こらぼでほすと 厳命7
「うん、だから、ティエリアたちと一緒に移動する。MSは、近くの資源衛星に降下させる。帰りも送ってくれるなら無問題。」
「いいだろう。そういうことなら、手伝ってくれ。二機のエンジン調整が、かなり微妙な代物なんだ。それと、操縦性能を向上させるプログラムを頼みたい。」
「了解。刹那のクセは解るから、そっちは任せて。」
何年かフリーダムを貸していたので、刹那仕様にフリーダムもシステムを調整していたし、キラは刹那と模擬戦もやっている。微妙な刹那のクセも把握しているからの、ティエリアからのリクエストだ。
「ティエリア、八戒からメールで、ママニャンの体調は漢方薬でカバーできるってさ。だから、焦ることはないぜ。」
ニールの体調の問題については、八戒から連絡が入った。漢方薬オンリーの治療に切り替えて細胞異常を抑え込める目処はついたとのことだ。
「俺のほうにも連絡があった。だが、ハイネ、どちらにせよ、ニールの体調は早く安定させたい。そうでないと、刹那が落着かない。」
実際は、ティエリアも心配で気になるから、早くなんとかしたいのだが、ツンデレが標準装備の紫猫は、黒猫の所為にして急がせる。
「そういうことにしておいてやるよ。・・・じゃあ、取り掛かろう。アスランとアレハレたちのほうは、もう始めてるぞ。」
アスランとアレルヤたちは、隠蔽するファクトリーや他の施設のチェックに向かっている。連邦に知られてはマズイ施設は目に触れないように土木作業までして隠している。それらが完全かどうかの確認作業だ。これも広いヴェーダの何箇所にも及ぶから数日はかかる。
「僕のほうからインストールするよ? ティエリア。それが、終わったら、きみのほうをやってマッチング。」
「了解だ。インストール自体も時間がかかるから、他の作業も併行する。」
システムの調整だけではない。セキュリティー関連やリンク関連もあるから、インストールだけでも数日かかる。それらをやりながら、他の部分も同時進行させる。予定では十日後には連邦が本格的な技術者集団を送り込んでくる。
それまでに表向きのヴェーダを完成させる必要があるから、時間との戦いだ。
「ハイネ、きみは、表のシステムを走査してくれ。そちらから、こちらに入れなければ問題はない。」
「了解。インストール中は? 」
「インストール中に表の走査をして欲しいんだ。ある程度は、俺が作ったシステムを載せてある。それが完全か、どうかの確認からだ。」
「なるほど、じゃあ始めるか。」
十日間で、ヴェーダの表と裏を完全に分ける。これで、連邦が接収してもヴェーダの深層は隠せるはずだ。
作品名:こらぼでほすと 厳命7 作家名:篠義