二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

IS  バニシングトルーパー α 001

INDEX|7ページ/7ページ|

前のページ
 

 もはや敵も味方もない。圧倒的な強さを持って、所属不明ISはただ破壊と殺戮を繰り返して、爆炎と悲鳴を広げる。

 「無線誘導攻撃端末はまだイギリスが開発中じゃなかったのかよ!」
 「さあな。とにかく所属不明ISを確認した。これより排除行動に入る。光学迷彩システム解除、全機、起動せよ」
 「了解!」
 所属不明のISが現れた時点で、遠くにいる観測者たちは傍観を止めた。

 年長男の指示と共に一斉に回転し始めたモータが、低い音で共鳴した。何もない暗闇の中から十機以上もの機影が一斉に姿を現す。
 長くて鋭いアンテナを二本持つことが特徴で、V字ゴーグル型のセンサーが赤い光を放つ。
 部隊の先頭に立つのは、濃い髭を蓄えたリーダー格の四十代男性一人。既に機体を起動した部下たちと違って、彼は跪いた黒い機体の前に立ち、赤い液体の入った注射器を筋肉質な腕に当てた。 

 「当時時間19:46:32。“イグニッション”、注射開始」
 独り言のような呟きと共に、赤い液体が彼の体内に流れ込む。やがてその中身が空になった後、彼は使用済みの注射器を大事そうに仕舞って、その黒い機体の装着位置に座った。
 すると、黒い機体はまるで意識があるように、勝手に男の体を包んでいく。

 今から彼らはその所属不明のISと戦う。だがPTのみの部隊ではさすがに厳しい。
 圧倒的な物量差がある場合を除けば、ISと互角に戦えるのはあくまでISのみ。

 「ゲシュペンストMK-II、コンディション・オールグリーン、起動完了」
 数秒の時間で男は愛機の起動シーケンスを完了させて、鋼の巨人と化した。
 ほぼ全身を覆う黒い装甲は外見的に部下たちのPTとほぼ同じだが、彼の機体だけが違う雰囲気を放っている。バレルのやや長い銃を持ち上げて、彼は振り返って部下たちを一通り見回った後、指を振って指示を出す。

 「クライ・ウルブズ、全機発進!」




 次回予告

 「あなたはもう少しわたくしに優しくすべきです」

 「少々予想外ではあるが、まだ想定の範囲内だ」 

 「逃げろ! セシリア!!」

 「恐れることはない。君はそれを誰よりも上手く扱えるはずだ」