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幻の空に月に輝く8・修行の章・【名門の肩書きは面倒だ】

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「取り入った所で面倒だ。俺は俺の好きなものを作る。それだけだ」
 というわけで、ネジが日向であろうとなかろうと、私にはまったく関係ありません。
 そう言い切れば、ネジの表情が何とも言えないとばかりに歪んだ。
 
 ……周りに碌な大人がいないのか?

 そんな疑問が沸くには十分なネジの反応に、私はどうしたものかと一瞬頭を悩ませるが、あっさりと結論を出す。
 悩んだ所で答えは同じだ。

「アンタが気に入れば俺の所にくればいい。俺もアンタを気に入れば作るさ」

「………」

 ぶっちゃけ、友達になりゃ無料で作るって言ってるようなものだけど。

「はは。変な奴だな」

 お腹をかかえて笑いを漏らすネジに、言われた言葉は引っかかるものの笑わせておく。
 何ていうかさ…久しぶりに笑ったって顔……。

「アンタに言われたくはないが……俺は夜月ランセイ。自己紹介がまだだったな」

「あぁ…俺は日向ネジだ」

「そうか。今から作るか?」

 自己紹介は終了。
 クナイが一本で足りるわけがない。
 というわけで聞いてみれば、やっぱりネジは笑ってた。

「ま…マイペースな奴だな」

 最近それをよく言われるんだけどさ。
 木の葉の住人にはあんまり言われたくないような気がするんだけど、気のせいかなぁ…。
 まぁ、子供を忘れた子供が年相応で笑ってくれたらいいんだけどね。