図書館戦争 堂x郁 郁記憶喪失(堂上視点)
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堂上の腕の中で郁が寝っている
手加減できなかったからな・・・まぁ〜今日は館内業務だから大丈夫だろう・・
顔にかかる郁の髪の毛を払い、形のいい額にキスを落す
郁はんっ〜と言って堂上の胸板に顔を擦り付ける
クリスマスイブと言っても、平日だったことからいつも利用しているシティホテルは空部屋があった
サンタからのプレゼントか?
堂上はスヤスヤと眠る郁の寝顔を見ながら、幸せを噛みしめていた
時計を見ると、5時を少し回っていた
そろそろ郁を起こさないと、業務に間に合わない
堂上は優しく額、目、頬とキスを落しながら「郁?いーく?」と声を掛け起こす
郁はくすぐったそうに身体を動かすと、薄らと目を開けた
「・・おはようございます」少し枯れた声で堂上に挨拶する
「おはよ」と言って、堂上は郁の唇にキスをする
「そろそろ起きないと間に合わなくなるぞ?」
「え?もうそんな時間ですか?」郁はリネンを巻き付け起き上がり
「シャワー先に使っていいですか?」と問いかける
「ああ。先に使え」と言って堂上も上半身を起こすと、郁はパタパタと脱衣所に向かって行った
二人の用意が済み、部屋を出る時、郁が堂上の袖を引っ張った
「郁?」
「あの・・・堂上教官・・・その・・・クリスマスプレゼントもらえますか?」
「何が欲しいんだ?」
「えっと・・・言葉が欲しいです・・・普段・・その・・ベットの中では聴けるんですけど・・・」
一瞬何のことだ?と考えたあと、はっ!と気付いた
郁は器用な上目遣いで「・・ダメですか?」と聞いてくる
ダメではないのだが・・・普段口べたの為、小牧のように女性を喜ばす言葉をサラリと口に出来ない
郁は「・・ごめんなさい・・時間無いですよね?帰りましょ?」と言って堂上の袖から手を離した
堂上は郁を抱きしめ、耳元で「郁、愛してる」と囁くと「嬉しいです・・」と言って堂上の背中をギューと抱きしめた
「郁、俺もクリスマスプレゼントが欲しい」
そう堂上が言うと、「何がいいですか?」と郁が堂上の顔を見上げてきた
「郁、プライベートでは名前で呼んでくれ・・・」と言うと、郁は茹でたこのように真っ赤な顔になり「努力します・・///」と答えた
*
怒涛のプロポーズから一夜明け、特殊部隊事務室に行くと小牧や手塚、他の隊員達が机に突っ伏していた
「どうしたんだ?」
堂上が小牧に声を掛けると「寝不足・・・朝まで呑んでたんだよ」と答える
なぜ?と郁と目を合わし首を傾げていると、進藤が近づいてきた
「お前ら二人の婚約を祝して、昨日呑みに行ったんだよ」
俺なんて、深夜の呼び出しだぜ?と言って堂上の肩を叩く
小牧は「俺は毬絵ちゃんを自宅に送ってから合流・・・流石に眠い」と言って目を閉じていた
今日一日は弄られずに済みそうだ・・
堂上と郁は顔を見合わせ、クスッと笑うと
「皆さんの分のコーヒー淹れてきますね!」
「お前一人じゃ無理だろう。俺も手伝う」と言って給湯室へ二人歩いて行った
end
作品名:図書館戦争 堂x郁 郁記憶喪失(堂上視点) 作家名:jyoshico