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十七物語

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その男は背が高く、痩せて猫背だった。
線の細く柔らかな髪を肩まで垂らし、ワックスなどで整えたりしなかったが、不思議と漂う清潔感があった。
まるで眠ることが趣味であるかのように、彼は休み時間も授業中も自分の席で眠っていた。
運動神経はいい方。勉強はあまり出来ないし、やろうとしない。
初対面の者は彼に対してどことなく取っつきにくい印象を覚えるが、話すと実は気さくな奴で、持ち前のルックスとその性格のおかげで、異性だけでなく同性からも好かれていた。



女は飛び抜けて明るい性格だった。
明朗快活、竹を割ったようにさっぱりとした性格で、男女問わず友達が多く、いつもクラスの中心にいた。
まるで元気な少年のよう。彼女がそんな風に育ったのは、男ばかりに囲まれて育った幼少期が原因なのだが、さすがに高校生ともなると体つきには女らしさが匂い出してきた。
そうなると、誰彼構わず積極的にスキンシップをはかる彼女の性質は、天然ジゴレットと言わんばかり。彼女自身は全くその気のないボディタッチに、勘違いしてしまうクラスの男子が続出した。
男子たちは彼女の気を引きたくて、なにかにつけて彼女をからかったり軽口を叩いたりしたし、彼女もそれに対して、誰にでも分け隔てなく接していた。
にも関わらず、男子たちは皆、確信していた。
「彼女が本当に好きなのは、自分に違いない」
と。



そんな二人が出会ったのは、高校二年の教室だった。

作品名:十七物語 作家名:sting