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ストライクウィッチーズss集vol.2

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1928年2月13日生まれ。原隊、リベリオン合衆国第8航空軍。1944年、第501統合戦闘航空団ストライクウィッチーズに転属となる。軍に入る以前はリベリオン合衆国にて数々のスピードレースに参加、ボンネビル・フラッツにおけるレースでチャンピオンの座に輝く。二つ名は『グラマラス・シャーリー』。最終階級は…何、資料が破れていて読めん…。仕方ないか。
しかし…よっぽどのスピード狂だったんだな。どこまでもスピードを求め、501に配属されてからもその姿勢を頑なに崩さず1944年8月、レシプロストライカーで初めて音速を突破したとあるな。まあ、これは公式記録ではないようだが。
だがレシプロストライカーで音速突破か。今や主流となったジェットストライカーなら当たり前だが、レシプロストライカーでは諸々の影響で普通800km/hくらいで速度は頭打ちになるはずだ。
彼女の固有魔法『超加速』によるものなんだろうか?

ジョージ「……少し話を聞いてみるか」

思い立った俺はクレアに相談しに行くことにした。

ジョージ「クレア」

クレア「あらジョージ。何か困った事でもあった?」

ジョージ「シャーロット・E・イェーガーと話してみたいんだが、コンタクトを取れないか?」

クレア「シャーロットって、あの501の?そうね…OK、待ってて。連絡は出来るはずだからしてみるわ」

ジョージ「頼む」
この日はそれだけをクレアにしてもらって基地を後にした。

後日、クレアから連絡が入った。イェーガー氏が取材に応じてくれるそうだ。俺は早速身支度を整え、彼女が住んでいる州へ向かった。

ジョージ(ここだな)
俺は若干緊張しつつベルを鳴らす。何たって今からあの伝説の501のメンバーに会えるのだ。ベルを鳴らして少しして彼女は出てきた。

シャーリー「どなた?」

ジョージ「初めまして。先日、取材の約束をさせていただいたジョージ・ハワードという者です。失礼ですが、シャーロット・E・イェーガーさんで間違いありませんか?」

シャーリー「ああ、この間の!クレアさんから話は聞いています。間違いありませんよ」

ジョージ「本当ですか、今日はよろしくお願いします」
イェーガー氏と握手を交わす。70歳近いとは思えない、とても若々しい人物だった。そして『グラマラス・シャーリー』という二つ名の通り、未だにスタイルが保てている。

シャーリー「さ、どうぞ上がって」

ジョージ「失礼します」
居間へ通される。彼女が座ったのを確認して俺も座らせてもらう。

ジョージ「では早速ですが、お話を聞かせていただいてよろしいですか?」

シャーリー「ちょっと待って。今、コーヒーを入れるから」

ジョージ「ああ、お構い無く」

シャーリー「いやいや、このくらいは」
コーヒーを出してもらった所で会話が始まった。

ジョージ「501での日々はどんな感じだったんですか?」

シャーリー「501か…懐かしいなぁ。とにかく毎日賑やかで楽しい所だったよ。個性的なメンバーばっかりで騒動の連続だったなぁ。特に面白かったのが、ズボンが無くなった事件だな」

ジョージ「ズボンが無くなった?」

シャーリー「そう。その日はエーリカの勲章受勲日だったんだ。で、その日は何人かの隊員が訓練後に入浴してたんだ。そしてその子達が上がって脱衣場に来たらズボンが無くなっていたらしいんだ。当然、犯人はいるわけで食堂で話を聞いていた所、ルッキーニが慌てて逃げ出してな。私達はルッキーニが犯人だと思って追いかけた訳だ」

シャーリー「ルッキーニのやつ、すばしっこいから中々捕まらなくてな。ミヤフジのインナーを盗んだり、途中でエイラのズボンを盗んだりして逃げ回ってた。そして誤って敵襲を知らせるサイレンが鳴るボタンを押してしまったんだ。敵襲ってことで私達は一部がズボンの無いまま出撃準備をしたよ」

シャーリー「結局、当時中佐だったミーナさんがルッキーニを引き連れて誤報だと教えてくれた。ルッキーニの持つ全てのズボンを没収してな。けど、ルッキーニを見付けたのはミーナさんじゃなかったんだ」

ジョージ「じゃあ一体、誰が…?」

シャーリー「はは、誰かって?エーリカ・ハルトマンさ。そして私達はエーリカの受勲を見届けたんだ。……まさかここで今回の事件の真相を知ることになるとは思ってなかったけどな」

シャーリー「実はルッキーニがズボンを盗んだのは自分のが無くなってたからだった。ということは、真犯人は別にいる。……もう分かるだろ?」

ジョージ「エーリカ・ハルトマン…ですか」

シャーリー「そう。元はといえばエーリカが自分のズボンを無くしたのが原因だったんだ。それでルッキーニのズボンを盗んだ。これが事件の真相さ」

ジョージ「何か、こう言っちゃなんですけど…しょうもない事件ですね」

シャーリー「だろ。笑っちゃうよな」

ジョージ「けどどうしてエーリカさんはズボンを無くしたんでしょうか?」

シャーリー「さぁねー。けど、知ってるかい?エーリカって人類最強のエースって言われてるけど、地上ではかなりズボラなんだよ」

ジョージ「え、そうなんですか?」

シャーリー「ああ。あまりにズボラなもんだから、同じカールスラント軍で堅物のバルクホルンによく怒られてたよ。まあ大方、何かに紛れて見つけられなかったんだろう」

ジョージ「そうなんですか、意外でした」
それからこんなことも聞いた。

ジョージ「初めて音速を超えた時、どう感じましたか?」

シャーリー「何とも言えない達成感があったね。ずっと夢見てた音速の壁を超えられたんだ。こんな嬉しい事はなかったさ。でも、それでもまだ私は速さに挑戦したいと思ったよ」

そんな感じで他にもいくつか質問した。話を聞くうち、彼女はルッキーニと言われる人物と仲が良かったことが知れた。

ジョージ「今日はありがとうございました」

シャーリー「また何かあればいつでも」

ジョージ「ありがとうございます」
再び握手を交わして、俺はイェーガー氏の家を後にした。


ジョージ「……とまぁ、こんな感じだ」
俺はジョンに纏めた資料を渡して言った。

ジョン「ジョージ、ありがとうな。娘の勉強も捗ると思うよ」

ジョージ「また何かあれば言ってくれ」

ジョン「ああ」