Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998
同日 遠田技研MS開発部
「・・・・・はぁ」
ため息をつく彼女は神宮寺凉。
遠田技研の専属パイロットである。
三年前まで前線で戦術機乗りとして活躍していたものの、時代はMS主力となっていく中で体のいい形で退役し、遠田技研に拾われた経歴がある。
「でもなんで私がまた戦場に出ないといけないかなぁ・・・」
そもそも彼女はパイロットになりたくて軍人になったわけではない。
小さな頃から機械を弄るのが好きで、技術将校になりたくて軍人になったのである。
その点では異母妹の"神宮寺まりも"とは違うと言えるだろう。
「まぁ、仕方ないよね・・・そういうご時世なんだもん・・・」
それにしても嘆いてばかりの彼女であった。
1998.1.16 山口 日本帝国軍岩国基地
僕は試作MS「迅霊弐型」の評価視察のためにここ、岩国基地に来ている。
この岩国基地には「光州作戦」に参加する第7MS機動大隊が明後日に迫った朝鮮半島南部への派兵の為に駐留している。
「それにしても寒いな・・・」
季節は冬。雪が降り、北風が強く吹き付ける。
コロニー育ちの自分にはいつまでたっても地球の気候は慣れられずにいた。
とその時、遠田技研の大型輸送機が滑走路に降り立った。
作品名:Muv-Luv MSigloo 2 黙示録1998 作家名:mkmk0829