Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998
「くそ・・・ミサイルが尽きたか・・・」
マイは絶望的な状況に置かれていた。
ビグ・ラングの胴体に張り付く戦車級のせいで帰還しようにも出来ないからだ。
「かくなる上は自爆しかないか・・・・・」
マイが決意したその時
『マイさん!』
「!??」
ザンジバルにいる唯依から通信がきた。
「マイさん!なんでです!なぜ自分から死にに行っているんですか!」
涙目になりながら必死に訴える唯依
「お願いです!早くザンジバルに合流してください!」
『・・・篁中尉。それは無理な相談だ』
「なぜですか!マイさん!」
『私一人のために数万の将兵を巻き込む必要はない。それに私は元からこの世界にいるべき人じゃないからだ』
「ッ!」
『そういうことだ。さようなら、唯依ちゃん。いい女の子になるんだよ?』
そう言うとマイは通信を一方的に切った。
「・・・エンジンブロー!進路、東京!」
「ッ!沙霧大尉!マイ大佐を待ってください!」
沙霧に泣きすがる唯依。
「・・・・・ザンジバル、発進!」
「お願いよぉぉぉぉおっ!」
ザンジバルの艦橋には唯依の泣き声の混じった絶叫が響いた。
その後、帝都は艦砲射撃とビグ・ラングの大爆発により、廃墟と化した。
マイ大佐は己の命と引き換えに幾億もの人命を助けたのだ。
ビグ・ラングから脱出するMS-06に似た機体を見たと言う衛士もいたが、その後、オリヴァー・マイ大佐を見た者はいない。
1998.6.31 帝都 陥落
7.1 MMS-08C 評価試験終了
オリヴァー・マイ大佐 帰還せず
デメジエール・ソンネン少佐 戦死
そして3年の月日が過ぎた・・・
作品名:Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998 作家名:mkmk0829