機動戦士ガンダムRS プロローグ編1
『RSD』では開戦直後後に「血のバレンタイン事件」とされる艦隊戦で地球連合軍旗艦「ルーズベルト」に秘密裏に持ち込まれたMk5を装備したMAメビウスがスウィート・ウォーターを破壊して以降コロニー軍が報復も兼ねて地球圏全域に散布した「ニュートロンジャマー」によりMk5は他の核兵器及び核動力、原子力発電(核分裂炉)共々使用不能となった。
しかし地球軍が開発した「ニュートロンジャマーキャンセラー」が実用化され、大戦末期の地球連合艦隊において最強の打撃力として復活を果たしたが核攻撃部隊「ピースメーカー」の壊滅により頓挫する。
『RSD』では、グリーン・ノア1戦役開戦と同時に行われた艦隊戦においてマルチランチャーパックを装備したMSウィンダムを要する核攻撃部隊「クルセイダーズ」がルナツーへの核飽和攻撃を緩行するがコロニー軍は放射性標識の描かれたマルチランチャーパックを光学観測により発見すると予め待機していた新兵器「コロニーレーザー」をMk5及び「クルセイダーズ」のいる宙域に向け照射した。
すでに発射されていたMk5のみならず母艦に保管されていたすべての核弾頭が迎撃されその結果「クルセイダーズ」は、殲滅の憂き目に会い作戦は失敗に終わる。
その後は、本編に一切登場しない。
サイクロプス
元々は、月面のエンデュミオン・クレーターのレアメタル採掘用の器材として設置されレアメタルの混ざった氷を融解させるための装置であったがアラスカ基地の自爆装置として秘密裏に設置していた。
サイクロプスの装置自体は、マイクロ波発生用装置である多数の大型パラボラアンテナを敷き詰めたもので「サイクロプス」(一つ目の巨人)という名前はこのパラボラアンテナを巨大な瞳に見立てたものである。
サイクロプス自体の原理は、非常に単純であり電子レンジなどに使われているマイクロ波を放射し更にはマイクロ波の強度を増加させ周囲一帯にマイクロ波加熱を生じさせるというものである。
人間を始めとする生物の身体の殆どは、60%前後が水分で構成されている為起動されたサイクロプスの有効範囲内にいる生物は体内にある水分が急激に加熱・沸騰させられ更に水蒸気が全身の皮膚を突き破って爆発し最終的には破裂死に至らしめられる事となる。
加熱する水が無いとしてもある程度は、加熱され大気中水蒸気の輻射熱も発生する為搭載している燃料や弾薬が加熱されれば(もし水分が混入していればさらに激しく加熱される)誘爆を起こしMS等の様な兵器を破壊する事も可能である。
更に機器そのものや設置された設備や構造物等に対してもそれ自体への効果は低いものの加熱された輻射熱によって確実に破壊する事が可能である。
最終的には発振地中心から爆発が生じ、周囲一帯を焼き尽くしてしまう。
サイクロプスのマイクロ波によって焼き尽くされた対象地点は、一見不毛の地に見えてしまうものの放射能による汚染は無く環境へのダメージもゼロではないが最小限に留められる。
またマイクロ波は電波の一種である為本来ならばニュートロンジャマーによって妨害を受けてしまうが皮肉な事にもニュートロンジャマーによるマイクロ波の妨害機能は、サイクロプスの効果を狭い範囲で限定的に使用する事が可能になり最終的にサイクロプスはニュートロンジャマーの効果によって逆に使いやすい自爆システムへと発展する事となってしまったのである。
ジェネシス
正式名は、(Gamma Emission by Nuclear Explosion Stimulate Inducing System=GENESIS)である。
核エネルギーを使用した巨大なガンマ線レーザー砲である。
地球軍の最終兵器である。
元々は、地球軍におけるソーラーセイル研究の過程で作り出されたもので外宇宙探索の為の宇宙船加速装置として開発が進められていた。
基礎建造物の着工は戦前になされていたが戦争の激化に伴い相応の改修を経て戦略兵器として転用される運びとなった。
兵器への改修についても前述の理由から開戦後の急速な竣工を可能としていた。
普段は、ミラージュコロイドで姿を隠し実際に発砲がおこなわれるまでコロニー軍側には全く悟られていなかった。
二次反射ミラーを備えた円盤状の本体と尖塔状の一次反射ミラーで構成され起動時には、ミラージュコロイドを解除しPS装甲を展開する。
通常PS装甲は、ビームなど高エネルギー兵器にはほぼ無力だがジェネシスはその超広大な装甲面積によりエネルギー許容量がMSのそれより遥かに高いためラミネート装甲のようにエネルギーを拡散・無効化することができ陽電子砲ですら破壊は不可能となっている。
ミラージュコロイド、PS装甲、核動力など当時の最高レベルの軍事技術の結晶とも呼べる兵器である。
ガンマ線は、非常に透過性の高い放射線かつ非常に高エネルギーの電磁波のためジェネシスほど高出力のレーザーの場合は核シェルターなどでも事実上防御不能である。
なおガンマ線は、不可視光線であるためジェネシスのレーザーそのものを目視することは出来ずレーザーのエネルギーによって超高温に加熱された星間ガスやスペースデブリが発光することで「光の渦」としてレーザーが見える。
サオトメによれば地球にジェネシスが着弾した場合その影響は、単に射線上や周辺のみならず気象変動等の影響で全生命体の80%以上が死滅するという隕石衝突クラスの全地球的な被害がもたらされる結果が導き出されている。
ジェネシスの発射シークエンスは、
1.本体内部でNジャマーキャンセラーによって使用可能となった原子爆弾を爆発させ発生したガンマ線をレーザー光に変換し一次反射ミラーに照射する。
2.一次反射ミラーでガンマ線レーザーを拡散し増幅させ本体に設置された二次反射ミラーに照射する。
3.増幅されたガンマ線レーザーの焦点と照準を二次反射ミラーで調整しエネルギーを集中させ目標に向けて発射する。
となっており発射後は、一次反射ミラーがガンマ線レーザーにさらされて破損するため次弾発射には一次反射ミラーを交換する必要がある。
コロニー軍が地球軍の軍事拠点ボアズに進攻した際にソーラ・システムを使用したためパトリック・ザラの意志によりヤキン・ドゥーエ攻防戦で使用された。
1射目は、ガンダムマッドネスの妨害で失敗し2射目はガンダムエルフの妨害で失敗し3射目はコロニー連邦共和国の首都があるサイド3に狙いを定めるが発射前に原子爆弾を取り出されさらに内部を破壊されジェネシスは崩壊しコロニーへの着弾は阻止された。
コロニー連邦共和国軍
ガウ
機体解説
ガウ (GAW)とは、機動戦士ガンダムRSに登場する架空の空中揚陸艦である。
コロニー連邦共和国が開発した大気圏内用大型輸送機/空中揚陸艦である。
なお無限の航続距離がある。
だがコロニー内のシミュレーションのみで設計された機体であったため揚力だけで飛行を支えるのは、不可能であり全速航行時でも下方ジェット噴射に全推力の3割を回していたと言う。
陸上での長距離移動能力に乏しいMMならびに歩兵部隊を運用するために開発されMMを胴体部に3機搭載可能であり歩兵部隊であれば1機に対して約1個連隊を輸送することが可能である。
作品名:機動戦士ガンダムRS プロローグ編1 作家名:久世秀一