東方南十字星 the SouthernCross Wars五
第五戦:今後の活動場所と模擬戦
井野村がグロッキー状態になって約二時間後。
彼は酔った時の感覚からいまだに脱出できずにいた。
「うえぇ・・・・・・・」
もうエチケット袋は使い果たし、現在岡島のビニール袋へと吐いている。おまけに透明に近いため、中が丸見え。
「しっかし、よう吐きよるのう」
「こりゃ二日酔いしますね」
ようやく収まったのか、井野村はビニールを何重かに重ねて固く縛り、生ゴミの捨て場所へ入れた。
「当分酒は飲めねぇな。つか、もしかして今までそれが原因で集まり関係断ってきたのか?」
「情けない話だが、実はそうだ」
「お前、散々吐いてからんなこと言われたってどうしようもないだろ」
これまで気付かなかった岡島も岡島である。
とまぁ、現在四人は集団から少し離れ、入手した情報を報告しあっている。
後ろはガヤガヤしているためまだ続いている模様。
「・・・・・・・で、ここの話なんか聞いたか?」
「オレはどっちかっつーと、そういう事より途中質問する感じだったな。よう分からん連中にいろいろ聞かれたわ。そいつらの船があの円盤共に襲われたんやと」
「船?どんぐらいの?」
岡島が聞く。
「オレも最初は聞いた。でも、巡洋艦に駆逐艦、フリゲートの事話してもみーんな揃って
首かしげるんや。哨戒艇かとも聞いた。でもそいつらの話だとサイズが合わん。そんで空母かとも確認して説明したら、今度は艦載機はつんどらん言いよる」
普段の吉本とは思えないくらいの調子で話す。すると今まで黙っていた井野村が口を開く。
「ミサイル艇、通信情報艦や補給艦は?」
「ん~・・・・どうやらその船は単独で飛行しとったらしいで。だからそんなもの必要ないんやと」
その時、羽田は思った。
($&%#/‘&#%?飛行??)
そう。通常の海上軍艦が飛行するはずが無い。現在はすでに試験的な宇宙艦は存在している。
だがそれはごく一部のEDFに実験配備されているだけで、幻想入りする条件も満たしていない。まず何より忘れられていない。
にも関わらず、二人、話している吉本本人すら気付いていないようだ。
そして彼がボケたことを言い出す。
「んまぁ、あの光線当たった時に一瞬で炎上して滅茶苦茶にされた上に墜落したらしいから、少なくとも潜水艦ではないわなw」
「・・・・・・ちょっとまて。炎上?飛行?たしかに攻撃力は強かったけど、金属関係に中ったら若干溶けてせいぜい穴開く程度だろ。なのに炎上?一体どんな材料使ったら燃え出す?おまけに飛行?墜落?なんだそら。まさか普通の木船がユラユラ飛んであっけなく落とされたとでも言いたかったのか?」
そこで岡島が区切ると、残りの二人が気付く。
「そういえば(いやぁ・・・・)・・・・」
そして羽田が呆れたように言う。
「全く、吉本さんが最初に飛んでたって言ったこと自体おかしかったんですよ。酔いましたか?三人とも今まで何を勉強してきたんですか?」
「だが、反重力システムのようなものが実在するのなら、それを利用して飛行していたという事も考えられなくはないな」
「でも、んなもんこんな田舎真っ只中みたいなとこで造れるのか?」
次に口を開いたのは吉本。
「フ・・・・・来た時に気づいたけどのう、ここはどうやら、大阪人の連中が意外と多いみたいや。どういう事か分かるか?工業の街大阪!天下の台所大阪!その技術力を持ってすれば、反重力システムでもエネルギーシールドでも、巨大ロボでもなんでも造れる!つまり!!こ~んな田舎でも、大阪人の力は無限大!ここは第二の大阪ってわけや!!」
また脱線している吉本。酔いの勢いにまかせやたら誇らしげに叫ぶ彼であるが、三人はガン無視。
「羽田はなんか聞いたか?」
「あ、僕は「え?無視?」吉本さんの話の補足程度だってので、特になにも」
「井野村は?」
「いや、俺は吉本と同じように質問に答えていくだけだった。途中酔ったが・・・・・・・・・せいぜい、お前は誰だ、その武器はなんだというふうにしか聞かれてないな」
「ふ~ん(その銃まだ持ってたのか)結局、吉本のが一番良い情報だったな。ところで・・・・・・」
「なんや?」
岡島が吉本へ首を向ける。
「哨戒艇レベルの大きさじゃないんだよなその船」
「ああ」
「上に何載せてたんだ?それは」
「自分達の寺積んっどたらしいで。同時に自分達の家でもあるんやと。たしか、『命蓮寺』とか言うたな」
「命蓮寺・・・・・・・・・・被害に遭ったのなら、挨拶ついでに復旧と対策でもしに今度行ってみます?」
羽田が提案する。このような事を一番進んで言い出すのは彼である。
「別に構わん。ついでにシステムの見学でもさせて貰おう」
「ま、挨拶程度はしに行くか」
「ほんじゃ、決まりやな」
吉本が適当にまとめると、再び人だかりの中へ戻った。
その後、少し酔った集団から言われるがままに酒を振舞われ、四人は完全にダウンした。
ちなみに井野村はこの後、三日酔いを経験することになった。
数日後・・・・・・・・。
羽田は、紫の住居に来ていた。
井野村達は現在人里の案内を受けているらしく、そこにはいない。
そこへちょうど紫に呼び出しを食らったため、予定がかぶってしまった。
そこで、羽田だけ別行動という事になった。後で報告するため、ペンと手帳は忘れない。
今、彼はある和室に通され、今さっき女性に出された茶が置いてある机越しに紫と対面している。
先に羽田が発言する。
「あの、話とは一体?」
「実はね、貴方達が例の円盤たちを倒した後、幻想郷中にその事が伝わったの。そしたら、その実力を見せてほしいっていろんなところから言われて、どうもしつこいのよ。そこで、貴方達にはそれぞれの場所にいるみんなと模擬戦をして欲しいの。特に指定はないから、できるだけ今までやってきた戦い方でお願いできるかしら?」
羽田はサラサラとメモ帳に記していく。一通り書き終えた彼は、再度紫の顔を正面に捉え、再び口を
開く。
「分かりました。ですが、残りの三人の意見にもよりますね。なにより僕を含めいつも使っている防具や補助品が足りないとそれだけで戦況に有利不利を左右することになりますし。僕は一向に構わないのですが」
「それなら心配無いわ。貴方達の装備なら、ここに(ガラガラガラガラガラ・・・・)これで全部で?」
突然スキマが開き、そこから大量の金属音がなだれのように押し寄せた。
すかさず羽田は突っ込みを入れる。
「どこに持ってたんすか!?そんなもん!」
あたりは銃弾やら爆弾やらジャケットやらが山になった。
「スキマの中よ?」
どうやら羽田は、スキマにはとんでもない量を入れられる事を理解していなかったようだ。
「とにかく、あとでそっちのほうへ送るわ」
一言言うと、紫は再びスキマを開き装備品をすべて流し込む。
「仕舞うんならなんで出したんすか?口で言えばいいのに」
「一応いつでも出せるってことを見せたかっただけよ」
「そうですか・・・・・・・では、日時と場所の指定をお願いします」
再びメモ帳とシャーペンを構える羽田。
井野村がグロッキー状態になって約二時間後。
彼は酔った時の感覚からいまだに脱出できずにいた。
「うえぇ・・・・・・・」
もうエチケット袋は使い果たし、現在岡島のビニール袋へと吐いている。おまけに透明に近いため、中が丸見え。
「しっかし、よう吐きよるのう」
「こりゃ二日酔いしますね」
ようやく収まったのか、井野村はビニールを何重かに重ねて固く縛り、生ゴミの捨て場所へ入れた。
「当分酒は飲めねぇな。つか、もしかして今までそれが原因で集まり関係断ってきたのか?」
「情けない話だが、実はそうだ」
「お前、散々吐いてからんなこと言われたってどうしようもないだろ」
これまで気付かなかった岡島も岡島である。
とまぁ、現在四人は集団から少し離れ、入手した情報を報告しあっている。
後ろはガヤガヤしているためまだ続いている模様。
「・・・・・・・で、ここの話なんか聞いたか?」
「オレはどっちかっつーと、そういう事より途中質問する感じだったな。よう分からん連中にいろいろ聞かれたわ。そいつらの船があの円盤共に襲われたんやと」
「船?どんぐらいの?」
岡島が聞く。
「オレも最初は聞いた。でも、巡洋艦に駆逐艦、フリゲートの事話してもみーんな揃って
首かしげるんや。哨戒艇かとも聞いた。でもそいつらの話だとサイズが合わん。そんで空母かとも確認して説明したら、今度は艦載機はつんどらん言いよる」
普段の吉本とは思えないくらいの調子で話す。すると今まで黙っていた井野村が口を開く。
「ミサイル艇、通信情報艦や補給艦は?」
「ん~・・・・どうやらその船は単独で飛行しとったらしいで。だからそんなもの必要ないんやと」
その時、羽田は思った。
($&%#/‘&#%?飛行??)
そう。通常の海上軍艦が飛行するはずが無い。現在はすでに試験的な宇宙艦は存在している。
だがそれはごく一部のEDFに実験配備されているだけで、幻想入りする条件も満たしていない。まず何より忘れられていない。
にも関わらず、二人、話している吉本本人すら気付いていないようだ。
そして彼がボケたことを言い出す。
「んまぁ、あの光線当たった時に一瞬で炎上して滅茶苦茶にされた上に墜落したらしいから、少なくとも潜水艦ではないわなw」
「・・・・・・ちょっとまて。炎上?飛行?たしかに攻撃力は強かったけど、金属関係に中ったら若干溶けてせいぜい穴開く程度だろ。なのに炎上?一体どんな材料使ったら燃え出す?おまけに飛行?墜落?なんだそら。まさか普通の木船がユラユラ飛んであっけなく落とされたとでも言いたかったのか?」
そこで岡島が区切ると、残りの二人が気付く。
「そういえば(いやぁ・・・・)・・・・」
そして羽田が呆れたように言う。
「全く、吉本さんが最初に飛んでたって言ったこと自体おかしかったんですよ。酔いましたか?三人とも今まで何を勉強してきたんですか?」
「だが、反重力システムのようなものが実在するのなら、それを利用して飛行していたという事も考えられなくはないな」
「でも、んなもんこんな田舎真っ只中みたいなとこで造れるのか?」
次に口を開いたのは吉本。
「フ・・・・・来た時に気づいたけどのう、ここはどうやら、大阪人の連中が意外と多いみたいや。どういう事か分かるか?工業の街大阪!天下の台所大阪!その技術力を持ってすれば、反重力システムでもエネルギーシールドでも、巨大ロボでもなんでも造れる!つまり!!こ~んな田舎でも、大阪人の力は無限大!ここは第二の大阪ってわけや!!」
また脱線している吉本。酔いの勢いにまかせやたら誇らしげに叫ぶ彼であるが、三人はガン無視。
「羽田はなんか聞いたか?」
「あ、僕は「え?無視?」吉本さんの話の補足程度だってので、特になにも」
「井野村は?」
「いや、俺は吉本と同じように質問に答えていくだけだった。途中酔ったが・・・・・・・・・せいぜい、お前は誰だ、その武器はなんだというふうにしか聞かれてないな」
「ふ~ん(その銃まだ持ってたのか)結局、吉本のが一番良い情報だったな。ところで・・・・・・」
「なんや?」
岡島が吉本へ首を向ける。
「哨戒艇レベルの大きさじゃないんだよなその船」
「ああ」
「上に何載せてたんだ?それは」
「自分達の寺積んっどたらしいで。同時に自分達の家でもあるんやと。たしか、『命蓮寺』とか言うたな」
「命蓮寺・・・・・・・・・・被害に遭ったのなら、挨拶ついでに復旧と対策でもしに今度行ってみます?」
羽田が提案する。このような事を一番進んで言い出すのは彼である。
「別に構わん。ついでにシステムの見学でもさせて貰おう」
「ま、挨拶程度はしに行くか」
「ほんじゃ、決まりやな」
吉本が適当にまとめると、再び人だかりの中へ戻った。
その後、少し酔った集団から言われるがままに酒を振舞われ、四人は完全にダウンした。
ちなみに井野村はこの後、三日酔いを経験することになった。
数日後・・・・・・・・。
羽田は、紫の住居に来ていた。
井野村達は現在人里の案内を受けているらしく、そこにはいない。
そこへちょうど紫に呼び出しを食らったため、予定がかぶってしまった。
そこで、羽田だけ別行動という事になった。後で報告するため、ペンと手帳は忘れない。
今、彼はある和室に通され、今さっき女性に出された茶が置いてある机越しに紫と対面している。
先に羽田が発言する。
「あの、話とは一体?」
「実はね、貴方達が例の円盤たちを倒した後、幻想郷中にその事が伝わったの。そしたら、その実力を見せてほしいっていろんなところから言われて、どうもしつこいのよ。そこで、貴方達にはそれぞれの場所にいるみんなと模擬戦をして欲しいの。特に指定はないから、できるだけ今までやってきた戦い方でお願いできるかしら?」
羽田はサラサラとメモ帳に記していく。一通り書き終えた彼は、再度紫の顔を正面に捉え、再び口を
開く。
「分かりました。ですが、残りの三人の意見にもよりますね。なにより僕を含めいつも使っている防具や補助品が足りないとそれだけで戦況に有利不利を左右することになりますし。僕は一向に構わないのですが」
「それなら心配無いわ。貴方達の装備なら、ここに(ガラガラガラガラガラ・・・・)これで全部で?」
突然スキマが開き、そこから大量の金属音がなだれのように押し寄せた。
すかさず羽田は突っ込みを入れる。
「どこに持ってたんすか!?そんなもん!」
あたりは銃弾やら爆弾やらジャケットやらが山になった。
「スキマの中よ?」
どうやら羽田は、スキマにはとんでもない量を入れられる事を理解していなかったようだ。
「とにかく、あとでそっちのほうへ送るわ」
一言言うと、紫は再びスキマを開き装備品をすべて流し込む。
「仕舞うんならなんで出したんすか?口で言えばいいのに」
「一応いつでも出せるってことを見せたかっただけよ」
「そうですか・・・・・・・では、日時と場所の指定をお願いします」
再びメモ帳とシャーペンを構える羽田。