機動戦士ガンダムRS 第1話 偽りの平和
『G』の搬入作業も行えません。
それにX-105とX-303の最終確認が終わってません。
さらにOSが不完全で調整する時間がほしいとパイロットから言われてます」
ミゲルは、少し考えた。
「俺が敵の注意をひきつける。
その間にOSの調整と搬入を急げ」
彼は、自分専用のオレンジの「ジン」に乗り込んだ。
※
キラ達は、その大きな音で異常を感じていた。
「何?
何なの?」
ミリアリアが不安な声を上げた。
サイは、非常用扉をあけた。
そこには、階段を上る人々であふれていた。
彼らに何が起きているのか聞いた。
「コロニー軍に攻撃されてる。
ヘリオポリス内にマン・マシーンが入ってきてるんだよ。
君達も速く避難したほうがいい」
キラ達は、驚いている。
すると客人があらぬ方向に走っていった。
キラは、その後を追いかけた。
キラは、客人に追いつくと腕をつかんだ。
「何してるんだよ?
そっち行ったって」
全てを言い終わる前に客人がしゃべった。
「何でついてくる?
そっちこそ早く逃げろ」
その直後今来た道の天井が崩落しふさがれた。
その風で客人の帽子が飛ばされた。
「女・・・・の子」
キラは、あっけにとられていた。
「何だと思っていたんだ、今まで?」
キラは、客人に怒られた。
「いや、だって」
さらに来た道の崩壊は進んでしまいもう通ることは、難しくなってしまった。
「いいから行け!
私には、確かめねばならないことがある」
キラは、安全そうな道を選んで彼女の腕をつかんで逃げた。
「放せ!
このバカ」
少女は、道中不安な顔をした。
「大丈夫だって!
助かるから。
工場区に行けばまだ避難シェルターがあるから」
キラは、少女を励ました。
※
外に出たサイ達は、モビルスーツとマン・マシーンの戦闘を目撃した。
脚部を破壊され倒れたジンにユーピテルが近づく。
接近用のランサーをジンに串刺した。
ユーピテルは、ジンのオイルを浴びた。
まるで敵の返り血を浴びたようである。
※
キラ達は、工場区へとたどり着いた。
そこには、人型機動兵器が2機あった。
少女は、地面にひざまずいた。
「やっぱり。
新型機動兵器は、条約を破って難民コロニー内で開発されていたんだ。
お父様の裏切り者!」
キラは、再び少女の腕をつかんだ。
「ないてちゃだめだ!
ほら走って!」
キラは、少女を連れて走った。
彼らは、シェルターを見つけた。
「ほら。
ここに避難してる人がいる」
キラは、中の状況を聞いた。
シェルターの中には、水も食料もない。
これは、このシェルターそのものが地球に帰るための脱出用ポッドになるためである。
そのため定員があるのだ。
「まだ誰かいるのか?」
答えたのは、男性だった。
「はい。
僕と友達もお願いします」
びっくりしたのは、明白だった。
「2人?
2人は、無理だ。
左ブロックに37シェルターがあるが行けるか?」
キラは、その方向を見た。
とても行けそうには、無い。
「なら友達の方をお願いします」
少しの間があった。
「わかった。
すまん」
男性からの回答があって直後にシェルターが開いた。
「入って!」
キラは、少し強引に彼女をシェルターに入れた。
「僕は、向こうへ行く。
大丈夫だから」
キラは、シェルターの扉を閉じた。
向こうといってもまだあいているシェルターがあるのだろうか。
キラは、37シェルターに向かおうとして建物の中に入っていった。
途中で軍服の少年がキラに気づいた。
「おいお前!
どこへ行く?」
キラは、その声の主に答えた。
「左ブロックのシェルターに行きます。
お構いなく」
少年は、ほっとした顔になった。
「あそこは、もうドアしかない。
お前俺が気が気がつかなかったらくたびれもうけだったぞ」
その直後屋根が崩れてきた。
その中に異常な物体がある。
シールドを装備したオレンジの人の腕をしたとても大きな破片が落ちてきている。
キラは、その大きな破片からめが離せなくなっている。
「危ない!」
少年がキラを押した。
キラの後ろでは、大きな音がしている。
ようやく落ち着いたと思って立ったが少年の姿が無い。
「ラスティー!」
大きな声が聞こえたのでキラは、その方向を向いた。
少年が走ってきた。
少年の見ている方向には、瓦礫の隙間から血が流れていた。
「アスラン?」
その声に少年は、振り返った。
「キラ?」
少年達の周りの時間が止まったような感じである。
作品名:機動戦士ガンダムRS 第1話 偽りの平和 作家名:久世秀一