移動していたのだ。今度は、もっと忙しい。そうなると、ロックオンと逢えるのは年に一度もあれば、いいところだ。
 世界を恒久的な平和に導くには時間がかかる。表からはクラウスが、裏からはロックオンたちが、それに従事する。組織に骨を埋める覚悟はしたから、クラウスとのセフレ関係も解消になるのは、自明の理というものだ。


・・・・もう、俺をライルと呼ぶのは、あんたと兄さんだけだな・・・・


 これからは、ロックオン・ストラトスが通り名だ。ライル・ディランディは、アニューの墓に一緒に眠っている。組織でも、それで統一してくれるように頼んであるし、『吉祥富貴』でも、そうしてもらうつもりだ。たまに、ライルに戻れる場所として、兄の存在は有り難い。クラウスとは、これきりだろうと身体の力を抜いた。
作品名:こらぼでほすと 厳命2 作家名:篠義