Muv-Luv A Lost Human ~消えたはずの男~
深夜
「失礼します」
「ああ、ご苦労だった。篁大尉」
「いえ・・・・・」
唯依への報酬、それは・・・・・
「・・・乾杯」
「乾杯」
晩酌を交わすことであった。しかも、
「しかし大尉、これを見て何が嬉しいのかね?ご覧の通り、額には傷がある私の顔を」
「・・・少佐は、今は亡き初恋の相手にそっくりなのです。彼のことを思い出したい時も、私にはあります」
「・・・・・」
ふと、唯依を抱き締めるウォルムス。
「ッ!?しょ、少佐?」
「今はその亡き恋人の名でよんでいい・・・君が望むなら私はよろこんで君の器になって君を受け止めよう」
「う・・・うう・・・マイさん・・・・・」
そのままウォルムスに抱きつき、泣きながら彼女の恋をしていた相手の名を語る唯依。
「よしよし・・・辛かったのだろう?唯依・・・。一人で抱え込まずに私に話してごらん・・・?」
優しく、優しく、唯依を包み込むウォルムス。
唯依は、彼に救われたことだろう。
翌朝
「ん・・・・・」
いつも起きる時間となり、目が覚める唯依。
ふと隣を見ると裸のウォルムスが熟睡している。
自分はというと、勿論、全裸だ。
「私・・・少佐に抱かれたんだ・・・・・」
何か、嬉しさとどこか、悲しさを思いながら唯依は再び眠りについた。
2001.5.1
「佐渡島のBETAの動きが活発になってきている?」
諜報部からの報告を受け、驚く香月。
「(・・・何が狙いなのかしら・・・・・?)」
BETAの思考を判別できないため、こういう一つ一つの動向で悩まなければならない。
「はぁ・・・とにかく、来月の佐渡島攻略作戦にかけるしかないわね」